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リアクション
第六章:小鳥遊 美羽&ベアトリーチェ・アイブリンガー
同日 某時刻 海京某所
「ラーメンって……奥が深いですね」
パン屋の前に陣取り、キメラーメンからパン屋を防衛しながらベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)はしみじみと呟いた。
「そうだね。まぁ、でも、私たち目の前のいるあれはラーメンじゃないよね」
ベアトリーチェに応えたのは、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)だ。彼女は、戦闘に入る前に、予めベアトリーチェが実里と一緒に作ってくれた『実里特製塩ラーメン』を食べながら、キメラーメンを見つめている。
ベアトリーチェは【腕の良い料理人】【料理の先生】【ネオ秋葉原のメイド喫茶の料理長】といった称号を持っている、実力派の料理人だ。ラーメン作りについても日々精進している彼女が実里と一緒に作っただけあって、この塩ラーメンは相当に旨い。
彼女たちが守る食材はパン。二人はキメラーメン相手に頭脳戦をしかけるべくパン屋の前に陣取っていたのだ。背後からただよってくる焼きたてパンの香りに誘われて、ここにも大量のキメラーメンが集まってきていた。
「そろそろいいんじゃない?」
ラーメンを食べ終えた美羽は、どんぶりを置き、その上に箸を揃えて置いた後に手を合わせる。
「ええ。そのようですね」
落ち着き払った様子でベアトリーチェも言葉を返す。
状況は二人が意図した通りに進んでいた。
「じゃ、いくよ」
合図する美羽の声とともに、パン屋の前に集まったキメラーメンたちを囲むようにして結界が発生する。
――パン焼き結界。キメラーメンを一網打尽にするべく、彼女たちが用意したアイテムだ。
パン焼き結界は、結界に閉じ込めたものを焼成するアイテム。
焼きたてのパンの臭いで誘き寄せられ、トラップに誘導されたキメラーメンをパン焼き結界に閉じ込めた美羽は、消し炭になるまでキメラーメンを焼くべく、火炎を用いたこのトラップを作動させた。
「こんなもの、焼却処分よ!」
数分後、キメラーメンの消し炭が大量にできあがっていたそうな。
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