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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

リアクション

「へー、あの4人組何気に良いチームワークしてるじゃない」

 柚たちと甚五郎たちのやりとりを影で見守るようにして見ていたのは陽一と理子。

「でも、この基地から出ようとしてるみたいだ」
「まだあたしたちとかいるのにね」
「ん? あ、新入生らしからぬ子が指示を出してる」
「二手に分かれるみたいね」

 様子見をしていた陽一と理子の方へ近づいてくる甚五郎とブリジット。

「知略とスピードの組がこっちだね」
「という事は物量コンビがあの子たちの方ね」
「まずは向こうに行って貰おうかな」

 陽一は近くに落ちていた小石を投げ、遠くの方へ気を逸らす。
 その方向を調べる甚五郎の隙をついて移動を始める。

「あ、機晶姫の方がこっちに気付いた」

 ここから双方の追いかけっこが開始される。
 何度も物を投げては気を逸らす陽一と理子。

「地の利は向こうが上。なら、こっちは素早さで攻めるのみ」

 ブリジットのゴッドスピードで素早さを上げて迫りくる甚五郎とブリジット。

「スピードを上げてきたか。ならこれでもくらってみるか?」

 わざと接近を許し、理子より前に出た陽一は二人にしびれ粉を与えた。



◇          ◇          ◇




 別の場所、同時刻。
 甚五郎たちと別れた羽純とホリイは龍滅鬼 廉(りゅうめき・れん)と向かい合っていた。
 お互いにどう出るか出方を窺っている。

「時間も惜しい。一気に事を決めるぞ」
「わかりました!」

 羽純は残り時間も気にして先に動きだす。
 砂塵をサイコキネシスで舞い上げ、ホリイが持ってきていたコショウをそれに紛れこませる。

「視界を奪いに来るか……なら、距離を置くだけだな」

 コショウのむせ返りもなんのその。廉は冷静に羽純とホリイから持ち前の身軽さと足の長さを活かして距離をとるように逃げ出す。

「む、ホリイ。これを持って迂回するのだ」
「はい!」

 ホリイに縄に手錠を結びつけた物を手渡す羽純。
 言われたとおりの場所にホリイが向かう。
 羽純は砂塵を舞い上がらせるのは止め、そのまま廉の背を追うように走りだす。

「(気を付けるべきなのは念力使いの方。もう一人は恐らく道具要因のハズ)」

 走りながら羽純とホリイの役割や対策を練って行く廉。
 後ろから追われている事は気付いているが、どこも焦りはない。

 あちこちに曲がりながら走っていた廉を挟むようにして現れるホリイ。

「追いつきました! これに捕まって下さい!!」

 ホリイは羽純お手製の手錠付きの縄を廉に向かって投げた。
 直線的に飛んで来る縄を、足をずらす事で廉は避ける。

「念力使いがいることを忘れたか」

 避けた縄が廉を追って来ていた羽純のサイコキネシスでUターンするように曲がって来たのを防いでそう言うのは、隠れ身で今まで隠れていた勅使河原 晴江(てしがわら・はるえ)だった。
 無表情であまり表情が変わらない彼女の傍には青白い火の玉が浮いている。

 そこへケイドロ終了のチャイムが鳴り響く。

『ピンポーン! 3時間経過しました。今この瞬間以降に捕まえた場合は無効とします。お疲れさまでした!!』