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リアクション
★ ★ ★
「ヴィクトリアァ〜〜っ!!」
「OH! 郁乃、いい所で会いました」
この混乱の中、パートナーを捜していた芦原 郁乃(あはら・いくの)は、やっとのことでヴィクトリア朝 メイド服コスプレ(びくとりあちょう・めいどふくこすぷれ)を見つけました。
さわさわ。
「ちょっと待って、何お尻触ってるのよ」
「モチローン、確認でーす。うんうん、ちゃんとタンガ、穿いてますNE」
満足気に芦原郁乃のお尻をさわさわしながら、ヴィクトリア朝メイド服コスプレが言いました。
「あたりまえでしょ、他の下着は、全部ヴィクトリアが持っていっちゃったんだから。早く返しなさいよ!」
怒り心頭の顔で、芦原郁乃が言いました。なにしろ、今朝起きたら全ての下着がなくなっていて、代わりにあったのはタンガと呼ばれるV型の下着だけだったのです。なにしろ、肩から股間にかけて、乳首を通るV字型という究極のエロ下着です。
「モチローン、みんなに見せてくれるのですよNE?」
「はあ、冗談じゃないわよ。なんで、あんなエロ下着、人に見せなきゃならないのよ。馬鹿なこと言ってないで、早く返しなさい」
「NO、いけませーん。あれは、郁乃のように、一見おとなしそうに見える子や、優等生や、ロリっ子が着てこそ、究極のギャップ萌えで最高の破壊力を発揮する物なのですYO。もう、それはもう、ミーの好み全開ですYO。そして、それを認められてパンツ四天王になった暁には、この究極の萌えを、全世界に広めるのですYO。郁乃は、その輝かしきサンプル第一号ですNE。さあ、脱げ脱げ!!」
言うなり、ヴィクトリア朝メイド服コスプレが、芦原郁乃のスカートを剥ぎ取ろうと迫ってきました。
「このばかたれ〜。とことんお馬鹿になっちゃったのね。誰が、あんなエロエロ下着見せるものですかあ!!」
「エロエロだから、見せる価値があるのですYO。さあ、脱ぐNE!!」
「エロはやだ!」
「エロがいいのですNE!」
大声で叫びながら、芦原郁乃とヴィクトリア朝メイド服コスプレがスカートの引っ張り合いをします。そのたびに、チラチラと、件の下着がスカートの裾から見え隠れしました。
「なんだとお!! セクシーパンツだとお!!」
二人のやりとりを聞きつけたPモヒカンたちが、怒濤のように集まってきました。
「しまったあ。全部聞かれたあ!」
芦原郁乃の顔が、これ以上もないくらい、耳たぶまで真っ赤になりました。
「そう、その表情NE。萌えでーすYO」
ヴィクトリア朝メイド服コスプレは御満悦です。
「おおおお、これこそ、究極のチラリズムだぜ!」
一進一退を続けてじゃれ合うような芦原郁乃とヴィクトリア朝メイド服コスプレの攻防に、感極まって的場 凪(まとば・なぎ)が叫びました。
「言った通りでしょう。見せられる物はだめです。見えてしまう物ほど至高なのですよ」
うんうんと、何か変に納得したように巨乳になる為の 百の方法(ばすと・あっぷ)が言いました。ちなみに、どうでもいいことですが、彼、穿いてません。まあ、どうでもいいことですが。
「ああ、やはり、その言葉は天啓だったぜ」
的場凪が充分に納得します。
「おお、セクシーおぱんちゅ、ゲットするぜ!」
集まってきたPモヒカンたちが、芦原郁乃に殺到しようとしました。
「ばっかやろう。踊り子さんに触れるんじゃねえ!」
すかさず間に入った的場凪が、Pモヒカンたちをあっという間に蹴散らしました。
「私は、踊り子さん……じゃ……ないわよ!」
ヴィクトリア朝メイド服コスプレから必死にスカートを守りながら、芦原郁乃が言い返しました。でも、確かにこの二人の攻防は、見た目を変えるとちょっとしたエロいダンスのようです。
「うんうん、やっぱり、こういうのは黙ってながめるのに限るよなあ。究極のおとなパンツだぜ」
特等席にしゃがみ込んで芦原郁乃のスカートの裾をチラチラとのぞきながら、的場凪が言いました。
「なんですって。ついに、ついに、おとなパンツを発見したのですわ」
的場凪の声を聞きつけたアンネリーゼ・イェーガーが、急いで走ってきました。
当然、笹野朔夜が先回りします。
「おっと、させませんよ!」
すかさず、巨乳になる為の百の方法が立ち塞がろうとして、あっけなく笹野朔夜に弾き飛ばされました。脆いです。が、その後ろに控えた的場凪が、バンガード強化スーツの助けを借りて笹野朔夜を防いでみせます。
「踊り子には触らないのが礼儀だぜ。だいいち、パンツ四天王をやっつけるのなら分かるが、なんでセクシーな下着を穿いたお姉さんをやっつけようとするんだ。それとも、お前もパンツ四天王を目指しているのか?」
「いや、そういうわけでは。ちょっと先走ってしまったようですね。ただし、うちのアンネリーゼさんに変なことを吹き込まれても困ります。帰りますよ、アンネリーゼさん」
的場凪に諭されて、笹野朔夜が引きました。
「ええっ、おとなぱんつ見たいですわ〜」
ここまで来たのにと、アンネリーゼ・イェーガーがむくれます。
「見せません!」
きっぱりと、芦原郁乃がアンネリーゼ・イェーガーにむかって言いました。
「ほら、ああ言ってるでしょう。おとなパンツはレベル99でないと装備できません」
「ええっ〜」
あからさまな嘘ですが、うんうんとうなずく芦原郁乃を見て、アンネリーゼ・イェーガーはとりあえず信じてしまったようです。
「さあ、帰りましょう」
気が変わらないうちにと、笹野朔夜がアンネリーゼ・イェーガーを連れていきます。
「ところで、私たちはいつまで戦えばいいのよ」
「もちろん、郁乃が見せびらかすまでですYO」
「もう、いいかげんにして〜」
いっこうに諦めないヴィクトリア朝メイド服コスプレに、芦原郁乃が悲鳴をあげました。
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