リアクション
◇ ◇ ◇ 雅羅が捕まってしばらく経った頃。 加能シズル(かのう・しずる)が美術室の画材の影に隠れていると、両端のドアが悲哀とアイランの手によって同時に開かれる。 「あの……居るのは分かっているのですよ」 「そうそう! 隠れてないで出てきなよ!!」 おどおどしながらもはっきり言う悲哀と、追い込み一気に片をつけようと意気込んでいるアイランが中へ入ってくる。 「バレているんじゃしょうがないわね!」 「そう何度も窓から逃げられてたまるもんか!」 シズルが窓から逃げようとするのを見て、窓の燦に設置しておいたアイランの『打ち上げ花火』が発射される。 ―――ひゅードン!! まさかここで打ち上げ花火が上げられるとは思ってもみなかったシズルが動きをほんの僅か止めた隙を狙い、裸体像なクレアが氷術で足を凍らせる。 「しまった!」 「お姉さま、捕まえたわ!」 シズルが凍らされた足を解放する前に、レオーナがガバリとシズルを捕らえる。 そして目線を合わせると、レオーナは雅羅に話した同じ台詞をシズルに向かっては話すのだった。 「これで二人目! あ〜お姉さまはまだこっちに来るのかな?」 「(早く3時間が過ぎて欲しいものですわ……恥ずかしすぎます)」 「だんだんと基地の方角から聴こえてくる音の激しさも増してきましたし、あまりここに来る可能性は低いと思いますよ」 「まだ学校内にいるようなら、あたしと悲哀ちゃんでこっちに追い込んであげよっか?」 「本当? お願いしてもいいかな」 悲哀とアイランで美術室へ追い込み、クレアとレオーナで捕まえるといった作戦を練っていく。 「……じゃ、この作戦でいくよ。残りあとちょっとだから頑張ろうね、悲哀ちゃん!」 「はい。では、お互いに頑張りましょうね」 美術室を出ていく悲哀とアイラン。 レオーナとクレアも裸体像に交じるようにしてこの空間に溶け込むようにして待機するのだった。 |
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