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リアクション
調薬探求会が去った後。
「情報はそれなりに集まったな」
羽純はケーキを楽しみながら皆の顔を見た。
「そうだね、羽純くん。しかも万が一という事はもしかして」
こくりと羽純にうなずくなり歌菜はある事に思い当たりそれを言い終える前に
「中毒者が騒ぎが起こしても解決するための何らかの手段を用意するという事ですね。中毒者が作成した特別なレシピを安全に見守るために、完璧な特別なレシピを作るために。黒亜さんが作り出した薬の対応については分かりませんが」
舞花が言葉にした。誰もが二人と同意見だった。この先にあるのは楽しい事では無いと。
「素材にされた物を記憶に戻すという事か。齟齬とやらがあるなら他の効果もあるかもしれないな」
羽純が着目したのは自分が追求した齟齬についてだった。
「それだけでなく黒亜さんも関わってくるとなると」
舞花が気になるのは黒亜の存在。
「厄介な事になるな。改良した物となれば、レシピ通りに作る中毒者よりも対応は厳しくなるはずだ。対応に関してもそちらの方が遅れる可能性がある。何よりあいつはこちらがいくら説教をしても魔法薬の実験としか捉えないだろうな」
シリウスはやれやれとこの先に起こりうる事を想像し溜息を吐いた。想像するだけで疲れる。妖怪の山での騒ぎで黒亜のお仕置きに参加した者として分かっていた。黒亜がおかしい事は。
「今の状況では居所が分からない中毒者を止める事は出来ない。すでに薬が出来上がっている可能性がある、黒亜が改良した薬の阻止も無理。ただし、完璧な特別なレシピは中毒者の薬を検証した後となれば止める事は出来るだろうが」
羽純は対策の可能性を探るも後手に回っている感は拭えない。
「……どちらにしろ犠牲者が出ますね」
ヨシノは深い溜息を吐きだすも
「……今日は本当にありがとうございました」
本日協力してくれた皆に感謝を述べた。
「とりあえず今日はそれなりに情報も得られてこの先に起こる事に対しての心積もりが出来たんだから落ち込む事無いと思うよ。景気づけに何か食べよう」
サビクは何はともあれ情報を得た事に対して前進したと暗くなっているヨシノを励ました。
「確かに何も分からないよりはいいですね。ありがとうございます」
ヨシノは空元気の笑顔で答えた。
その後、ヨシノを交えて甘味を楽しみ他の場所ではウララは家宅捜査に奮闘してシュオンとクオンの兄弟は楽しい時間を過ごしヴラキは脱毛を止める解除薬を作り上げた。集まった情報について特別なレシピに深く関わったイルミンスール魔法学校への報告は忘れずにされたという。
そして、イルミンスール魔法学校と調薬友愛会は収集した情報から特別なレシピ作製の手順や素材について探るも案配は芳しくない上に魔法中毒者が逃走手段に使ったと思われるゴンドラから行方を追うもヴァイシャリーを出たという事しか分からず、吸血鬼の中毒者以外の中毒者の存在についてはさらに分からず、捜索の時間が必要とされた。
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