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 第6章 救出! イナンナ!?

国頭 武尊(くにがみ・たける)は、
イナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)を小脇に抱えて、
パラミタパビリオンのランジェリー・ラボを目指す。
「まさか本物の国家神なわけないし、
さっき通り過ぎた『カナン関係の展示コーナーのコンパニオン』だな。
でも、それにしてもそっくりだな。感心するぜ」
「放してください!」
当然の訴えに、武尊が、どぎ☆マギノコをイナンナの口に押し込む。
「これで、オレに惚れるはずだ」
「むーっ、むーっ!」
「へへ、喜んでるぜ」
キノコの効果は、国家神なので、ないものの、イナンナはしゃべれなくなってしまった。

★☆★

一方、南 鮪(みなみ・まぐろ)は、
ランジェリー・ラボ連動イベント「めちゃモテランジェリーセミナー」を開催中だったが、
二人を熱烈歓迎する。

「ヒャッハアー!
愛だろ、愛!
これはプロポーズだな!
イナンナのパンツがあれば、セミナーの人気もアップだぜ!」

しかし、そんなセミナーを受ける中にも、
「あの、さすがに国家神を巻き込んだらシャレですまなくなるんじゃ……」
と、チキン発言をする者がいたが。
「ヒャッハァ〜
人の恋路を邪魔する奴は恐竜に喰われて死んじまえっつーぜェ〜」
鮪が一蹴する。

「よし、じゃあ、契約式だ!」
武尊は、イナンナと契約ごっこをしようと、
パンツを剥いだうえで、
地祇の絵葉書で、
結婚報告葉書のような感じで、
「私達契約しました。国頭武尊 イナンナ」というものを作ろうとする。

「むーっ、むーっ!!」
「へへへ、そんなにうれしいのか。
そうだよな、キノコの効果で君はオレの虜のはずだからな」
「むーっ!」
「替えのパンツも用意してあるから安心しな」
こうして、イナンナのパンツを剥いで、
セコールのパンツを渡そうとする武尊だが。
「待てよ。
ここはお互いのパンツを交換すべきじゃねえのか!?」
鮪が提案する。

「これより愛の契約の儀式だぜ!」

★☆★

そこに、

葉月 可憐(はづき・かれん)
アリス・テスタイン(ありす・てすたいん)が、
イナンナを助けにかけつける。

ブラックコートとベルフラマント、光学モザイクで風景に溶け込んで、
ポータラカマスクで素顔を隠し、
声をわざと不細工なものにして、
可憐が咆哮する。

「そこで何をしているのですか!」

そして、自分のショーツも奪われないように気をつけながら、
その身を蝕む妄執で足止めしようとする。

「えーい、くらえー!」
同じく、身を隠していたアリスは、男物のブリーフを投げつけて、
武尊の視界をふさぐ。


さらに、
武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)が現れる。

「おい!
パンツ泥棒!
速やかに止まってパンツを返しなさい!
男どもは羨望の眼差しを向けてるが窃盗罪だぞ。
ところで、パンツだけでいいのかー?
今ならブラジャーも取れるんじゃないか?
そもそもパンツ穿いてたのか?」

「え? あなた、何言ってるの?」
アリスが振り向くと、牙竜は主張する。

「イナンナ、イナンナと騒いでいるが、
イナンナは、10歳の少女のはずだから、
その人は別人だろ。

それに、
パンツが手に入ると言ってた
→つまり、中身は対象外
→誘拐ではない
→パンツ泥棒、窃盗犯!」
キリッと、牙竜が断言する。

龍ヶ崎 灯(りゅうがさき・あかり)は。

「ご来場者にお知らせします
ただいま、パビリオンにおきましてパンツ泥棒が発生しました
VIPが誘拐されてるように見えますが、犯人の男がパンツ狙いなので窃盗犯です
現在、追跡中なので道を空けてください」

と空飛ぶ箒スパロウに乗って呼びかけていた。

「……ぷはっ!
いいかげんにしてください!
私は本物のイナンナです!」

キノコを吐き出したイナンナが抗議するが。

「ん?
駄肉胸(でっぱい)の人、あんたがイナンナだって?」
「で、でっぱい!?」
「嘘をつくな。
イナンナは子どものはず、
洗濯板のよう真っ平らで
見下ろしてもつま先まで障害物無しで見られるスタイルだぞ?
こんなぶよぶよした駄肉胸の女な訳ね−だろが!」
「だだだ、誰が、だにくむねのせんたくいたですか!
失礼ですよっ!」
「誰かー、この駄肉胸のねーちゃんを万博案内してあげてー!」
怒るイナンナだが、牙竜はとりあわない。

「ちっぱい好きをこじらせて、
胸の大きさで女を差別するようになったんだな。
哀れな奴め。
いい女に年齢も性別も胸の大きさも関係ねえんだよ!」
「博愛主義者」の鮪が、その様子を見て言う。

★☆★

そんな大騒ぎの中。

「見つけたぞ、誘拐犯!」

西シャンバラ・ロイヤルガードの、
葛葉 翔(くずのは・しょう)が到着した。

「まだ誘拐されて時間はそれほどたっていない、
犯人はきっとまだこのパビリオンの中にいるはず」
と、伝統パビリオンの中で捜索をしていたので、到着が遅れたのだった。

「ロイヤルガードの葛葉翔だ、その方を放してもらおうか!」
ロイヤルガードエンブレムを見せ、
翔が警告する。

「いまその人をこちらに渡したら、自首したということにしてやる」
グレートソードを構えて、脅迫に近い言い方で、
翔が続ける。
「だが渡さないと言うのであれば罪は重くなるぞ」

「そんなことよりパンツだ!
パンツ交換だ!
神聖な儀式を邪魔しやがって!」
騒ぐ鮪だが、
武尊は状況を冷静に判断する。

「まあいいや。
パンツは剥げなかったけど、
ここにある奴、一番いいの見繕って持っていくぜ。
あばよ!」
武尊は、ランジェリー・ラボのパンツをばらまいて逃走する。

「あっ、こら!
儀式の途中で逃げるんじゃねえ!」
鮪が叫ぶが、武尊はあっというまに逃げ去った。

そして、パンツ吹雪の降り注ぐ中、
イナンナは保護される。

「大丈夫ですか、何かされたり盗まれたりしていませんか!
たとえば、パンツ脱がされたりとか!」
スカートをめくらんばかりの勢いで、
パンツの有無を必死で確認する翔に。
「はいてます! はいてますから!」
真っ赤になって言うイナンナだった。

★☆★

なお、
「VIP誘拐だったらパラ実追放になってたでしょうが、
パンツの窃盗なので独房で一週間ぐらい反省してもらうように」と、
教導団上層部に根回ししておこうとしていた灯だが、
当然、そんな主張が通るはずもなく、
国頭 武尊(くにがみ・たける)は、シャンバラ教導団を放校処分となる。