リアクション
「へー、あの4人組何気に良いチームワークしてるじゃない」 ◇ ◇ ◇ 別の場所、同時刻。 甚五郎たちと別れた羽純とホリイは龍滅鬼 廉(りゅうめき・れん)と向かい合っていた。 お互いにどう出るか出方を窺っている。 「時間も惜しい。一気に事を決めるぞ」 「わかりました!」 羽純は残り時間も気にして先に動きだす。 砂塵をサイコキネシスで舞い上げ、ホリイが持ってきていたコショウをそれに紛れこませる。 「視界を奪いに来るか……なら、距離を置くだけだな」 コショウのむせ返りもなんのその。廉は冷静に羽純とホリイから持ち前の身軽さと足の長さを活かして距離をとるように逃げ出す。 「む、ホリイ。これを持って迂回するのだ」 「はい!」 ホリイに縄に手錠を結びつけた物を手渡す羽純。 言われたとおりの場所にホリイが向かう。 羽純は砂塵を舞い上がらせるのは止め、そのまま廉の背を追うように走りだす。 「(気を付けるべきなのは念力使いの方。もう一人は恐らく道具要因のハズ)」 走りながら羽純とホリイの役割や対策を練って行く廉。 後ろから追われている事は気付いているが、どこも焦りはない。 あちこちに曲がりながら走っていた廉を挟むようにして現れるホリイ。 「追いつきました! これに捕まって下さい!!」 ホリイは羽純お手製の手錠付きの縄を廉に向かって投げた。 直線的に飛んで来る縄を、足をずらす事で廉は避ける。 「念力使いがいることを忘れたか」 避けた縄が廉を追って来ていた羽純のサイコキネシスでUターンするように曲がって来たのを防いでそう言うのは、隠れ身で今まで隠れていた勅使河原 晴江(てしがわら・はるえ)だった。 無表情であまり表情が変わらない彼女の傍には青白い火の玉が浮いている。 そこへケイドロ終了のチャイムが鳴り響く。 『ピンポーン! 3時間経過しました。今この瞬間以降に捕まえた場合は無効とします。お疲れさまでした!!』 |
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