リアクション
7.見学会の終わりに……
りーんごーんがーんごーん。
午後5時のチャイム。
見学会閉会の鐘の音だ。
見学会の帰り道、生徒達は思い思いの速さで門へ向けて歩を進める。
彼らの背に、朱の光が差す。
空京の夕日は、夏の所為か鮮やかだ。
「これで、大丈夫かな? アクリト」
校長室の窓から外を眺めて、パルメーラは傍らのアクリトを見上げる。
「大丈夫だ、学生達は空大での生活に興味を持ったようだ――そのように、私の計算では出ておる」
相変わらずのプライドの高さで告げて、アクリトは席に戻る。
けれどその顔が穏やかだったのを、パルメーラは見逃さなかった。
(アクリトにとっても楽しい一日だったんだね! きっと)
もっともっともっと! これを機会に、彼にもお友達が増えてくれるといいんだけどなあ!
パルメーラは不安げに正門を眺めて、小さく頷く。
(……うん、大丈夫だよね! きっと)
これからなのだ! 自分達も、この学校も。
彼女は空を見上げた。
真っ赤な夕景は、どこまでも自分達を祝福しているようだった。
了
シナリオを担当させて頂きました、大里佳呆と申します。
この度は空京大学の学校見学会にご参加いただき、ありがとうございました。
青空の下、見学会でのひとときはいかがでしたでしょうか?
当シナリオが、空大での大学生活のイメージづくりに貢献できれば幸いです。
これを機会に、皆様のご活躍の場が広がりますことをお祈り申し上げます。
それでは失礼致します。
※8月11日、修正を加えて再提出を致しました。