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尋問はディナーのあとで。

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尋問はディナーのあとで。

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終 章 上品な微笑み

 あれから何日かが過ぎ、みんなは何事もなかったように普段の生活を送っていた。
 シャンバラでもっとも大きな湖に浮かぶ優雅な街。ヴァイシャリーの一角に存在する百合園女学院から、今日も三人の乙女達が出ていく。向かう場所は冒険色の豊かなシャンバラの大荒野である。

「あ〜ぁ、高額の依頼料だったので荒野で依頼人と待ち合わせしてたのに、まさか……偽依頼だったとはね。」
 荒野の端に位置する池のほとりで、セフィー・グローリィア(せふぃー・ぐろーりぃあ)は退屈そうにあくびをした。
「確かにな。ちくしょー、むかつくぜ。依頼主を見つけたら、俺たちの恐ろしさを身体に刻み込んでやる。」
 オルフィナ・ランディ(おるふぃな・らんでぃ)は右拳を左手に打ちつけながら怒るが、エリザベータ・ブリュメール(えりざべーた・ぶりゅめーる)が仲裁に入り雑談が始まる。たわいのない話題がしばらく続き、そろそろ話題も尽きてきた頃、エリザベータは数日前に見た夢の話をした。
「そう言えば、私……不思議な夢を見たんだけど。」
 すると、三人は顔を見合わせて驚く。

 なんと、全員が同じ様な夢を見たというのだ。雇い主の姿も敵の姿もわからないが、どこかの館の女王が捕らえた捕虜たちが逃げ出し、暴動を起こしたのでそれを鎮圧すると言う夢だった。


 ☆     ☆     ☆


 始まりは、小さな小部屋の中。目を覚ましたセフィーたちは生意気な館の主と出会った。
 セフィー達は腕を縛られており、「今から調教させてもらうわよ。」と、よくは覚えていないがソイツはかなり嫌な奴だった。だが、奇妙なシンパシーを感じ、純粋に友達になりたいと思った事が始まりだった。
「友達になるですって、ふざけないで!」
「別にあんたがどう思おうと知った事じゃないね。私がそうしたいからそうするの。何か問題ある?」
 腕を封じていたロープを引きちぎると、三人は主の肩を抱いた。
「じゃあ、勝手にしなさい!」
 主はそう言ったので、勝手にさせてもらった。

 扉から外に出ると、腕利きの四人組が執事のような男と戦っていた。状況を判断したオルフィナは中央の小柄な敵を倒し、全員で他の連中も蹴散らした。こちらは主と執事のような男とセフィーら三人ともう一人、刺青の女がいたような気がする。合計六人。
 部屋はそう、悪趣味な薔薇の彫刻をされたピンク色の扉が印象的な牢獄だ。
 その後……武器を貰い、衛兵やを引き連れて、凄腕の二人組の女と戦ったような気がする。シャンバラ教導団と思われる彼女らは信じられないほど強かったが、完全武装して兵士を率いたセフィーらの敵ではなかった。尋問して秘密も聞いた覚えがある。

 彼女らは
「先日起こった教導団でのミサイルの誤射。あれは自分が「ポチっとな」とギャグをかましたせい。」
「ゴキブリ嫌いが高じて、超強力殺虫剤を作ってたら成長促進剤になってしまい、巨大ゴキブリを発生させてしまった。」
 と言う、本当か嘘かわからないような秘密を吐いていた。
 まぁ、夢だから終わりの方はうやむやで、どうなったのかわからないが……。


 ☆     ☆     ☆


 そろそろ日も傾き、彼女らは帰る事にした。
 帰り道、道端でいやに姿勢の良い農夫を見つける。彼はピシッと分けた七三の髪を手で直しながら、泥だらけになり一生懸命に働いていた。そして、セフィーらに気づいた彼は頭を深々と下げる。
「何、セフィー知ってる人?」
 エリザベータは不思議そうな顔で尋ねた。
「……友達よ。何か問題ある?」

 セフィーはそう答えると、上品に微笑んで頭を下げたのだ。


担当マスターより

▼担当マスター

サナンダ アナンダ

▼マスターコメント

 お久しぶりです。もしくは初めましてかも。
 サナンダ アナンダこと、サナアナです。
 まずはこのようなわかりにくいシナリオガイドに参加してくださって有難うございます。

 二年ぶりと言うことで色々と思うところはありましたが、皆様のアクションのおかげで楽しく書くことが出来ました。
 そして、最後まで読んでいただいた方も本当に有難うございました。
 この場をお借りして皆様に御礼申し上げます。