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リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~

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リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~

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「 忌まわしきリア充の皆さ〜ん! まだお休みの時間ではないでありますよ! 街の炎に包まれて、楽しく歌い踊るであります!  」
 あの葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)が、街に戻って来ました。
 かなり寄り道をしたおかげで時間を取られてしまいましたが、おかげで傷も癒えて万全の体調になっています。
 深夜、寝静まった街中を、まだ生き残っているフリー・テロリストたちと共に突撃を試みます。
「 これが今年最後で最大のテロであります!!  」
 火炎瓶を撒き散らしながら、リア充たちの住処を片っ端から破壊していきます。お泊りしている連中など、一瞬で地獄行きです。
「我も助太刀するであろう」
 撃沈したイングラハム・カニンガム(いんぐらはむ・かにんがむ)も、傷を癒して合流してきます。
 雅羅も陽菜都も、そしてルシアも、名だたるリア充メーカーたちは、無傷で生き残っています。彼女らを屠り去らないと、吹雪は平穏な新年を迎えることが出来ないのです。
「 何人はべらせれば気がすむでありますか。死ぬでありますよ、このクソビッチどもがぁ!  」
 雅羅と陽菜都は、パーティーの後、空京内のホテルで休んでいました。二人を発見した吹雪は、残りの火炎瓶を全部放り込んでやります。
「キャーーーーー!」
 悲鳴が響き渡り、あたりは一瞬で炎に包まれました。
「でやがったな、フリー・テロリストが!」
 用心して警戒していた参加者たちが追いかけてきます。雅羅も陽菜都も無事に助け出されたようです。
 ポリスメンも待機していたようでわらわらと出動して来ました。街道は封鎖され、パトカーが猛烈な勢いで巡回しています。
 吹雪は逃げ回りながらも、周到に追っ手を誘導します。
「 天然のフリして、何人からプレゼントを貢がせてるでありますか! 呪われろ吸血宇宙人めぇぇ!  」
 途中でルシアのアパートも発見したので、【機晶爆弾】を投げ込んでやります。
 それは、空中でキャッチされました。
「俺のルシアに何しやがるんだ、ゴルァ!」
 ルシアのアパートの屋根で寝ずの番をしていた紫月 唯斗(しづき・ゆいと)が激怒して攻撃を仕掛けて来ました。
 今夜の唯斗は色々あって苛立っていたところです。名誉挽回のためにも、ここで敵を撃破しておきたいところでした。
 もちろん吹雪にとっても、唯斗は重大な敵の一人です。
「 ハーレム忍者めぇぇ! 何人の娘と独占リア充するつもりでありますか! 非リアの怨念を受け取るがいいですよ!  」
「俺の手の届く範囲にある女の子は全て守る! その気概すら持てない連中に言われる覚えはない!」
 唯斗は、キリッと言い返します。
「 光すら届かぬ、深き闇の底へと送ってやるであります!  」
 吹雪は、そう言うものの唯斗とは正面から激突せず、挑発しながら退却します。
【歴戦のダンボール術】もフル活用です。
「なんだか、ムカつくダンボール箱を見つけたぜ」
 テロリストたちと遊んでいて、キャンギャルをクビになった狩生 乱世(かりゅう・らんぜ)が、吹雪の潜む段ボール箱をボコボコに蹴り潰しました。
「 チッ、ぼっちでありますか。非リアは邪魔せず家で一人寂しく寝てるがいいでありますよ  」
 箱から出てきた吹雪が乱世を一目見て、興味なさそうに吐き捨てました。
「だれがぼっちだ! あたいだって仲間ぐらいたくさん……。あれ……?」
 ちょっと考えて、乱世は沈黙します。
「とにかくなんか知らんが、ムカつくから潰してやんぜぇ。ヒャッハー!」
 乱世は【脚力強化シューズ】も装備しており猛烈な勢いで追って来ました。
「 どいつもこいつも! 例え、千度地獄に落ちようとも、この恨み晴らさずに置くべきか〜、であります!  」
 大勢に追いかけられながら、吹雪は次第に追い詰められていくのでありました。


「あ〜、やっぱり来たわ。懲りないわねぇ」
 とあるビルの屋上からオペラグラスで光景を覗いていたコルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)は、溜息交じりに言いました。
「どうしてワタシがこんなことまで……」
 彼女は、吹雪とイングラハムが街でリア充と官憲相手に暴れているうちに街の中心にある出来るだけ高いビルに爆弾を設置して爆破準備を整えて待っていたのです。
 吹雪はこのビルごと心中するでしょう。見事なクリスマスのイルミネントが見れるはずです。
「さて、帰ろう。皆さん、よいお正月を」
 コルセアは、誰にともなく手を振って、去っていきました。


「 リア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねリア充死ねぇぇぇぇぇ!  」
 吹雪はドス黒い悪意を撒き散らしながら、街の中心にある高層ビルへ内へと突入していきました。
 彼女に付き従っていた他のフリー・テロリストたちも、ほとんどが退治されて姿を消しています。
 今夜も、みなの幸せを願う、愛と平和のリア充たちの勝利です。憎しみを一身に背負った邪悪の塊は、ここで滅びを迎えようとしていました。
「 悪の栄えたためしはなし! しかし、悪の滅びたためしもないでありますよ! 」
 他の人や官憲の敵意を集めることが出来た吹雪は、コルセア達が爆破準備したビルの頂上に上って、溜め込んだ嫉妬力と自爆弾と設置された爆弾などを一気に爆発させます。
「 束の間の安穏を貪るがいい、リア充ども! 自分はまた深い闇の奥から現れるであります! その時まで、しばしの別れ!  」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 と爆煙を噴き上げながらビルが大きく崩れ始めました。
「うおおおおおおおおおっっ!」
 吹雪のパートナーの一人、鋼鉄 二十二号(くろがね・にじゅうにごう)が、よく燃えるようにトラックにガソリンいっぱい積み込んで爆発の瞬間に合わせて特攻を仕掛けてきます。
 ドオオオオオオン! と爆音が響き、衝撃波をともなう破壊が広がりました。
「全員、退避〜!」
 これまでのテロ活動で吹雪の行動をおおむね把握していた追っ手たちは、素早く爆破から逃れます。
 ビルを巨大で真っ赤に燃え上がるクリスマスツリーにした吹雪は、炎と爆発に飲まれ消滅していきました。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
 他の人たちの罵声が、なによりのはなむけなのでありました。

 かくして、フリー・テロリストたちも姿を消していきます。
 街は、次第に平穏を取り戻し、人々はクリスマスの朝を楽しみに、戻っていきました。

 事件は、終わったのです。