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噂の生物発見
脱出者が出てきた頃、地下ではトカゲのような生物とコウモリのような生物に探索者たちは襲われていた。
「これで最後だ!」
エースのファイアストームで残っていた生物を焼却させ、奥に進んで行く面々。
続いて入った部屋には白衣を着た男性と女性、毛むくじゃらの狼男みたいな生物がいた。
檻の中に鎖で繋がれた状態の狼人間に女性はバケツに入った人間の切断された四肢を投げ入れていく。
「ヒヒ……上手いか? 取れたて新鮮だぞ」
がっつく狼男。
男性はそれを見て、近くに並んでいる巨大な試験管に入れられている、猫とカンガルーが合わさったような生物を試験管ごと檻の中に入れた。
「これは失敗したが、これを食わせる事でお前はどのように新たなウイルスを作りだすんだろうなぁ」
異様な目の輝きで様子を見やる男性。
女性は感情を抑えているのか読めない表情だ。
四肢を喰らっていた狼男は試験管を唾液で溶かすと中に入っていたそれに喰らいつく。
「あれが噂の根源みたいネ」
「なら、さっさとあの狼っぽいヤツを倒しちまおうぜ?」
「待て、頑丈に鎖に繋がれていることを見ても、アレをどうにかする前に手前にいる二人をどうにかするのが先だ」
「ならば私の出番だな」
メシエがヒプノシスで捕らえようと名乗り出る。
眠らせた者はゲイルが拘束する事で話はまとまり、タイミングを見計らう。
「……GO!」
素早くメシエはヒプノスをかけるが、男性には効かなかった。
仕方なくゲイルは眠りに落ちた女性だけを捕まえ距離を取った。
「……む。こんなところまで侵入してくるとは……ちょうど良い、貴様らを実験体にして更なる極みに立ってやろうぞ!」
ティファニーたちに気が付いた男性は、ティファニーたちを一人でも多く捕まえようと壁に並んでいた巨大な試験管に入っていた合成生物を開け放つ。
「四肢が欠けても構わん! 行け!!」
我のようなコウモリのような生物や、牙の鋭いウサギなど様々な合成生物が飛びかかって来る。
「エース君、心おきなく魔法で殲滅したまえ」
「良いけどよ、メシエはどうすんだよ?」
「私? 虫などに近寄りたくもないね。ここで女性が食われんようにでもしてるさ」
「そうかよ!」
捕まえた女性と少し離れた所で傍観を決め込むメシエ。
エースは分かってるさとでも言いたげにそう言ってサンダーブラストを飛びかかって来た生物に放つ。
「ひよの、ここら辺にある機材も破壊できないか?」
「え? あたりまえだろ。私に壊せないモノはねーよ!」
「なら、全部とは言わなくても、液体が溜まっている容器だけでも破壊を頼む」
「了解。んで、まーけっとはどーすんだよ?」
「俺は配線でも弄ってるさ」
飛びかかって来る生物の数を減らす事に力を使うことにしたまーけっととひよの。
まだ開け放たれていなかった試験管を片っ端から破壊していくひよの。
それとは反対にまーけっとは機械の配線を切断することで増援を防ぐ。
「いっくよー! 覚悟しろ―!!」
掛け声とともにゴッドスピードで加速をすると、合成生物に羅刹の武術で威力を上げた拳で七曜拳を浴びさせる。
それに耐えきれなかった生物はばらばらに飛び散った。
「まだまだ!」
ブライドオブブレイドを手にわらわらと向かってくる生物に一閃、なぎ払った。
それに耐えた生物にはさらに疾風突きを加えて絶命させる。
次々に倒されていく合成生物。
そして、ついに合成生物は檻に入った狼男だけとなった。
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