リアクション
「ふぅ♪」 『不思議の国のアリスが出来るまで』 昔々、あるところにアリス・リドル(アーシュラ・サヴェジ(あーしゅら・さう゛ぇじ))という小柄で端正な顔立ちの女の子がいました。 アリスにはちょっと風変わりでしたがとてもお話上手なおじさん、ルイス・キャロル(リッシュ・アーク(りっしゅ・あーく))という友だちがいました。 アリスはキャロルおじさまと呼んで、大変慕っていました。 ある暖かな日、アリスの家族とキャロルおじさんたちとでハイキングに行く事になりました。 お日様も少し西に傾き穏やかな日差しにキャロルがまどろんでいるとアリスがおねだりをしてきました。 「ねえ、キャロルおじさま、何かお話ししてちょうだい!」 キャロルは少しだけ考えてから、持っていたティーカップを下に置き、にっこりほほ笑みました。 「では、こういう話は如何かな?」 そう言うとキャロルはぽつりぽつりと語りだしました。 それはアリスという女の子が突然現れた白いウサギを追いかけて不思議な国に迷い込むというお話でした。 そのお話はとても馬鹿馬鹿しくて滑稽でめちゃくちゃ、それでもとても素敵なお話でした。 お話を聞いたアリスはとても喜びました。 当然ですね、このお話はアリス自身が主人公のお話でしたから。 アリスはこのお話を文章にしてほしいとキャロルにおねだりをし、おじさんもアリスがこんなに喜んでくれるならば、と1冊の本にまとめました。 これが『不思議の国のアリス』が世に生まれた瞬間です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー そこまで話し終ると、セバスチャンがエリスに一杯のミルクティーを差し出した。 それを受け取り、一口飲むと癖のある燻された香りが鼻を楽しませる。 エリスはホッと息をついた。 「アラン君、後にこの本は出版され、今では世界中の子どもが知ってる児童書って呼ばれてるんですよ? 素敵だと思いませんか? 世界中の子どもたちが知っているお話は、たった1人の為に作られたお話なんですよ」 「確かにすごいな!!」 「そこでアラン君に提案なのですが……」 「う?」 「これから毎晩誰かがここでお話をしてもらえるようにお願いしてくるので、みなさんが話してくれたお話をまとめて1つの本を作ってみませんか? アリスみたいに世界中の子どもたちが知っているわけではないけれども、アラン君の為に作られた1冊……とても素敵な事だと思いませんか?」 エリスの提案を聞いたアランはしばらく呆然としていたが、やがて瞳がキラキラと輝きだした。 「良い提案だ! 余はその提案を受け入れるぞ! セバスチャン!」 「はい。今のお話もしっかりと記録させていただきました」 (いつの間に!?) 「うむ! では、明日も余はこの部屋で待っている。楽しみにしているぞ」 こうして、アラン少年の千夜一夜物語は始まったのだった。 目次 ページ 1 『不思議の国のアリスが出来るまで』 童話 語り手:水橋 エリス 2 『リリちゃんが臭かった話』 ミステリー風コミカル 語り手:ユノ・フェティダ 3 『私の名前』 昔話? 語り手:封印の巫女 白花 4 『貧しい娘と黄金の騎士』 ラブコメ 語り手:ホイップ・ノーン 5 『ふたりは魔法少女マジカルシスターズ』 魔法少女 語り手:小鳥遊 美羽 6 『小さな箱と大きな箱』 冒険物 語り手:ジュレール・リーヴェンディ 7 『娘と魔法のランプ』 童話 語り手:遠野 歌菜 8 『ヘンゼルとグレーテル?』 童話? 語り手:夏侯 淵 9 『カルメン』 歌劇 語り手(歌い手):朝野 未沙 10 『初体験』 コメディ 語り手:変熊 仮面 11 『昔々の魚のはなし』 神話 語り手:リリィ・クロウ 12 『卵泥棒の蛇』 落語調ギャグ 語り手:ディンス・マーケット 13 『千夜一夜物語inパラミタ』 不明 語り手:ヴェルデ・グラント |
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