First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
「……え?」
思わずコルセア達はただ呆然とそれを見ていた。
粉々に砕け散ったガレキの向こう側には、謎の装甲車が突っ込んでいる。
そして、記憶が正しければ、先ほどまで戦っていた「ダガーを構えた男」はあの車に追突されそのまま建物につっこんだはずだ。
「ぐっ、な、なんだあの装甲車は!? おい、ナパーム弾だナパーム!!」
「はっはいっ!!」
兵士達は装甲車の襲撃に慌てて、鞄をあさり始める。
このまま兵士達を自由にすれば、おそらくここは火の海になる……でも今なら説得できるかもしれない。
そう思ったマリアは、素早く銃を兵士達に構えた。
だが、兵士達を待っていたのは銃弾でも説得でも無く、装甲車のバックアタック&追撃だった。
「お、おいっ! 逃げろっ!!」
唸るようなエンジンの轟音に驚き兵士達は、一歩下がる。
しかし、それよりもフルスロットで動き回る装甲車は速かった。
「邪魔だ邪魔だーっ!! お前達には用がねぇよっ!」
装甲車の中から、柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)が上機嫌に叫びながら、装甲車のハンドルを思いっきり回す。
それから数分ともしないうちに、兵士達は全員装甲車の猛烈な攻撃に倒れていった。
「……お、おわったの?」
ルカルカやダリル達はなんとか肩で息をしながら、目の前の敵が居なくなったことを確認する。
「こんにちはー。いきなりですが、アーベントさんちのグロッグ君はいますかー?」
それらをやってのけた恭也は、装甲車から降りると窓から顔をだしてそんなことを言った。
だが、そこにマリアがいることに気がつくと恭也は舌打ちした。
「なんだ、マリアがいるってことは教会はまだ先か」
恭也は再び装甲車に乗り込むと奧へと走り去っていく。
「あ、嵐みたいな人で――」
「しまったっ!?」
マリアが小さくため息をついていたときだった、突然遠くから声が上がる。
マリア達はそこに駆けつけてみれば、唯斗がうろうろと左へ、右へと何かを探しているようだった。
「あの、どうされたのですか?」
「さっきまで捕まえておいた危険物に逃げられました……」
「?」
何のことを言ってるのか分からないマリア達だったが、その後合流した吹雪達によりそれがようやく、出会ったことある3人のうち1人だと分かるのだった。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last