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リアクション
第一章 いざ、遺跡へ
遺跡前。
「儂らは遺跡の調査を行うぞ。マッピングもしつつ行く。おそらくもう一度訪れる事にはずだからな」
夜刀神 甚五郎(やとがみ・じんごろう)はするべき事を決めていた。
「ですね。あの魔術師にギャフンと言わせてやるのですよ! とりあえず、目に付く物から地道に調査ですね」
ホリイ・パワーズ(ほりい・ぱわーず)は両拳を握り締め、やる気満々。
「出来れば研究者の日記の類があればよろしいのですが、魔法中毒となれば必ず魔術師に興味を抱いたは者がいるはずです」
ブリジット・コイル(ぶりじっと・こいる)は欲しい情報を述べた。
「そうじゃな。しかし、あの双子は前回の事もあって真面目にしておると思ったが」
草薙 羽純(くさなぎ・はすみ)は毎度面倒を掛ける双子が今回もまたよそ事をしていると知って呆れ顔。
とにもかくにも甚五郎達は調査のために遺跡に侵入した。
「とりあえず、遺跡に到着したけど」
コルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)は目前の遺跡を一瞥した後、隣にいる葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)に視線を向けた。
「遺跡と言えばお宝でありますよ! この遺跡からお宝の匂いがぷんぷんするであります!」
吹雪はこれから出会うであろうお宝に興奮気味であった。
「今日はいつものはお休みという事ね」
コルセアは、トレジャーハンターと化した吹雪の様子にいつもの、悪さをする双子のお仕置きがお休みという事を知る。
「そうでありますよ! さて、準備であります」
吹雪はワイヤークローを取り出し、鉤爪とロープ部分の強度を念入りに確認していた。
「……準備って、普通に入り口から入らないつもり?」
常識人であるコルセアは思わずツッコミを入れた。
「それでは見つかってしまうでありますよ!」
そう言いつつ吹雪はワイヤークローを持って遺跡の裏側に回って屋根に引っかけ、窓からこっそり真面目に仕事に従事する人達に見つからないように侵入する事に。その前に二人は忘れずに合流地点も決めている。
「……」
コルセアは吹雪を見送った後、普通に入り口から侵入して吹雪との合流地点へ急いだ。すっかり吹雪に振り回されていた。
遺跡前。
「ここが取り壊し予定の場所か。取り壊しと言う事は中にあるアイテムを貰っても問題無いという事だよな。金になりそうな物が残っているといいんだがなー」
柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)は事情を聞きつけるなりお宝探しのため遺跡にやって来た。
恭也のすぐ近くに偶然遺跡に遊びに来た天野 木枯(あまの・こがらし)と天野 稲穂(あまの・いなほ)がいた。
「さてと、取り壊す予定の遺跡があるらしいからやって来たわけだけど」
木枯は遺跡の入り口を凝視しながら言った。侵入する前からわくわくの予感。
「魔法の品がたくさんあるそうですよ。迂闊に手を出すのは危険です」
稲穂は魔法中毒者が住んでいた場所だと聞いて少し心配している。
そこに
「お前達も来いていたのか。もしかして依頼を聞いてか?」
恭也が声をかけて来た。自分も依頼を知って来たので木枯達も同じだろうと。
「依頼ですか? ここに何かあるんですか?」
何も知らない稲穂は事情を知る恭也に聞き返した。
恭也は木枯達も知る正体不明の魔術師との対決準備が行われている事を話した。
「へぇ〜、すごい事になってるんだねぇ。本当にあの二人とは縁があるね」
木枯は作戦を知ると共に双子が絡んでいる事に妙な縁を感じていた。
「そうですね。きっと大暴れして厳しい監視が付いているかもしれませんね」
稲穂は火を見るよりも明らかだと言わんばかりに双子の状況を想像していた。何せ木枯達はこれまでにも何度も双子の悪さに巻き込まれているので。
「だねぇ。面白そうだから会いに行ってみようか」
面白い事が好きな木枯は双子と合流する事を決めた。
「そうしましょう。二人の周りにはきっと魔法に詳しい人もいて一緒にいた方が安全でしょうから」
と稲穂。これまでの事から双子の周囲には人がいる事は分かっているしその中に魔法に詳しい人もいるだろうと。
「恭也さんは仕事じゃないみたいだけど……」
木枯は自分達の予定を決めた後、恭也の動向が気になって訊ねた。
「俺は狙い目の遺跡最深部へ行ってお宝を頂戴しようと思ってな」
と恭也。必ずお宝を持ち帰る気満々である。
「きっと魔法関係の貴重なお宝がたくさんあるよ」
「気を付けて下さい」
木枯も遺跡に転がるお宝を想像し、稲穂は恭也を気遣った。
「あぁ、そっちも気を付けろよ。それじゃな」
恭也は木枯達に遺跡内部を教えてからお宝探しを始めた。
木枯達も気ままな探索をしつつ双子との合流を目指して遺跡に侵入した。
遺跡前。
「さてと、リーブラ、あいつらの様子でも見に行くか」
「きっと今頃、生気の無い顔をしていますわね」
シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)とリーブラ・オルタナティヴ(りーぶら・おるたなてぃぶ)はこの前のヒスミが死にかけた事件から心配で双子の様子を見に来ていた。
「そうだな。というか、死にかけても懲りねぇのは呆れを通り越して感心するっつーか」
シリウスは先ほど入った二度目の逃亡をした双子を捕獲した旨の連絡を思い出し、苦笑いを浮かべた。
「そうですわね。わたくし達も急ぎましょう」
「……今回も賑やかになるな」
シリウスとリーブラは急いで双子と引率組の元に向かった。
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