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リアクション
【3】SUPER【5】
「……随分と長く話し込んでいたな」
廊下に夕暮れの日差しが差し込むころ、ようやく研究室を訪ねていた生徒たちが帰った。護衛に付いてたハーティオン達も、校舎内で散々暴れたのがバレて、事務局に事情の説明をするため、一時的に席を外している。
奈落人マーツェカは大文字と二人で話をするため、人が離れるのを待っていた。
「失礼するぜ」
扉を開けて中に入る。
「?」
不思議な事に部屋には先ほどまでいたはずの大文字の姿がない。
彼女はずっと入口の前にいた。先ほど出て行ったのは、間違いなく大文字以外の面々だった。
「……どういう事だ?」
流石のマーツェカも困惑していると、外から複数の足音が聞こえてきた。慌ててマーツェカは隠れる。
「すみません、先生忘れ物しちゃって……」とリオ。
「あれ、大文字先生?」と雅香。
「トイレでも行ったんじゃないのか?」
奈津がそう言って、何気なくデスクに腰を下ろした拍子に、デスクに隠されたスイッチに触れてしまった。
「な、なんだ!?」
ピピピピピ……と部屋のあらゆる箇所から電子音が響いた。
ガコンと音がして、急な浮遊感に襲われた。部屋ごとエレベーターのように下降している感覚だ。
「うわわわわっ!?」
「なんだなんだ? どうなってるんだ?」
しばらくして浮遊感は消えた。
おそるおそる部屋の外に出ると、先ほどと同じ廊下があった。しかし暗く非常灯が足元を照らしている。
「……”G”?」
廊下に示されたフロアマークには”1F”でも”B1”でもなくただ”G”とだけ表されていた。
「ここは一体……?」
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