葦原明倫館

リアクション

　
「楽しい集まりだと聞いてやってきたのじゃあ。この大魔法使いの、弟子を見つけるのじゃあ」
【ビュリ・ピュリティア（びゅり・ぴゅりてぃあ）さん。彼氏いない歴、３００３年。好きな人のタイプ、爆発しても平気な人。特技、爆発】
「爆発……！？」
「盛大に花火を上げるのだあ」
「確か夏合宿で、盛大なファイアストームが……。ここでは、勘弁してくださあい」
　
「いいパートナーとして取り引きできる相手を探しに参りました」
【ミルキー・ヘミングウェイ（みるきー・へみんぐうぇい）さん。恋人いない歴、企業秘密。好きなタイプ、きっちり依頼をこなす人】
「商談ですかあ？」
「よりよい関係は、よりよい契約の下に成立します。打算はダメですね」
「はあ」
　
「友達、１００人目指す……」
【シー・イー（しー・いー）さん。彼氏いない歴、８年。好きなタイプ、お友達】
「頑張ってください。でも、いったい、今何人なんでしょう」
　
「うるさい奴も片づいたし。婚活に全力を出します！」
【吉井　真理子（よしい・まりこ）さん。彼氏いない歴、２７年。好きなタイプ、きちんと殺菌する人】
「燃えていますう。なんだか、憑き物が落ちたかのようですう」
　
「お姉さんが、遊んであげる♪」
【リン・ダージ（りん・だーじ）さん。彼氏いない歴、ファンならいつもいる。好きなタイプ、大人っぽい人】
「お姉さんですかあ？」
「あたしの方が年上だもん！」
　
「おてやわらかにい、お願いしまあすう」
【チャイ・セイロン（ちゃい・せいろん）さん。彼氏いない歴、２１年。好きなタイプ、便利な人】
「便利な人ですかあ？」
「ええ、便利じゃないと、ちょっとお……」
　
「ボクと一緒に楽しもうぜ。あ、ちゃんと彼氏探しに来たんだからな、か・れ・し」
【マサラ・アッサム（まさら・あっさむ）さん。彼氏いない歴、２０年。好きなタイプ、誠実な人】
「両刀じゃなかったんですかあ？」
「トラウマで、ノーマルになったんだよ。清く正しい異性交際させてよ」
　
「よろしくお願いいたします」
【ペコ・フラワリー（ぺこ・ふらわりー）さん。彼氏いない歴、２２年。真面目な人】
「お眼鏡にかなう人がこの場所にいるでしょうかあ」
　
「これも、経験と思って参加している。よろしく頼むぞ」
【ジャワ・ディンブラ（じゃわ・でぃんぶら）さん。彼氏いない歴、４００３年。好きなタイプ、自分よりも強い人】
「ええっとお、ジャワさんって、成体のドラゴンじゃなかったんですかあ！？」
「いや、あの姿じゃここに入れないから、とりあえず、人間体に……」
「そうですかあ。その姿なら、誰か寄ってくるかもしれませんですう」
　
「よっしゃあ！　絶対彼氏釣り上げるぞぉ！」
　【ココ・カンパーニュさん。彼氏いない歴、２１年。好きなタイプ、頑丈な人】
「今日、一番燃えています。はたして、彼女と拳で語り合える人は現れるのでしょうかあ」
　
「この会場で、素敵な恋人を見つけるんだー」
　【パフューム・ディオニウス（ぱふゅーむ・でぃおにうす）さん。彼氏いない歴、１７年。好きなタイプ、美味しい物を食べさせてくれる人】
「喫茶ディオニウスの美人三姉妹さんも、今回揃って参加ですう。元気一杯、この元気に応えられる人が現れるといいですねえ」
　
「今日は、自分のために頑張りたいと思います」
　【シェリエ・ディオニウスさん。彼氏いない歴、２２年。好きなタイプ、素敵な人】
「いつもは、妹さんの世話で大変みたいですねえ。今日は、自分の恋人になる人のために頑張ってくださいねえ」
　
「守りたくなるような人を、見つけだしたいものですわ」
　【トレーネ・ディオニウス（とれーね・でぃおにうす）さん。彼氏いない歴、それを聞きたいと言うの？　好きなタイプ、守りたくなるような人】
「さすがは、三姉妹の長女さんですう。色っぽくて、貫禄たっぷりですう」
　
「まあ、たまにはいいと思ってな。一緒に荒野をドライブしようぜ」
【神戸紗千さん。彼氏いない歴、２３年。好きなタイプ、カッ飛べる人。特技、運転】
「相変わらず、姐さんは素敵ですう。頑張って助手席に乗る人を見つけてくださあい」
　
「はーい、帝国からいい男探しに来ましたー。よろしくねー」
【フレロビ・マイトナーさん。彼氏いない歴、４年。好きなタイプ、格好いい人】
「帝国からの参加者ですう。今日の大会は、幅広い参加者が集まってますねえ」
　
「昨日までの恋はすっぱりと忘れて、新しい運命の人を見つけるよ！」
　【小谷愛美さん。彼氏いない歴、１日。好きなタイプ、一緒に拳法をしてくれる人。特技、万勇拳】
「恋多き女、まなみんさんですう。また、失恋したばかりのようですが、頑張ってくださいねえ。ちなみに、片思いは、彼氏いる歴に含まれませんよお」
　
「今日は、まなみんにも負けないよー」
　【マリエル・デカトリースさん。彼氏いない歴、２０年。好きなタイプ、スイーツを持ってきてくれる人】
「これはあ、ライバル宣言ですう。はたして、勝利の軍配はどちらに上がるのでしょうかあ」
　
「よくは分からぬが、仕えてくれる者は必要かもしれぬ」
　【安徳天皇さん。恋人いない歴、よく分からない。好きなタイプ、祀ってくれる人】
「これはあ、なんかあ、凄いことを言われたような気がしますう」
　
「あたしと一緒に、夢の国、作ろー」
　【魔威破魔三二一さん。彼氏いない歴、１７年。好きなタイプ、遊園地を作れる人】
「壮大な夢をお持ちですう。はたして、これに応えられるだけの大きな男がいるのでしょうかあ」
　
「いろいろあったから、そろそろ落ち着きたいです♪」
　【エメネア・ゴアドーさん。彼氏いない歴、５００３年。好きなタイプ、今の私を見てくれる人。特技、バーゲン】
「波乱の人生を生きてきた、エメネアさん。そろそろ、一緒にバーゲンに行ってくれる荷物持ちの彼氏をゲットしたいところですねえ」
　
「こ、こばあ♪」
【小ババ様。彼氏いない歴、３年。好きなタイプ、お菓子をくれる人】
「小ババ様までえ！？　いったい、どうなるのでしょうかあ。ここで、司会席にお返ししますう」
　
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「さあ、自己紹介が無事に終了しました。ここで、参加者の詳細なプロフィールが男性陣女性陣に渡されます。雷霆リナリエッタさーん、大谷文美さーん。それでは、第一印象について、何人かの方に聞いてみてくださーい」
　
「はーい、誰か、第一印象で、好みの方を見つけた人はいるう？」
　そう言いつつ、雷霆リナリエッタと大谷文美が、適当にインタビューを開始した。
　
「第一人称は、ココ・カンパーニュさんかな。意外と、真面目そうなんで」
　ココ・カンパーニュとペコ・フラワリーの方を見比べながら、風森巽が言った。
　
「第一印象か。うむ、あのショートヘアーが見た目麗しいレディだな」
　マサラ・アッサムを目で示して、ホレーショ・ネルソンが言った。
　
「第一印象は、マサラ・アッサムってのか。なんかこう、面白いことが大好きって匂いがする」
　柊恭也が答えた。
「なんだか、今のところ、マサラさん一番人気みたいだよ。もっとも、みんな、本命は隠してたり隠してなかったりで、最後にどうなるかは分からないけどね」
　あまり答えてくれる人がいなかったので、雷霆リナリエッタが早々とインタビューを締める。
　とはいえ、自己紹介のときにお目当てをずばり指名している者も少なくはなかったので、所によってはすでに激戦が開始されていると言ってもよかった。