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序章 虚像の意思
「しかしよくも盗んだ――いや、借りてきたもんだよな、こんだけ沢山」
雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)が背中に担いだ大きな荷物を見て、緋桜 ケイ(ひおう・けい)はさすがに呆れた声を上げた。
「ほんとだな」
ベアが少し笑ってみせる。
「骨は折れますが、借りたものは返さなければいけないんですな。このままきちん返さなければ、カンバス様はただの泥棒になってしまうんですな」
斉藤 八織(さいとう・やおり)は言って、『怪盗カンバス・ウォーカー一味』が借りてきた美術品のリストと、その返却先のリストを生真面目な顔で見比べる。
その後ろではカース・レインディア(かーす・れいんでぃあ)が、重そうな荷物を担ぎなおしていた。
「返すついでに、きちんと女神像の胴部も見つけましょう。見つけて、ティセラさんに伝えるんです。『美術品にはそれぞれに込められた想いがあります……本物の女王像がティセラさんにとって大事なのと同じように、壊されたレプリカ像達も、きっと誰かにとって大事な物だったはず』って!」
ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)は、グッと小さな握りこぶしを作る。
「任せるにゃっ! デビルゆるスターたちも総動員にゃ! カンバス・ウォーカーが『出来損ない』なんかじゃないって、わからせてやるにゃっ!」
その決意を示すように、シス・ブラッドフィールド(しす・ぶらっどふぃーるど)はピンと尻尾を伸ばした。
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