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リアクション
花音特務隊2
一行がモンスターや罠をかいくぐりながら
遺跡の奥へと進んでいくと、数体のゴーストイコンが現れる。
遠野 歌菜(とおの・かな)は、
忘却の槍とメメント銛を構える。
「ゴーストイコンか……生身で撃退できるかな?
えーい、女は度胸!」
パートナーの月崎 羽純(つきざき・はすみ)は、歌菜を援護する。
同じく生身でイコンを相手にする牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)は、
魔鎧のラズン・カプリッチオ(らずん・かぷりっちお)を身にまとっている。
「ここはアルコリアとラズンに任せて……と言いたい所だけどぉ……きゃはは」
「可愛いいけまさんとしては、魔法少女アイドルさんと協力するのもいいかなって思います」
「アルコリアさんと一緒に? ……喜んで!」
歌菜も、もとより、生身で戦う者と連携したいと考えていたのだった。
「アルコリア、『可愛い』スルーされたよぉ……きゃふふふふ」
「歌菜さん真面目なんですね」
歌菜の二槍流がゴーストイコンの装甲を貫けば、
アルコリアはレーザーブレードを振るい、
「一・刀・両・断ッ!!」
動きを止めたゴーストイコンを切り裂く。
一方、リフルは、ザル型光条兵器にエネルギー充填していた。
エメネアがエコバッグ型光条兵器でモンスターを切り裂き、花音もサポートをする。
リフルのザル型光条兵器は、ラーメンを作るのと同じ手順でないと、
エネルギーの充填ができないらしかった。
寸胴鍋で光の替え玉を茹でたところで、ザルで引き揚げる。
「ゆで加減アルデンテ……撃つ」
発射準備を完了させ、リフルは水切りをした光の替え玉を発射する。
「ラーメンじゃないのか?」
羽純はツッコミを入れる。
光の替え玉は、イコンの攻撃と同じくらいの威力があり、ゴーストイコンを撃破した。
強力ではあるが、撃つまでの時間と手間が非常にかかるのであった。
こうして、一行はゴーストイコンを倒すことに成功する。
エメネアは、崩れ落ちたゴーストイコンを見上げてつぶやく。
「そう、たしか、かつて私達もイコンにのっていたんです……。
何か、懐かしい感じがします……」
「女王様を守るために……」
リフルも同じように言う。
「十二星華のイコンか……?」
羽純はその様子を見て言う。
■
ロア・ワイルドマン(ろあ・わいるどまん)は、
レオパル ドン子(れおぱる・どんこ)とともに、
花音に協力してブライド・オブ・パイクを捜索しようとしていた。
ロアは、トレジャーセンスと捜索の技術で、
宝のありそうな場所を探る。
「花音様が剣の花嫁のリーダーなのですかぁ?
うーん、やる気がある人がリーダーをやった方がいいと思いますので、
それでいいのではないでしょうかぁ〜。
わたくしは花音様のこと応援しますよぉ〜」
ドン子はのんびりした口調で言う。
「ありがとうございます……きゃあああああああああああ!?」
「ヒャッハアー!!」
南 鮪(みなみ・まぐろ)が、スパイクバイクにまたがり、花音をいきなりさらったのだった。
「お前はやるオンナだと思ってたぜ。星華の上を行く花嫁ってのはヤバい気配で判ってたからなァ〜」
「ちょ、放してください!」
「ヒャッハァー!
いいぜ博愛主義者の俺は涼司ごとお前も愛してるからな!
一緒に涼司を愛してやろうぜ!」
「放してくださいってば!」
「心配無用だァ〜! 一億二千万年前からお前の味方だぜ」
「す、すげえ、まったく会話が噛みあってねえ!」
あっけにとられるロアであった。
「乗れよ獲守呼雄斗(えすこうと)してやるぜ、お前は力を温存しねえとなァ〜」
「放しなさい、このモヒカン!」
もはや鮪を名前ですら呼ばない花音に殴られていたが、
鮪は全く気にした様子はなかった。
本人が主張する通り、ある意味で「博愛主義者」なのであった。
「ブライド・オブ・バイクは新種のスパイクバイクかァ〜!?
俺にぴったりだぜェー!」
鮪は、乱暴にスパイクバイクを運転し、無理やり遺跡を駆け抜けていった。
一方、土器土器 はにわ茸(どきどき・はにわたけ)は、ソートグラフィーで捏造した、
ティセラとの結婚式やベッドでのラブラブ写真をばらまいていた。
「任せろ帝世羅さんはわしの嫁じゃけえのう。
嫁っつーんは剣の花嫁な意味じゃ無いんじゃ、婚姻関係と言うとるんじゃあ!」
法的なレベルで認知させるつもりであったが、
誰がどう見ても偽物である。
「黙りなさい!」
リカインがはにわ茸をぶん殴る。
■
「おい、あれ、パイクじゃねえか?」
そんな中、ロアは、隠し扉のスイッチを押し、
奥の大きなドーム状の空間に浮かぶブライド・オブ・パイクを発見していた。
「パイク」の名の通り、
ブライド・オブ・パイクは柄の長さが5メートルを超える非常に長い槍だった。
「槍じゃねえか、バイク探そうぜバイク!」
「ああもう、うるさいです!
……やりましたね!」
鮪を邪険にしつつ、花音はブライド・オブ・パイク発見を喜ぶ。
火村 加夜(ひむら・かや)は、
蓮花・ウォーティア(れんか・うぉーてぃあ)とともに、花音に笑顔を向ける。
「これで、涼司くんの力になれますね!」
加夜は、校長としてあまり身動きの取れない涼司のために、
花音特務隊に一緒に参加したのだった。
光条兵器をかざして反応も確かめるのは無効だったが、
加夜の回復魔法で皆、助けられていた。
「花音ちゃん!」
蓮花は、うれしさで、花音を後ろから抱きしめる。
「ここまで来れたのは皆さんのおかげです。ありがとうございます」
花音は、ブライド・オブ・パイクを手に、一同に礼を述べた。
「懐かしい……。私は、このブライド・オブシリーズを集めなければ」
ブライド・オブ・パイクを抱いて、花音は言う。
「そこまでよ!」
エメネアをストーキングしてきた日堂 真宵(にちどう・まよい)が、
悪役っぽくドームの高い場所から現れた。
「買い物依存症星華にしては役に立ったじゃない、褒めてあげるわ、
そんなの剣の花嫁がいなけりゃただの棒じゃない、
格安で売ってあげるから代わりにわたくしの宝探し手伝いなさいよって、きゃああああああああ!?」
ロアの威嚇射撃で、真宵は高い場所から落下した。
(ここで花音に恩を売っておけば有事に借りれるかもしれねぇし、
ゴーストイコンに対しての切り札になるかもしれねーよな。許せよ)
「そんなことよりカレーデース!
カレーを食べなサーイ!」
アーサー・レイス(あーさー・れいす)は、こんな時でも己を貫いていた。
■
ブライド・オブ・パイクを入手して地上に戻った一行は、
再び屋台でラーメンを食べていた。
「来るべきはカレーの時代なのデース!
神を超える力と伝統のカレーがラーメン風情に遅れを取る事はありまセーン」
アーサーがカレーを布教するが、リフルは、
「私はラーメンが……」
「ハッハー判りまーシタ。
そちらのラーメンはラーメンで宜しいデース。
代わりにエメネアさんはカレーデース」
アーサーは、リフルがすべて言い終える前に、リフルの分のカレーを奪い、エメネアに無理やり食べさせた。
「こんなにいっぱい食べられないですー」
エメネアは苦しむ。
「私なら食べられる」
「ラーメンにあげるカレーはありまセーン」
アーサーはリフルに冷たく言う。
リフルがショックを受けている横で、
ゲブー・オブイン(げぶー・おぶいん)は、
食べ終わったラーメンのドンブリにポケットに入れて持って来たゴキブリを入れていた。
「おい、この店は客にゴキブリの入ったラーメン食わす気かあ!?
どう落とし前つけんだこら!
てめえらのおっぱい揉んでやろうかあ? がはは!」
ピンクのデラックスモヒカンを振り回して、ゲブーは言う。
同行してきたものの、危険な遺跡には入らず、花音特務隊の仕事もしていないのにこの態度であった。
「俺様に惚れたら連れて帰ってやってもいいぞ、がはは!!」
「俺の女の店で食い逃げしようたあいい度胸だァー」
「なんだてめえはぎゃああああああああああ!?」
調子に乗るゲブーだったが、鮪にあっというまにボコボコにされる。
「ゲブーがすまなかったな。オレが代わりに支払おう」
ドラゴニュートのホー・アー(ほー・あー)は、
威厳たっぷりに言い、二人分のラーメン代として種モミ袋2袋を差し出す。
「毎度あり」
リフルはホー・アーの種モミ袋を受け取る。
「あいつの種モミを奪いたいぜェェ……!!」
鮪は種モミ剣士のホー・アーを見て、抗いがたい本能を感じるが、
ホー・アーは、救世主達に農業神として崇められており、守られていたのであった。
こうして、ラーメンを食べて落ち着く一同であった。
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