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リアクション
序章
多くの生徒は御神楽 環菜(みかぐら・かんな)の依頼通り調査に向かったが、中には他のことに興味を示す者もいた。
「大変だ! ペガサスがっ!」
宝の地図のコピーを握りしめ、ララ サーズデイ(らら・さーずでい)は大慌てでリリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)の部屋に駆け込んできた。ララは、ペガサスに対する憧れが非常に強いのだ。
「ああ、それは――」
リリが何か言おうとするが、ララは彼女にはお構いなしで、ユリ・アンジートレイニー(ゆり・あんじーとれいにー)に声をかける。
「ユリ、一緒に来てくれ」
「えっ」
「ペガサスは、清らかな乙女にしかなつかないんだ」
「清らかな乙女……」
「そうだ。だから一緒に」
「分かりました! やります、ワタシやりますですよっ!」
ユリは、いとも簡単にララのペースに巻きこまれた。
二人の会話を聞いて、リリは頭を振る。
「どこから突っ込んだらいいものやら。処女になつくのはユニコーンだし、噂のペガサスはおそらくフリューネの愛馬エネフなのだよ……って、もう居ないし」
リリが説明を終える前に、ララとユリは部屋を飛び出していた。
「やれやれ」
リリは、仕方なく二人の後を追うのだった。
「ネット上で噂になっている宝の地図ってのがあるらしいんだけど、探しに行かない?」
五月葉 終夏(さつきば・おりが)は、山葉 涼司(やまは・りょうじ)を調査に誘っていた。彼女は、山葉を元気づけたいと思っている。
「この頃何かと悩みが多そうだし、気晴らしになるかもしれないよ」
神裂 刹那(かんざき・せつな)も終夏に続いた。
しかし、山葉は乗り気ではなかった。
「うーん、色々疲れてるしな……。環菜が『いかにもあなたが好きそうね』なんて言ってたのもしゃくだし、今回は遠慮しとくわ」
山葉は環菜の口まねをしてみせる。
「宝探し、きっとわくわくするよ。楽しくなれば笑顔になる。笑顔になれば元気になるよ」
終夏は根気よく誘ったが、結局山葉がそれに応じることはなかった。終夏たちは、自分たちだけで調査に出かけることにした。
武神 牙竜(たけがみ・がりゅう) と朝野 未沙(あさの・みさ)に至っては、そもそもアトラスの遺跡付近を目指していなかった。
牙竜はとある計画を胸に、タシガン空峡の空賊が集まる酒場、蜜楽酒家を目指した。
一方、朝野 未沙(あさの・みさ)が向かったのは、現在はフリューネたちの住居として使われている古代戦艦ルミナスヴァルキリーである。
未沙は、フリューネがルミナスヴァルキリーで現場近くへ向かうのであれば、
出発前にルミナスヴァルキリーのメンテナンスとフリューネの健康状態のチェックを行い、彼女に同行しようと考えていた。
しかし、未沙が到着したとき、フリューネは既にいなかった。そこで、未沙は留守番をし、主人の帰りを待つメイドの気分に浸ろうと考えた。
「フリューネさんが帰ってきたら、『お風呂になさいますか? お食事になさいますか? それとも……あ・た・し?』なんて言って、『お風呂で未沙を食べようかな』とか言われちゃうんだぁー。キャー!」
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