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反撃のマリア

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反撃のマリア

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「……え?」
 思わずコルセア達はただ呆然とそれを見ていた。
 粉々に砕け散ったガレキの向こう側には、謎の装甲車が突っ込んでいる。
 そして、記憶が正しければ、先ほどまで戦っていた「ダガーを構えた男」はあの車に追突されそのまま建物につっこんだはずだ。

「ぐっ、な、なんだあの装甲車は!? おい、ナパーム弾だナパーム!!」
「はっはいっ!!」
 兵士達は装甲車の襲撃に慌てて、鞄をあさり始める。
 このまま兵士達を自由にすれば、おそらくここは火の海になる……でも今なら説得できるかもしれない。
 そう思ったマリアは、素早く銃を兵士達に構えた。
 だが、兵士達を待っていたのは銃弾でも説得でも無く、装甲車のバックアタック&追撃だった。
「お、おいっ! 逃げろっ!!」
 唸るようなエンジンの轟音に驚き兵士達は、一歩下がる。
 しかし、それよりもフルスロットで動き回る装甲車は速かった。

「邪魔だ邪魔だーっ!! お前達には用がねぇよっ!」
 装甲車の中から、柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)が上機嫌に叫びながら、装甲車のハンドルを思いっきり回す。
 それから数分ともしないうちに、兵士達は全員装甲車の猛烈な攻撃に倒れていった。

「……お、おわったの?」
 ルカルカやダリル達はなんとか肩で息をしながら、目の前の敵が居なくなったことを確認する。
「こんにちはー。いきなりですが、アーベントさんちのグロッグ君はいますかー?」
 それらをやってのけた恭也は、装甲車から降りると窓から顔をだしてそんなことを言った。
 だが、そこにマリアがいることに気がつくと恭也は舌打ちした。
「なんだ、マリアがいるってことは教会はまだ先か」
 恭也は再び装甲車に乗り込むと奧へと走り去っていく。

「あ、嵐みたいな人で――」
「しまったっ!?」
 マリアが小さくため息をついていたときだった、突然遠くから声が上がる。
 マリア達はそこに駆けつけてみれば、唯斗がうろうろと左へ、右へと何かを探しているようだった。
「あの、どうされたのですか?」
「さっきまで捕まえておいた危険物に逃げられました……」
「?」
 何のことを言ってるのか分からないマリア達だったが、その後合流した吹雪達によりそれがようやく、出会ったことある3人のうち1人だと分かるのだった。