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リアクション
色香を纏わし淫魔の悪戯
見取り図を作成していたエース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)。
「二階の部分は元々寝室や客間だったみたいだな」
「そうですが、私としてはあのようなことはご免被りたいところです」
メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)が先ほど入った寝室での出来事にややぐったりしている。
「確かにあれは強烈だったなー。俺にしておけば良かったのにさ」
「あれはされた当人にしか分かりませんよ。あのようにすり寄ってくるなど……」
「あのように美しい女性が自ら迫ったと言うのに、突っぱねるなんてもったいない」
まだ空白が残っている場所を埋める為にエースは空白部分に当たるドアを開け中に入る。
室内は小物が置かれたテーブルと花の絵や風景を描いた絵画がいくつか並べられ、窓には破れかけたレースがかかっている。
中に入って来たエースとメシエが入って来ると、テーブルに置いてあった小物が独りでに落ちたり、絵画がガタリと斜めになったりする。
「……ここは年頃の少女の部屋をイメージした部屋かなんかか?」
「恐らくそうでしょう。……やや年はいってそうですが」
「おいおい、レディはいつでも恋に生きる年頃の少女だぜ? そう言うのは可哀想だ」
小物が降りたり、絵画がずれている中、動じず室内を隈なく探っているエースとメシエ。
すらすらと見取り図に描き足していくエースの前に、今まで隠れて脅かしていたセフィー・グローリィア(せふぃー・ぐろーりぃあ)が洋燈の光に照らし出されて、胸を強調した純白の拘束具の様なボンデージに白狼の帽子と外套姿で妖艶なサキュヴァスの姿で妖艶に現れた。
「今夜の獲物は美味しそうね」
「そちらの貴方もとても美しいサキュバスでいらっしゃいますね」
エースの顎を優しく撫で色香を漂わせるセフィー。エースはそれをまっすぐ見つめ返す。
「あたしと良い夢を見ましょう……。淫魔の夢を……」
至近距離で見つめ合う二人の距離はセフィ―が寄った事で零になった。
淫魔独特の濃厚なキスをするとエースの身体を弄びながら、セフィーはエースをそのまま落とし穴のある所までゆっくり導いて行く。
すっと今まで密着していた身体を離したセフィーは、落とし穴の開閉スイッチを押してエースの足元を空洞にした。
「甘いよ」
「それより、この穴が行きつく先を教えてくれませんか?」
色香に惑わされていたハズのエースは開かれた穴をあっさりと避け、エースとセフィーのやり取りを今まで傍観していたメシエがセフィーを捕らえる。
「あら、あたしの色香に惑わされず、拘束するなんてなかなかやるわね。良いでしょう、スタンプを差し上げましょう」
胸元をはだけさせて胸の谷間に隠していたスタンプを優しく差し出してくるセフィー。
とりあえず、参加者のフリをしているエースとメシエは最初に裕輝から受け取っていた台紙にスタンプを押す。
「ありがとうございます。それより、この穴の行きつく先を聞いても良いですか?」
「落とし穴の先? このホラーハウスの入口付近に直結しているわね」
「この地図だとどこら辺になる?」
エースお手製の見取り図の玄関先付近を指さすセフィー。
「ここに繋がっているのか。他の部屋にも別通路に続いている部屋があるかもしれないな。ありがとう、お譲さん」
セフィーに言われた箇所に描き足し部屋から出ていく二人。
セフィーも次来る人に備えて落としたモノを元通りにして隠れるのだった。
◇ ◇ ◇
カモフラージュで今まで隠れていた白の猫耳と尻尾を付けたセクシービキニのヘルキャットの衣装を着た
ヒルデガルド・ブリュンヒルデ(ひるでがるど・ぶりゅんひるで)が、メモリープロジェクターを使い天井から降って来るとルカルカとダリルを囲んだ。
「貴方は私に痛みを与えてくれますか……」
「わぁ! こ、今度は人形じゃなくて人が降って来たー!!」
びっくりしたのも楽しみつつ逃げていくルカルカ。数歩下がった所からルカルカを追うようにしているダリル。
そこへセフィーの寝室から出てきたエースたちと遭遇する。
「エース!?」
「ルカルカ? なんだ、君もこのホラーハウスに来てたのか」
「それどころじゃないよ! 後ろから……」
「にゃ〜」
「へ?」
慌てて事情を離そうとしたルカルカの背後には無表情のヒルデガルドが立っていた。
「うわーーー!!」
逃げていくルカルカ。
エースとメシエも、急な出現に驚き、ルカルカを追うように逃げ出す。
ようやくヒルデガルドの脅かし範囲から外れる事が出来た4人は、お互いに噂解明をしていたことを知る。
「なんだ。だったらまだルカたちも行ってない地下に行こうよ」
「そうだな。この階もあらかた書き終えたし、メシエ君もそれでいいだろ?」
「私はなんでも構わんよ。生体実験や行方不明者に関することを調べられるのなら」
「ならばその地下へ続く場所を探さないといけないな」
4人は地下へ続く場所を探す為に動きだした。
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