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リアクション
第霊章 始めの一歩
 座敷の壁際を覆い尽くすかのように、明かり代わりの蝋燭が並んでいた。
 その光景を目にした瞬間──あまりの異様さに、思わず部屋の中に入ることを躊躇してしまう。
 等間隔に並べられた何十本もの蝋燭の火には圧倒されるものがあるが……
 夜話会の雰囲気を作り出すためには無くてはならないものなのだろう。
 本番を翌日に控え、最終稽古に入っている。
 まさに、観客がいる時と同じ状態で臨もうと言うのだ。
 蝋燭の煙が天井に立ち上る。
 部屋一面に敷き詰められた座布団は圧迫感を醸し出し、やがて起こるであろう何かを予感させる。
 中に踏み込めば、もう後戻りは出来ない。
 知らず唾を飲み込む。
 これから、恐怖の幕が上がる──
 
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