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リアクション
第八章:綾原 さゆみ&アデリーヌ・シャントルイユ
同日 某時刻 海京某所
綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)はいつになく怒っていた。
「これは……ラーメンに対する冒涜だわ!」
怒り心頭なのを隠しもせず、さゆみは手にした光刃から雷撃を放って迫り来るキメラーメンを引き裂き、或いは爆炎を放って自らを取り囲もうと群がってくるキメラーメンを吹き飛ばす。
彼女の背にはから揚げ屋の看板を掲げた店が見える。そう、彼女が守っているいるのは鶏のから揚げなのだ。
キメラーメンののあまりりに醜悪な姿に、さゆみは嫌悪感とを催すと同時に、激しい怒りを覚えていた。
彼女自身がラーメン好きというのもあるが、親類がラーメン屋をやっていて、子供のころはよくそこでラーメンを食べさせてもらった。その親類がラーメンに対して真摯に取り組んでいるのが判るから、鬼滅羅のやっている事はどう考えてもラーメンを冒涜しているとしか思えない。子供のころの思い出を無残に踏み躙られた思いがして、どうしても許せないのだ。
「あなたがここまで怒るとは、よほど嫌な思いをしたのですわね」
さゆみの隣に立つパートナー――アデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)は、いつにない様子のさゆみを見て、彼女の思いを察したのか、それ以上は何も聞かず、ただ黙って彼女と共に戦っていた。
キメラーメンの群れを雷術でなぎ払い、火術で焼き払う。そして、氷術で凍結させ、一体も残さずに倒していく。あまりの怒りに防りも忘れてただひたすらに攻めに徹するさゆみを守るように、アデリーヌはさゆみに襲い掛かるキメラーメンを倒し続けた。
そして、幾らかの時が過ぎた頃。彼女たちが戦っていたキメラーメンの群れは、全ての個体が活動を停止していた。
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