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天御柱開放祭

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01:作戦会議其ノ壱
「さて、みなさん、中隊と小隊を編成しませんこと?」
 赤髪のロングヘアーで茶色の瞳を持ち、育ちがよさそうな美少女オリガ・カラーシュニコフ(おりが・からーしゅにこふ)が集まった天御柱学院の生徒たちを前にそう告げた。
「賛成! 俺はコームラントで参加するぜ。TACネームとやらも決めろと言ってたな。そうだな、クラッシャーだ」
 そう言ったのは重力に逆らうツンツンとした茶髪に同じ色の瞳、バカっぽいが優しそうな少年雨月 晴人(うづき・はると)だった。
「壊し屋、かあ。晴人らしくていいかもね」
 パートナーのアンジェラ・クラウディ(あんじぇら・くらうでぃ)がそう言う。アンジェラは赤のロングウェーブに青の瞳でつり目の美少女だ。
「わたくしはイーグリットに搭乗しますわ。TACネームはクラースナヤ。わたくしの故郷で赤を意味します。管制をやりたいと思っていますわ。よろしく、雨月さん」
「ああ、よろしくな。支援砲撃を担当したいと思ってる」
 オリガのあいさつに晴人はそう答えた。
「俺も参加表明するかな。乗るのはコームラント。行動は支援砲撃。TACネームは……そうだなゲイ・ボルグだ」
 黒髪をポニーテールにまとめた、黒の瞳を持ち一見美少女に見える御剣 紫音(みつるぎ・しおん)が自慢の美声でそう言った。
「なるほど。ケルト神話の魔槍ね。英雄、ク・フーリンの持っていたという」
 薄茶色のロングウェーブの髪と茶色の瞳、妖艶で色っぽいオリガのパートナーエカチェリーナ・アレクセーエヴナ(えかちぇりーな・あれくせーえうな)が見識を披露した。
「そうだな。まあ、よろしくたのむ」
「ええ、期待しています」
 紫音がそう答えるとエカチェリーナは艶っぽく微笑んだ。
「僕も参加を希望します。皆様、よろしくお願いいたします」
 黒髪をツインテールにし茶色の瞳で、童顔ではかなげな一見すると少女の端守 秋穂(はなもり・あいお)が参加を表明すると、パートナーである金髪のポニーテール、赤い瞳で、子供っぽく目つきの悪いユメミ・ブラッドストーン(ゆめみ・ぶらっどすとーん)が補足した。
「ユメミと秋穂ちゃんはイーグリットで参戦するのぉ。TACネームはぁ……セレナイト、かな?」
「パワーストーンどすな。それと、そこの元女帝、私の御剣 紫音をとらないで」
 紫音のパートナーで腰のあたりまである黒い長髪と同じ色をした瞳のはかなげな美少女綾小路 風花(あやのこうじ・ふうか)がエカチェリーナを威嚇する。
「あらあら、可愛らしいこと」
 しかしエカチェリーナはそれを余裕で捌く。
「くっ……」
 風花はエカチェリーナを睨む。
「まあまあ、そんな事より僕も参加希望だ。乗機はイーグリット、TACネームはシュヴァルべだ」
 焦茶色のロングヘアーと黒の瞳で、目つきが悪く胸が大きい少女十七夜 リオ(かなき・りお)が雰囲気を和らげるように発言した。
「ちなみにドイツ語で燕って意味だからね」
 とフォローを入れるのはパートナーのフェルクレールト・フリューゲル(ふぇるくれーると・ふりゅーげる)である。フリューゲル自体にも翼という意味のドイツ語と楽器の名前がある。愛称はフェル。そんなフェルの容姿は銀髪を一本三つ編みにし、青い瞳を持つ痩身の美少女だ。
「悪けどワタシはフリーで行くよ。イコンの限界性能を色々と試したいんだよね」
 焦茶色の髪をショートカットにして、緑色の瞳を持つ、精悍で強そうなイレイン・ハースト(いれいん・はーすと)がそう宣言した。
「単独行動は危険ですわよ?」
 オリガのその言葉に
「まあ、何とかなるさ」
 とイレインは答える。
「あの、オルフェリアも参加していいでしょうか? 皆でやった方が楽しそうです!」
 そう言ったのは銀のロングウェーブに青の瞳をもつはかなげな美少女オルフェリア・クインレイナー(おるふぇりあ・くいんれいなー)だった。
「乗機はイーグリット、TACネームはカムパネルラ……銀河鉄道の夜だね」
 それはオルフェリアのパートナーミリオン・アインカノック(みりおん・あいんかのっく)だった。彼は白い髪を一本の三つ編みにし赤い瞳をもった育ちがよさそうな美少年だ。
「自分はカムパネルラの整備を担当させてもらうよ」
 そう言ったのはこれまたオルフェリアのパートナーで黒髪を後ろで束ねて黒い瞳を持ち、痩身で顔立ちが端正な少年だった。彼は魔道書で名を『ブラックボックス』 アンノーン(ぶらっくぼっくす・あんのーん)という。
「よろしくね、アンノーン」
 オルフェリアがそう言うとアンノーンは機体を整備するため格納庫に向かって走っていった。
「まだ空きがあるなら俺も混ぜてくれないか? 俺はウォーレン・クルセイド(うぉーれん・くるせいど)水城 綾(みずき・あや)のパートナーだ」
 ウォーレンは金髪のショートカットに青色の瞳、美形で派手な守護天使の少年だ。
「私はイーグリットに搭乗します。TACネームはホワイト・ライトニングです」
 綾は焦げ茶色のセミロングのヘアスタイルに金色の瞳を持ちウォーレンから幸運のお守りと言われて渡されたネコミミを着けているはかなげな美少女である。
「白い稲妻ですわね。勇壮ですわ」
 オリガがそう感想を述べる。
「あ、ありがとうございます」
 綾はそう言って照れた。
「中隊まで視野にいれてるみたいなので、私も参加希望するわ。搭乗機はイーグリット、TACネームはイロドリでお願い」
 ポニーテールの赤い髪に同じ色の瞳、胸が大きく金持ちそうな少女天貴 彩羽(あまむち・あやは)だ。
「彩りを添えましょう……ってかんじですねえ……」
 そう言ったのは彩羽のパートナーで双子の姉の天貴 彩華(あまむち・あやか)だった。二卵性双生児のため髪の色なども違い彼女は白い髪をショートカットにまとめてある。そして妹と同じ赤い瞳を持ち、バカっぽいが金持ちそうな印象を受ける少女だ。
「俺達も中隊に混ぜてくれないかな? コームラントの砲撃小隊をするつもりだッたんだが、大きいところに入れるならそれに越したことはない」
 そう言って来たのは天御柱学院の高等部の生徒で、4人連れの男子だった。
「いいですわよ。では4人まとめてひとつの小隊でおねがいしますわ」
 オリガは彼らを受け入れるとパソコンで編成案を考えていく。
天司 御空(あまつかさ・みそら)です。俺も参加を希望します。搭乗機はコームラント、TACネームはホークアイ、鷹の目だね」
 黒いショートヘアに青色の瞳、顔立ちが端正で優しそうな少年だ。
「洒落てますね、御空」
 TACネームをからかうのはパートナーの白滝 奏音(しらたき・かのん)。彼女は綺麗な白のロングウェーブの髪をした赤い瞳を持つ美少女だ。
「いや、なんとなく、ね。ところでオリガさん、もし良かったらなんだけど、同じコームラントを駆る、雨月さん、御剣さんと同じ小隊に所属させて貰いたいな」
「そうですわね。なるべく同じ機体で小隊を作ったほうがよろしいでしょう」
 そう言ってオリガも賛同する。
「ところで御空、お腹がすきました」
 燃費の悪い奏音はすぐにお腹が空く。そのため御空は食料を常備していた。
「今日は戦闘食料I型を持ってきたからそれを食べなよ」
 奏音は缶切りで戦闘食料I型の缶詰を開けるとご飯とソーセージとタクアンというメニューを食べ始めた。昨日の段階で湯煎してあるのでコメはすでにα化してある。
「私も参加させていただきますね。乗機はイーグリット、TACネームはコキュートスよ」
 そう言ったのはシフ・リンクスクロウ(しふ・りんくすくろう)で、ロングの銀髪に青い瞳をもった髪が綺麗な美少女である。
「ふふ、コキュートスっていうのはギリシア神話で地獄の最下層に流れる川で、「嘆きの川」の意味だよ」
 シフのパートナーでかわいくて少女趣味、金髪のロングに赤い目を持つミネシア・スィンセラフィ(みねしあ・すぃんせらふぃ)が微笑みながらそう言った。
「私はコームラントに登場してTACネームはアイオンが決めてくれたヤハタにしようと思うけど、コームラントに乗る仲間を集めて即席の小隊を作ります。毎回毎回都合良く顔見知りの方々と部隊を編成することは難しいと思うの。でも見知らぬ誰かと即席部隊を作っても、実戦経験が有って的確な指揮を執れる人が居れば、ちゃんと部隊として機能すると思うの」
 黒髪をツインテールにし、黒い瞳で、胸が小さいがかっこいい少女夕条 媛花(せきじょう・ひめか)がそう宣言するとパートナーの夕条 アイオン(せきじょう・あいおん)
が賛同した。
「私もお姉ちゃんに同意します。ちなみにTACネームの【ヤハタ】は、日本に伝わる弓矢と武道の神様、八幡神を読み替えたものです」
 アイオンは金色の瞳を持ち銀髪をロングウェーブにしたはかなげで育ちがよさそうな少女だ。
「いいと思いますわ。私達が編成する中隊とは別の中隊に行かれたほうが媛花さんの考えを生かせそうね。小隊名はアーチャーなどいかが?」
 オリガもそう言って賛同する。
「あ、それいいですね、もらいます」
 媛花がそう言ってオリガの提案を受け入れた。
「あたしも媛花さんの小隊に参加しようかな。コームラントだし。ちなみにTACネームはクリムゾンね」
 重力に逆らうツンツンの銀髪と赤色の瞳を持つ目つきが悪いがそれがかっこいい少女葉月 エリィ(はづき・えりぃ)がそう言った。
「葉月さんさえよければどうぞ」
 媛花はそう言って受け入れを表明する。
「他に参加したい人は? あ、二人いるね。丁度いいや。そこの二人で決定です」
 エリィのパートナーエレナ・フェンリル(えれな・ふぇんりる)も賛同する。
「私はオリガさんの中隊に参加します。今回の乗機はイーグリット、TACネームはクレーツェトです」
 そう言ったのは薄茶色の髪をシャギーにカットし、茶色の瞳を持つ、美形で顔立ちが端正な少女富永 佐那(とみなが・さな)だった。
「あら、私の母国の言葉で白隼という意味ね。あなた、なかなか博学ね」
 そう言ったのはエカチェリーナ。それに対して佐那は照れる。
「そんな、たまたま知っていただけです……」
「そなたは女帝ということだが、我も出自では負けておらんだろうよ」
 そう言ったのは足利 義輝(あしかが・よしてる)。言わずと知れた室町幕府一三代征夷大将軍である。黒い髪をオールバックにして茶色の瞳を持っており、カッコよく強そうな男だ。
「あら、素敵な方。今晩私の部屋にこない?」
「遠慮しておこう。武士道に悖るのでな」
 エカチェリーナの誘惑をすげなく断る。
「残念ねえ。あなたとならめくるめく官能の一夜を過ごせたのに」
「あいにくと我は不特定多数の相手と閨を共にすることはしない主義だ」
「……ほんとうに残念」
 そんな空気を破るかのように一人の少年が発言をしてきた。
「オレは高高度からレーダーで敵味方の位置情報を皆さんに知らせるッス。登場機体はイーグリット。TACネームとやらは決めてないッス」
 それは狭霧 和眞(さぎり・かずま)で、彼の一言で大人の会話の雰囲気はぶち破れた。
 和眞は茶色のショートカットで青色の瞳を持った顔に傷のあるバカっぽい少年である。
「兄さん、なら、TACネームはKAZUにしたら。兄さんの名前からとって……」
 そう言ったのは和眞のパートナーのヴァルキリーで、青い髪を後ろで束ね緑色の瞳を持ち、はかなげで頼りない印象を受けるルーチェ・オブライエン(るーちぇ・おぶらいえん)だった。
「ルーチェ、そのアイデアいただき。ってことでTACネームはKAZUで登録頼むぜ」
 和眞はそういうとルーチェの頭を撫でた。
「ふわあああ……兄さん、やめて下さいです」
「ん? まあ、気にすんな。スキンシップだ」
 ルーチェの抗議もどこ吹く風と和眞は頭を撫で続ける。
 ルーチェは顔を真赤にしていた。
 そんな心温まる光景を見ながら参加を宣言してきた人物がいた。
「私はイーグリットで参加するわ。TACネームはフレイヤよ」
 茶色のロングの髪と黒い瞳を持ち胸が小さくて真面目そうな少女蒼澄 雪香(あおすみ・せつか)がそう言うと
「フレイヤは……北欧神話の女神だよ……ね?」
 と白髪をショートカットにしたはかなげで弱そうな少年蒼澄 光(あおすみ・ひかり)がそう付け加える。彼は雪香の弟である。
 他人が怖いので姉に確認を取るような感じになっている。
「そうよ。あまり怖がらないの、光。ここにいる人たちはみんないい人なんだから、ね?」
「う……うん」
 雪香が諭すが光の怖がりな態度は変わらない。
(しかたがないわねー)
 と思いつつも一気に行ってもかえって悪影響なのでこのままにとどめておくことにした雪香である。
「中隊名ですが、【ルーラー】中隊というのはいかがでしょうか? 今後のイコン戦闘の『物差し』になれれば、と思いまして」
 シフがそう言うと、オリガが賛同した。
「いいですわね。この模擬戦で試されるわけですわね。望むところですわ。ところで、一旦休憩にしませんこと? 話し合いも長引きそうですし」
 あちこちから賛同の声が上がる。ということで一旦休憩の運びとなった。

 幕間――
「整備教官殿、シュバルツ・フリーゲの整備を自分もやってよろしいでしょうか?」
 佐野 誠一(さの・せいいち) が真面目な口調で教官に尋ねる。
 黒髪をオールバックにし、黒い瞳をもった精悍で優しそうな少年である。
「何がしたい?」
 教官の問に、誠一は
「昔から「彼を知り己を知れば百戦危うからず」といいますから、敵のイコンの癖を知って今後の戦術立案の参考になればと」
「それは私たち教官が考える。整備には参加してもいいがエンジンをかけたりするなよ?」
「了解!」
 目論見が外れたがコクピットブロックの電源は入れていいとのことだったので電源を入れてデータを見る。色々といじっているとイコンの帰投ポイントが記された。
「教官、敵イコンのデータの中にイコンの帰投ポイントがありますよ。中東とかアフリカがメインですが、このデータを元にしてこちらから鏖殺寺院に仕掛けられませんかね?」
 誠一がそう言うと教官は誠一を褒めた。
「よく見つけた、佐野。これで今後の戦略立案がかなり楽になる。あとで金一封をくれてやる。楽しみにしていろ」
「やった。俺に金一封だなんていいんっすか?」
「偶然でも何でもこのデータを見つけたのは大きい。お手柄だな」
 そう言って教官は帰投ポイントのデータを銃型HCに吸いだすとコクピットブロックから降りた」
「よし、整備を続けろ」
「はい」
 そうして誠一は整備を続けた。
 結城 真奈美(ゆうき・まなみ)白のロングの髪に白い瞳をもち、はかなげで胸が大きい少女だ。彼女は整備をしている人間たちを眺めながらイコン格納庫の警戒に当たっている。
「あの、私シュヴァルツ・フリーゲの整備をしていいですか?」
 教官に尋ねてみる。
「佐野のパートナーか? いいだろう。一緒にやれ」
 許可を受けると誠一が整備しているシュヴァルツ・フリーゲに乗り込む。反応系や駆動系をいじって最適な出力に調整してゆく。
「これでよし……っと。誠一さん終わりましたよ」
「ああ、こっちも終わった。じゃ、教官イコンを狙う敵が来ないとも限りませんので、警備を要請しておいてください」
「わかった。休んでいいぞ」
「はい」
 そうして誠一と真奈美は休憩に入った。