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リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~

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リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~

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 さて。
 場面ををヴァイシャリーに移してみましょう。
「いやねぇ。変な連中が徘徊しているんですって」
 女の子たちが怖さ半分興味半分で噂しています。どうやら、夜這いテロの話はこのあたりにまで飛び火してきているようでした。
 侵入者は男だけではなく、女の子も含まれているというから油断なりません。女の子が好きな女の子もたくさんいるのです。
 百合園学園生のクリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)も、その一人です
 彼女は、パートナーの翔月・オッフェンバッハ(かづき・おっふぇんばっは)と一緒に、親しい仲の神月 摩耶(こうづき・まや)の部屋の前までやってきていました。
 プレゼントをもらいに来たのです。
 少し前、クリームヒルトは、摩耶から部屋の鍵を手渡されていたのでした。直接とりに来て欲しいとの事でしたが、特に障害もなく辿り着くことが出来ました。
「うふふふ、摩耶ったら。こんな風に誘うなんて、珍しいわね」
 そっと鍵を開けると、摩耶の部屋へと忍び込みます。
 お互い知った仲なので、堂々と訪問すればいいのですが、そこはそれ。雰囲気も大切ですし、夜這いテロにも便乗しようという意図なのでした。
「プレゼントはどこかしら〜」
 部屋が暗くなっていたので、クリームヒルトは電気をつけました。
 内装はピンク基調です。カーテンやベッドの掛け布団にはフリルもあしらったりして、全力で女の子らしいお部屋になっています。掃除も行き届いており、まるでお姫様の部屋みたいでした。
 プレゼントを見つけて、クリームヒルトはクスリと微笑みました。ベッドが盛り上がっています。あれがそうに違いありません。
 彼女は、ちょっと新鮮なドキドキを味わいながら、おもむろに布団をめくってみました。果たしてそこには。
 全裸にリボンを巻いただけの摩耶が、寝たふりをして待っていたのでした。
 目が合うと、摩耶はクリームヒルトに抱きついてきます。
「メリークリスマスー! 今夜はボクをプレゼントっ」
 おおむね予想はついていたとはいえ、いい演出です。
「これはこれは、サンタさんも素敵なプレゼントを寄越してくれたじゃない」
 クリームヒルトは、満足げな笑みで答えました。そうと決まれば、彼女は摩耶を美味しく頂くのみです。
 そのままベッドの上に跳びかかり勢いよく押し倒します。
「んっ」
 唇を重ね合わせながら、指で愛撫を始めます。胸から下の方へ、繊細な指の動きが摩耶の敏感な官能を刺激し始めました。
「リボンなんか巻いちゃって。あたしにこうして欲しいって誘ってるんでしょ」
 クリームヒルトは、プレゼント用に巻いてあったリボンをまさぐりながらゆっくり解くと、急に態度を変え摩耶を荒々しく縛り上げます。
「あんっ」
 身動きの取れなくなった摩耶の身体を、クリームヒルトは緩急をつけながら可愛がります。火照った肌を重ね合わせているうちに双方ほぐれてくるのがわかりました。
 摩耶はとろんとした目つきになり、声に甘いものが混じって来るようになりました。
 強めの責めに戸惑っていた摩耶でしたが、ほどなく身をよじりながらも快感を求めてきます。
 素直になってくれるならさらに深い愛を注ぎこみやすくなります。
 クリームヒルトは、摩耶の戒めを緩めると、今度は優しく刺激を刷り込み始めました。相手に与えるだけでなく、自分自身も摩耶の身体から快感をもらってきます。
 二人は、重なり合いながら長い時間愛し合っていました。
 摩耶は悦楽に身をゆだねながら、うまく動かなくなってしまった頭で本能的に悟ります。
(何でだろう。 何だかいつもより、誰とするよりも、ずっとずっと気持ちいいの。カラダだけじゃない、こう、胸の中までふわぁって熱くなってくるような……満たされていくような感じ)
 クリームヒルトの全てが欲しいと彼女は思いました。
(これって、もしかして……ボク、クリムちゃんのコト……?)
 大切な想いを確信に変える前に、摩耶は官能の渦へと飲み込まれて、痺れるような歓喜に支配されていったのでした。
「摩耶ぁっ。今夜は寝かせないからね、うふふふふふ」
「ああんっ、クリムちゃぁん、もっとして。気持ちいいこと、もっとしてぇぇぇ」
「はぁ〜、最高よ。素敵なプレゼントを有難うね、摩耶」
 クリームヒルトは摩耶の身体を隅から隅まで、ねっとりと絞りつくすのでした。
 摩耶は、何度も絶頂に達し身も心もトロトロに溶けてしまいます。もう離れることは出来ません。
 二人は、夜が明けるまでお互いの身体を重ねあいまさぐり合いながら、愛を確かめ合ったのでした。
 

 ところで、摩耶の部屋の窓の傍では、パートナーの董卓 仲穎(とうたく・ちゅうえい)が二人のアツい夜を守るために待機していました。
 同じく、クリームヒルトと一緒にやってきた翔月も同伴です。
「え、穎殿! 主殿達の為とはいえ、こ、此の格好は余りにもぉ」
 口車に乗せられ、まるで水着のような露出度の高いトナカイのコスプレをしていた翔月は、恥ずかしげな口調で言います。それほど嫌がっているようには見えませんが。
「来ましたわ」
 仲穎は、摩耶の部屋に、彼女ら以外の訪問者が現れたのを見つけて満足そうに微笑みました。実のところ、待っていたのです。
 侵入者は、夜這いテロをしに来たのでしょう。男ではなく、女の子の方が参加者が多いところが百合園学園の恐ろしいところです。
 モテない非リアといいながら、普通に見ればルックスだって悪くない娘たちばかりです。普通高校へ進学していたら、きっとそれなりにモテていたでしょう。しかし百合園学園はハイレベル過ぎてあまりにも競争が過酷なのです。
「リア充爆発しろ」
「辛い思いをしておりますのね。可愛そうに」
 仲穎は本心から同情して言います。全員、摩耶やクリームヒルトのような飛びぬけた美貌を持っているわけではないのです。
「摩耶様は既にご予約が入っております故、お寂しいのでしたら私達がお相手致しますわ」
 今夜は、仲穎たちがモテない娘たちのサンタクロースなのです。翔月を抱き寄せると、胸を揉みしだ来ながら艶っぽい目で侵入者を誘惑します。
「な、なによこの女」
 侵入者の女の子たちは警戒していましたが、仲穎は身体を押し付けたり谷間や太股を見せ付けたりして囁きました。
「私達も寂しいのです、今宵は独り身同士暖めあいませんこと?」
 こんな風に、と仲穎はテロ娘の手を取って翔月の身体を愛撫させ始めます。次第に、彼女らも大胆になっていきます。
「あ、あぁ、穎殿ぉっ。こ、このようなことを、あぁぁぁぁっ」
 複数の手によって弄ばれ、翔月は快感にビクビクと身体を震わせました。こんな責められ方はいやなのに、意に反して翔月の口からは甘い嬌声が漏れ出しました。
「メリー・クリスマス。これが私たちからのプレゼントよ」
 仲穎の誘いに、飢えたメス狼たちが続々とやってきます。来すぎです。全員でパーティーしたいのですが、翔月の身体は朝まで持つでしょうか。
「ど、どうか聖夜を楽しんで欲しいの、だよ〜」
 翔月は歓喜に打ち震えながら、快楽の海へと沈んでいきます。彼女は動けなくなった後も執拗に蹂躙しつくされ、天国のような夜を楽しんだのでした。

 夜が明け、プレゼントを満喫した彼女らは、別れの時を迎えます。とても素敵なイブでした。
「……」
「?」
 クリームヒルトは、摩耶が見つめる目つきが違うのに気づきました。いつもより愛情深い雰囲気で別れを惜しみます。
「またね」
 クリームヒルトは、欲望には敏感でも、その他のことには鈍感な為に、事後の摩耶の変化が何だったのかわかりませんでした。
 しかしまあ、いずれわかる時が来るでしょう。
 彼女らは完全に固く結びついていたのですから。