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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

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「受付済ませてきたよー」
 胸につけるネームプレートを持って、ティア・ユースティ(てぃあ・ゆーすてぃ)が、風森 巽(かぜもり・たつみ)の所に戻ってきた。
「この期に及んでだがなあ、やっぱり参加は……」
「何言ってるんだもん。タツミもも、そろそろ新しい恋に踏み出してもいいと思うんだよ。背中なら突き飛ばしてあげるから頑張れー!」
 思い切り楽しそうにティア・ユースティが言った。
 風森巽が、消極的なのにも理由がある。実際、風森巽には片思いの相手がいたのだが、いつの間にかその姿を見られなくなってしまったのだ。恋する前に消えた甘酸っぱい恋と言えば美しいが、あまりそういうのは変身ヒーローである風森巽には似合わない。
 なので、いつまでもうじうじと過去に囚われているよりはと、ティア・ユースティが強制的に合コンに参加させたのであった。
「じゃあ、ボクは観客席で生暖かく見守っているからね」
 そう言うと、ティア・ユースティは風森巽を参加者控え室に追いやって、観客席を探しに行った。
 会場の隅っこには、いくつかのパイプ椅子がならべられていて、すでに小鳥遊美羽や非不未予異無亡病近遠たちが座っている。
 その最前列には、特別に長テーブルがおかれて、いくつものモニタがならんでいた。ちょっと豪華である。
「ここにしよっと」
 そう言うと、ティア・ユースティは司会席に勝手に割り込んで座ってしまった。
 
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「いーな、いーな。天泣ちゃん、これから合コンして、美味しい物食べて、それから、お持ち帰りっていうのをするんだよね。リーリちゃんも、参加するぅ。するったらするのぉ」
「ええい、ラヴィ、なんとか……」
 ぐずるムハリーリヤ・スミェールチ(むはりーりや・すみぇーるち)に、御空 天泣(みそら・てんきゅう)ラヴィーナ・スミェールチ(らびーな・すみぇーるち)に助けを求めた。いろいろと歯止めのきかないムハリーリヤ・スミェールチが合コンなんかに参加したら、とんでもないことになりそうだ。いや、絶対になる。
「まったく、男性恐怖症なのに、天ちゃんが変なことしようとするからだよ。まったく、頭おかしくなったの?」
「誰が、男と合コンするか……。ちゃんと、リーリを押さえてほしいが……」
 いくら、薔薇の学舎のような所があるからと言って、合コンなら相手は異性が普通だ。それならば、御空天泣としてはまったく問題がない。男は避ければいいというだけのことだ。至極自然であるはずだ。
「しかたないなあ。ムハは絶対に破廉恥なことするから、僕が見てないといけないじゃないか。さあ、観客席に行こー」
「えーっ。つまんなーい。お持ち帰りされるー」
「天ちゃんの邪魔しちゃダメだよ」
「う、うーん。じゃ、我慢するぅ」
 なんだかちょっぴり参加したかったようなことを言いながら、ラヴィーナ・スミェールチがムハリーリヤ・スミェールチを引っぱっていった。
 
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「ちょっと待て、これは合コン会場じゃないか。合同フルコンタクト闘技大会の会場はどこだあ!」
「さあ、どこでしよう」
 頭をかかえるエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)に、アドルフィーネ・ウインドリィ(あどるふぃーね・ういんどりぃ)がしれっと言い返した。
「だーまーさーれーたー。どこが武闘大会なんだ」
「あら、でも、ゴチメイのココ・カンパーニュがいるし、万勇拳のまなみんも参加しているらしいわよ。拳で語り合うには最高じゃない?」
「そ、それは……」
 アドルフィーネ・ウインドリィの言葉に、エヴァルト・マルトリッツがうーんと考え込んだ。確かに、言われてみればそうであるような気もする。
 
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「ここが、会場ね。もうシェリエも来ているのかしら」
 受付を済ませてから、フェイ・カーライズ(ふぇい・かーらいど)はキョロキョロと周囲を見回した。
 ディオニウス三姉妹が参加すると言うことを伝え聞いた匿名 某(とくな・なにがし)から、変な野郎にまとわりつかれたらかわいそうだからと、参加してきっちり守ってこいと言われたのだ。ついでに、友達としての親交も深められればということもある。
「うん、行ってくる!」
 ほとんどそのときの勢いだけで、フェイ・カーライズはここに至っている。
 パラミタでは同性のカップルも珍しくないので、その点地球の合コンとはちょっと趣も違うのである。そのため、裾野は意外と広く考えられていて、恋人まで行かなくとも、本当にただの友達目的の合コンも多く開かれていて、合コンは恋人探しと同時に友達探しの場でもあったのだ。
 
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「ここが、会場よ。受付はとっくに済ませておいたから、心おきなく戦ってらっしゃい」
 『本日合コン日より! 熱血告白大パニック?! の巻』という横断幕を掲げたラブ・リトル(らぶ・りとる)が、チッパイを大きく張って偉そうにコア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)に告げた。
「ここか……。ここでなら、新しい合体相手を見つけられて、次なる形態へと進化することができるのだな」
 キラキラと目を輝かせながら、コア・ハーティオンが言った。
 合コンとは合体パートナーinコントラクターの略だと信じて疑わない。
「ここにいる者たちが、みんな合体を目指していたとは。見知った顔も多いが、今まで知らなかったぞ。私も、新しい力、絶対に手に入れてみせる」
「ええっと、ハーティオン、あなた、合コンの意味……、ううんなんでもないわ」
 意気込むコア・ハーティオンに、ラブ・リトルが聞きかけてやめた。
 ちょっと考えてから、陰でニヤリと笑う。
 これは、勘違いさせたまま放っておいた方が面白い。
「そう! さすがハーティオン、飲み込みが早いっ! だてに心を学んでない! よ〜し、その調子で熱い思いをゴチメイにぶつけに行ってみよ〜♪」
 思いっきりコア・ハーティオンをあおるラブ・リトルであった。
 ちなみに、ラブ・リトルは合コンには不参加だ。みんなのアイドルラブちゃんが、誰かだけのアイドルになるなんてことは許されないでしょっと言うことらしい。