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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

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美術室は危険地区!?

 前日から服を脱ぎ、全身に灰色の絵具を塗ったくったレオーナ・ニムラヴス(れおーな・にむらゔす)は裸体像に紛れている。

「お姉さまはいつくるのかな……」

 レオーナが今か今かと待っていると、廊下をレオーナ同様裸体像に扮したクレア・ラントレット(くれあ・らんとれっと)が、氷術で床を凍らせた状態でスライドしながら雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)を追いかけていた。

「なんでなの! また私の“災厄体質”のせいなの!? 石像が追いかけてくるなんて」
「(それにしてもレオーナ様……いくら計略とは言え……こんな姿だなんて……はぁ……)」

 内心で泣きながら雅羅の後を追いかけるクレア。
 見えてきた美術室へ誘導していく。

「仕方ない、いったんここへ隠れてやり過ごそう」

 クレアに誘導された為、やり過ごす為に入った教室は美術室であった。

「はぁ……はぁ……流石に走りっぱなしはキツいわ」
「(キターお姉さま!)」

 そろりそろりと徐々に雅羅へ近づいて行く。
 ある程度まで近づくと、背後から柔道の固め技で雅羅を捕らえたレオーナ。

「きゃー! ら、裸体像が……ん? 温かい」
「お姉さま」

 話しかけてきたレオーナの方へ向くと、高揚とした表情で雅羅を見つめる顔とかち合う。

「あなたは大変なものを盗んでしまいました。私の心です」



◇          ◇          ◇




 雅羅が捕まってしばらく経った頃。
 加能シズル(かのう・しずる)が美術室の画材の影に隠れていると、両端のドアが悲哀とアイランの手によって同時に開かれる。

「あの……居るのは分かっているのですよ」
「そうそう! 隠れてないで出てきなよ!!」

 おどおどしながらもはっきり言う悲哀と、追い込み一気に片をつけようと意気込んでいるアイランが中へ入ってくる。

「バレているんじゃしょうがないわね!」
「そう何度も窓から逃げられてたまるもんか!」

 シズルが窓から逃げようとするのを見て、窓の燦に設置しておいたアイランの『打ち上げ花火』が発射される。


―――ひゅードン!!


 まさかここで打ち上げ花火が上げられるとは思ってもみなかったシズルが動きをほんの僅か止めた隙を狙い、裸体像なクレアが氷術で足を凍らせる。

「しまった!」
「お姉さま、捕まえたわ!」

 シズルが凍らされた足を解放する前に、レオーナがガバリとシズルを捕らえる。
 そして目線を合わせると、レオーナは雅羅に話した同じ台詞をシズルに向かっては話すのだった。

「これで二人目! あ〜お姉さまはまだこっちに来るのかな?」
「(早く3時間が過ぎて欲しいものですわ……恥ずかしすぎます)」
「だんだんと基地の方角から聴こえてくる音の激しさも増してきましたし、あまりここに来る可能性は低いと思いますよ」
「まだ学校内にいるようなら、あたしと悲哀ちゃんでこっちに追い込んであげよっか?」
「本当? お願いしてもいいかな」

 悲哀とアイランで美術室へ追い込み、クレアとレオーナで捕まえるといった作戦を練っていく。

「……じゃ、この作戦でいくよ。残りあとちょっとだから頑張ろうね、悲哀ちゃん!」
「はい。では、お互いに頑張りましょうね」

 美術室を出ていく悲哀とアイラン。
 レオーナとクレアも裸体像に交じるようにしてこの空間に溶け込むようにして待機するのだった。