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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

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自己紹介タイム

 
 
「さあ、始まりました空京合コン大会。今回も、空京ホテル屋上のガーデンテラスからお送りしています」
 いよいよ合コンが始まり、司会のシャレード・ムーンが話し始めた。
「今回も、多くの参加者が集まりました。それでは、君たちのお相手はこの者たちだ!!」
 シャレード・ムーンが叫ぶと、ガーデンテラスの端っこと端っこに待機していた参加者の間のカーテンが素早く撤去された。日堂真宵が、死に物狂いで走り回ってカーテンをかかえてたたんでいく。
 相手の顔を見た参加者たちから、一斉に野太い声や黄色い声や悲鳴があがる。
「さあ、男性参加者から御紹介しましょう。現場の雷霆リナリエッタさん、インタビューお願いしまーす」
 
「はーい、こちら、飢えた野郎どもの群れの中の花一輪、雷霆リナリエッタでーす。それでは、恒例のリナちゃんちぇーっく!」
 恒例とは言っても、今回、レポーターは初めての雷霆リナリエッタである。
 
「本日はこのような場の末席に加えていただき光栄です」
 【ガウタマ・シッダールタさん。彼女いない歴、ないしょ。理想のタイプ、一緒に苦行のできる人。特技、苦行】
 しっかりと、中継画面には、名前といろいろな情報が映し出される。
「いきなり、なんか場違い感100%の人がトップで現れたよ。大丈夫? さあ、次の野郎じゃん」
 
「シャンバラ教導団所属、戦部 小次郎(いくさべ・こじろう)です」
 【戦部小次郎さん。彼女いない歴、22年。好みのタイプ、おっぱい】
「落ち着いた人だけど、私には分かるよ。猫被ってるよね。きっと、今この辺のテロップに本性が出てると思うしぃ。さあ次ー」
 ちょんちょんと、テロップが被るだろうあたりを指で突いてから、雷霆リナリエッタが次の男に移動していった。
 
「ヒャッハァ〜! 元祖四天王にして空京大分校の伝説のスーパーエリート南鮪がやってきてやったぜ〜」
 【南鮪さん。恋人いない歴、23年。理想のタイプ、ヤバそうな人】
「さっさと次行こうね」
 
「織田信長である」
 【織田信長さん。恋人いない歴、なし。理想のタイプ、高貴な人】
「なんでも、実はハーレム持ちとか?」
「来る者は拒まぬ」
「はあ」
 なんでここに来たんだという顔で、雷霆リナリエッタがちょっと溜め息をついた。さらなるハーレムの拡充のためなのであろうか。
「さて、次の野郎だあ」
 
「き、君たちがパラミタの新たな法王候補たち……!?」
 【ジーザス・クライストさん。彼女いない歴、教義により秘密。理想のタイプ、アガペー的な人。特技、奇跡】
「また、何か勘違い野郎が混じってるよ。いったいどうしろと。はたして、奇跡は本当に起こるのかあ? 次だよ、次ー」
 
「蒼空学園の風森巽です。大学の方で演劇科に所属してます」
 【風森巽さん。彼女いない歴、21年。好みのタイプ、一緒にツーリングできる人。特技、スーツアクター】
「やっと、合コンらしい男がでてきたよ。なんでも、変身ヒーローをやっているとか」
 参加者プロフィールを見て、雷霆リナリエッタが訊ねた。
「いや、ただのスーツアクターです」
「ひとつ、変身ポーズやって、やって」
 さっそく無理強いが発動する。
「ええっ、ちょっとだけですよ……。へぇぇんっっしんっっ!
 風森巽が、変身ポーズをとる。とりあえず、準備はしていなかったので、ポーズだけだ。
「素敵に痛かったです。さあ、次の野郎は誰だ」
 
「エメネアさんがいると聞き、拙者参加したのでござるよ」
 【坂下 鹿次郎(さかのした・しかじろう)さん。彼女いない歴、なしだと思っている。理想のタイプ、エメネア・ゴアドー(えめねあ・ごあどー)
「これは、またドストレートに一本釣りを目指してやってきたかあ。その心意気やよし。玉砕しないように頑張れ。さあ、次ー」
 
「血が美味なる女性を求めてきたのデース。当然、カレー味の血が美味なのデース」
 【アーサー・レイス(あーさー・れいす)さん。彼女いない歴、2756年。好きなカレーのタイプ、辛口。特技、カレー】
「こ、これは……。彼女を求めてきたのか? カレーを求めに来たのか?」
「すでに、カレーは用意してありマース。これで、どんな人でも、イチコロデース」
「ど、毒!?」
 
「現代の社交の場にて、新たな出会いを求めて参った」
 【ホレーショ・ネルソン(ほれーしょ・ねるそん)さん。彼女いない歴、それは御勘弁願おう。好みのタイプ、レディ。特技、操艦】
 ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)にも内緒で、プライベートとしてふらりと会場に現れたホレーショ・ネルソンが、二角帽をとって優雅にお辞儀をした。
「これは、渋いおじさまの登場だ。これにころりといく女性は現れるのか? さあ、次は若者か?」
 
「手合わせ願いたいが、あまり強くないのは了承してほしい。俺の実力なんぞ、あって中堅かそこらだろうし。自分より強い奴と戦うのも、訓練や試合ならまだしも、実戦ではなるべくやりたくないってくらい臆病者だしな……。ああ、もちろん、誰かの安全がかかってるならその限りじゃないが」
 【エヴァルト・マルトリッツさん。彼女いない歴、19年。好みのタイプ、拳で語り合える人。特技、格闘】
「これは、戦う気満々だあ。思いっきり勘違いしていると宣言しよう。本当に彼女さんを探しに来たのかあ?」
「だから、だまされて来たと……」
 マイクに拾われないようにと、小声でエヴァルト・マルトリッツがぼやいた。
 
「今日の俺は、安徳天皇との絆を確かめるためにやってきた」
 【神崎 優(かんざき・ゆう)さん。彼女いない歴、婚約者あり。理想の人、安徳天皇】
「これは、婚約者持ちだあ。何を考えているん?」
「別に、この合コンはお友達目的でもいいんだろ」
「いいん?」
 雷霆リナリエッタが、シャレード・ムーンに確認する。
「いいんですよー。そのへんは、パラミタらしくゆるゆるです」
 問題ないと、シャレード・ムーンが司会席から答えた。
「えー、それじゃ三角関係のどろどろ血みどろが少なく……」
「早く進めてください!」
 
「邪悪な魔法使いに魔鎧の身体にされた哀れな子兎のこんなボクでも、人の心までは失っていない! 今日はそれを証明するために来ました。ゴチメイのお嬢さん方、よろしくお願いします」
 【ブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)さん。彼女いない歴、ずっと。好きなタイプ、支配できる相手。特技、呪い】
「これはあ、面白いトラブルメーカーが……。いや、なんでもないよ。彼女ができるか楽しみだねー」
 
「天御柱学院所属の御空天泣といいます。学院では人とイコンについて研究しています、今日は皆さん楽しめますように」
 【御空天泣さん。彼女いない歴、20年。好きなタイプ、話のできる女の子】
「ええっと、好きなタイプが、いまいち不明じゃん?」
「野郎は、存在自体が却下だから」
 男性恐怖症のため、御空天泣は男は触るのも嫌いである。だが、普通の合コンは異性狙いなので、男にとって野郎などは敵でしかない。ごくごく普通なのであった。
「まあ、普通だね。さあ、次は?」