空京

校長室

終焉の絆 第二回

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終焉の絆 第二回
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【2】敵イコンの最後

「そういうことや!」
 彩羽に向うセラフィム機を止める大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)が乗るバンデリジェーロ
「周りのイコン機はボク達の担当なんだから!!」
 もう片方のセラフィム機も高崎 朋美(たかさき・ともみ)が操るウィンダムに止められる。
『二人とも、助かったわ。援護に回る』
 彩羽は二人の助力に感謝の通信を送る。
「ええてええて、こっちも戦力アップは嬉しきことやからな!」
「三人で協力して、エース達の道を空けちゃうよ!」
 まずは泰輔が先手を取る。
 鍔迫り合いをしていたセラフィム機を弾き飛ばし、即座にワープ移動。
 讃岐院 顕仁(さぬきいん・あきひと)が位置関係を把握しつつ、適切な間合いを絞り込み距離を縮める。
「もう一メートル、手前だ」
「了解やっ!」
 顕仁の指示に泰輔が言う通りに動くと、その一メートル奥に敵からの攻撃が飛来する。
「このままちょい無茶で押し切るでぇ! ええか顕仁!」
「そなたの頼みを我が断ると?」
「どあほう! 建前やっちゅうねん!」
 そのままワープ移動を駆使して前進しバンデリジェーロはセラフィム機に肉薄。
 そのため、ある程度の反撃を受けたものの、押し切ってセラフィム機の両腕部を斬り飛ばす。
 と、セラフィム機が自爆の兆候を見せる。
「あかんなぁ、考えてることすけすけやで! おりゃ!」
 自爆する前にセラフィム機を弾き飛ばして、敵の一団の中心へ。
 そこで爆発したセラフィム機は他のイコン機を盛大に巻き込んだ。
「背後から敵機、念の為の報告だ」
「心配なしや、僕等には朋美んがおるさかいっ」

 顕仁の言う通り、バンデリジェーロの後方からは別のセラフィム機がフルスロットルで向かってきている。
 母艦がなくなったことによる怒りか、エレクトロンボルトを恐れるあまりに湧き出す恐怖か、
 考えなし、猪突猛進といった様に迫る。
「とーまれー!!」

 ドゴォンッ

 肩部にメタルファングを付けたウィンダムがセラフィム機の横合いから思い切りタックルをする。
 そのまま横に流れていく二機。
「反撃、くるぞっ!!」
「うんっ!」
 パートナーウルスラーディ・シマック(うるすらーでぃ・しまっく)の指示を既に感じ取っていた朋美は、敵のブレードを紙一重でかわす。
 新式ビームサーベルを展開し、敵の左腕部を斬り払う。
 しかしセラフィム機の戦意は喪失せず、残った右腕でウィンダムを殴りつけようとする。
『そうは、いかんのやで!!』
 今度は泰輔がフォローに入り、セラフィム機を背後から貫く。
「朋美! バンデリジェーロの後方から左側面からセラフィム機の反応だ!」
「了解っ。敵の力を削る…『覚醒』!」
 覚醒を果たした朋美が今まで以上のスピードでセラフィム機へと向かっていく。
 想像以上の動きに翻弄されながらも必死に反撃するセラフィム機だが、パイロットの腕の差は歴然。
 覚醒したウィンダムの一刀を受けきることが出来ず、大破する。
「後方から二機来るぞ!」
『右の足止めは任せてくれや!』
『左は私がやるわ』
 泰輔に彩羽がセラフィム機の眼前に立ち足止め、
 更に僚機イコンたちもありったけの弾幕をはり、ウィンダムの行動を隠す。
「ありがとうっ! このまま斬り伏せる!」
 朋美が宣言し、ウィンダムがスタートする。
 ウィンダムの間合いに敵が入ると、ウルスラーディが泰輔と彩羽に「上昇しろ!」と叫ぶ。
 その声に迷わず上昇した二機の下を、ウィンダムが駆け、二機のセラフィム機を流れるように斬りつけた。
 更に僚機イコンからの支援がそのまま攻撃に変わり、セラフィム機は穴だらけとなり、爆散した。