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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別

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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別
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第八篇:涼介・フォレスト×ミリア・フォレスト

 せっかくの機会だから、デートの定番である遊園地デートを楽しんでみたい。
 涼介・フォレスト(りょうすけ・ふぉれすと)はそんな思いと共に『本』の中へと入った。
 そして今、彼は遊園地のジェットコースターの座席に座っている。座席の位置は最前列――最もスリリングな場所だ。
 隣には妻であるミリア・フォレスト(みりあ・ふぉれすと)が座っており、二人はしっかりと手を繋いでいる。
 凄まじい向かい風と、足にかかる重力を心地よく感じながら、涼介はミリアの手を更にぎゅっと握る。
(ベタで定番のハッピーエンドだけど、幸せな結末のほうが彼女のためにもいいよね)
 そう胸中で呟き、涼介は隣に座るミリアも自分と同じく向かい風と重力を心地よく感じているのを見て微笑む。
(理想の恋愛シチュエーションか。そういえば、ミリアとちゃんとしたデートってしたことなかったよな。せっかくの機会だから、事件解決を含めてこの状況を楽しみますか)
 もう一度胸中に呟くと、涼介は凄まじい速度で流れていく風景に目を移す。
 シチュエーションは何気ない休日、二人で出かけた遊園地。
 色々なアトラクションに乗って、二人で作ってきたサンドイッチで昼食をとった。サンドイッチはドイツパンで作った、本格的なドイツ風のサンドイッチだった。
 それを思い出しながら、涼介は再び微笑む。
 そして、ジェットコースターを乗り終えた後も様々なアトラクションをはしごした二人は、時間も日没に差し掛かる頃――マジックアワー――日没後に数十分程体験できるという薄明の時間帯にして、世界で一番美しい時間帯とも言われると呼ばれる時間帯を狙って観覧車に乗った。観覧車に乗るにはまさに最高の時間帯だ。
 しかも涼介は、観覧車のゴンドラが丁度一番上に来ると同時にマジックアワーが来るように調整して観覧車に乗ったのだ。
 そして、二人のデートはクライマックスを迎えた。観覧車のゴンドラからマジックアワーに照らされる街を見下ろす二人。
 二人で他愛も無い会話をしながら景色を楽しみつつも、涼介はミリアの美しさに目を奪われてしまっていた。そして、彼女を、この幸せを守ることを改めて心に誓う。
 互いの絆を確認し合った二人。二人の絆が永遠であらんことを。