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リアクション
第七章 女王の受難
第四十五話 イージーライダー
アメリカンバイクに跨って、夜の道路をかっ飛ばすファタ・オルガナを、ハイウェイパトロールのバイクがサイレンを鳴らし、追いかけてきた。
「なんじゃ、武術部の夜通しの特訓とやらにゆく途中じゃが、わしはなにも違反はしておらぬぞ」
「きみの後に立ち乗りして大笑いしていた、白いドレスの女の人は、どこへ行った?」
「誰じゃ、それは。今夜は、修行なので、ステディはなしじゃ。もし、いても、わしはかまわんがのう。美人か? 年の頃は、いくつぐらいじゃ。十五才以下が希望じゃが、見た目しだいでは、年は気にせんぞ」
「きみは、なにを言っているんだ」
不思議がる警官を残し、ファタは道場へむかう。道場前にバイクを置き、歩きだすと、背後から視線を感じる。振り返ると、長い髪の血まみれの女が、にんまりと笑いながら立っていた。
「連れてきてくれて、ありがとう」
ファタは、女をみて、ひしと抱きしめる。
「顔と体は合格じゃ。んふふふ。おぬしの居場所は、ここじゃ。どこへも行くな。まずは、シャワーじゃな。着替えて、それから、髪も切れ。よいな」
提出者 葛葉 翔(くずのは・しょう)
「俺の聞いた話だと、女を見たやつはもっと怖がってたんだけどな。今回は、相手が悪かったな。武術部の深夜練習か。俺も、小・中とサッカーをやってて、いまもサッカー部所属なんだぜ。サッカー、おもしろいよな。この教室にいる人で、サッカーに興味のある人がいたら、一声かけてくれ。よろしく!」
四十五 自分視点でものを見ている怪談には、ある意味、迷いがないと言える。
第四十六話 バカになれ
休日を利用して山ごもりの修行をしていたラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)は、武術部の夜通し特訓に参加するために、山をおりた。
道場へと走りだそうとしたラルクに、子供が駆けよってきた。
「おじさん。あのお山で天狗様に会わなかった?」
「天狗様って、なんだ」
「山からたまにね、うおりあーとか、てやあーとか、すごい声が聞こえくるんだ。鳥も逃げだすよ。木から木へ飛びうつったり、逆立ちで獣道を走り回ったりしてる天狗様がいるって、評判だよ」
「あー、あん。そいつは、意外と、友達おもいの、いいやつだと思うぜ」
提出者 超 娘子(うるとら・にゃんこ)
「オス。空手デビルのウルトラニャンコだニャー。修行でこもった山では、ニャンコの毎日の突き蹴りの稽古で、山小屋のまわりの立ち木が枯れたりしたニャー。石上十年。山をおりてから、山の近所の人が、あの山には天狗様がいるって、噂していたのを知ったニャ。あの修行がなければ、牛にも、熊にも、勝てなかった。いい思い出ニャ」
四十六 怪談に先手なし。
第四十七話 恩人
出番になったのに赤羽美央はグズって、ヴァーナー・ヴォネガットの腕を離さなかった。
しかたがないので、二人は一緒に舞台にあがる。
「大丈夫です。お芝居です。平気です」
自分に言い聞かせるように、ヴァーナーはつぶやく。
「むー、お芝居も本物も、お化けいやお化けいやお化けいや」
道場へむかう夜道を歩く二人は、むこう側からきた老紳士とすれちがう。
「あ、こんばんは。先生。ヴァーナー・ヴォネガットです。おひさしぶりです」
ヴァーナーのあいさつに、老紳士は片手をあげたが、立ち止まらずに行ってしまった。
「あれは、誰ですか」
「ボクが地球で勉強をならった先生です。先生、パラミタにきてたですね」
「ヴァーナーちゃんがあいさつしてるのに、返さなかったので、むむむ、です」
「けど、そう言えば、先生、地球で病気になって、亡
美央は、しゃべりかけたヴァーナーの首を両手で、がたがたと乱暴に揺らす。
「言ったら、殺す。ヴァーナーちゃんが、お化けになります。言っちゃだめです」
提出者 セイ・グランドル
「俺の場合は親戚だったけどな。親しい人のとこにでてくる時は、幽霊もさびしいんじゃねぇのか。俺はそう思うぜ」
四十七 三十怪談の私は、一人ケンタッキーも平気になりました。
第四十八話 水遊び
武術部の深夜の特訓はランニングからはじまった。
美央の攻撃で、半失神したヴァーナーは舞台をおり、今度は童子華花があがってきて、美央の横を走っている。
「オラと美央ちゃんは、友達な。オラがいるから。落ちつけよ」
「新しいお友達は、うれしいです。むー。ヴァーナーちゃんが本当にお化けになったら、私は呪われてしまう」
「きゃあ」
華花が足を踏みはずし、道から川へ落ちた。
ばちゃん。
「えー。ハナちゃーん。ハナーちゃん」
美央は、あわてて叫ぶが、返事がない。美央は、あたふたと右へ行ったり、左へ行ったり。
ぽん。
背後から、誰かが美央の肩を叩く。
見知らぬ少女が立っていた。彼女は頷くと、川へと飛び込んだ。
華花を助けて、岸にあげると、少女はそのまま、川にもぐって、消えた。それを見た美央は、倒れた。
提出者 七尾蒼也
「あの時、川に消えたあの子と、俺は以前に夢で会っていたんだ。彼女とは、また、会うんだが、その話は、いつか機会があれば話すよ」
四十八 マンガ、映画の影響で、海上怪談官は、「海猿」と呼ばれることもある。
第四十九話 十字路
深夜のランニングでトップに躍りでたのは、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)だった。
ウォーミングアップをかねた軽いランニングなので、そんなにがんばらなくてもよいのだが、負けずきらいで、トレーニング好きなリカインは、全力疾走してしまったのである。
日中なら、人や車で混雑する空京繁華街のスクランブル交差点。しかし、いまここにはリカイン一人しかいなかった。何百、何千分の一の確率の瞬間だ。
他の参加者がくるのを待ちながら、リカインは交差点点の真ん中で、シャドウボクシングをはじめた。
しゅっ。しゅっ。
キュ。キュ。
リカインの息遣いと、アスファルトを踏む、スニーカーの音だけが響く。
遠くから地響きがきこえてきた。
轟音が迫ってきた。
四方の道路それぞれから、兵士達、馬、戦車などが押し寄せてきて、交差点は、時代も種族もごちゃ混ぜの戦場になった。
「誰の味方につけばいいのかしら」
混乱した戦場のただ中で、リカインが迷っているうちに、それらは叫び、戦い、消えた。
刹那の出来事だった。
「損した気分」
静けさの戻った交差点で、リカインはがっくりと肩を落とす。
提出者 比賀一
「知り合いから聞いた話だ。場所は、言えば誰でも知ってる空京のスクランブル交差点だ。数ヶ月に一度、ある時間帯にだけ、これが起きるらしい。度胸があるやつは、行ってみるのもいいかもな」
四十九 朝食のおかずは、フライパンに怪談を入れて、手早く、かき混ぜる。殻に注意してね。
第五十話 レスキュー
赤羽美央のパートナーの吸血鬼ジョセフ・テイラーは、他のみんなが道場についても戻ってこない美央を心配して、探しにいった。
美央は川原に倒れていた。
「幽霊でもみたデスカ。世話がかかりマース」
「・・・ジョセフ、ゆるすまじ」
抱えられた美央がうわ言をつぶやく。
道場の入り口につくと、ジョセフは美央をおろし、優しく頬を叩いた。美央が、まぶたを開ける。
「ミーは先に行ってマス。武術家は、自分の足で入ってくるデース」
ところが、ジョセフが中でいくら待っていても美央は、入ってこない。
武術部員の四方天唯乃が、心配しているジョセフに声をかけた。
「美央ちゃんなら、あなたが探しに行ってすぐに、警察から電話があって、パトロール中のおまわりさんが、川原で倒れているの保護したから、後でここまで送ってくれるって。だから、心配ないわよ」
「オー。とすると、さっきミーときた美央は。ハハハ、こんな事もありマース」
提出者 クロシェット・レーゲンボーゲン
「レポート提出者のクロがどっかへ逃ちまったんで、パートナーの俺、ヴェッセル・ハーミットフィールドが話すぜ。
これ、実話だ。ダンジョンで罠にかかって気絶した俺をクロが助けたって言ってんだけど、俺は翌朝までダンジョンで気を失って寝てたし、クロが助けたっていう俺も消えちまった。
なんなんだろうな。
ファタ。クロを探すの手伝ってくれよ。この教室からは、でてないはずだ」
五十 飛行機の各座席には、緊急怪談パックが常備されている。
第五十一話 愛好家
稽古で一汗かいた神野永太は、汗を流しにシャワー室へと。
「ふふふん、ふんふんふん。おー、ほんとにお湯がでるんですか。気持ちいいですよ。俺、ここで襲われるんですかねえ」
永太がシャワーを浴びている間、脱衣場では、半透明の、髭もじゃで、髪の長い、四十すぎくらいの、太った男が、扉のむこうの永太の姿、脱ぎたての下着に興奮し、永太のパンツによだれをたらしていた。
提出者 小豆沢もなか
「怖い話だよね〜。これ、昨日の夜、まつりんの部屋であった出来事なんだ。だから、まつりん、さっきのアリスのドロワーズをはいてた方が、きれいなんじゃないかな?」
「お、お、俺のいまはいてるパンツは、幽霊の、よだれ、まみれ」
パートナーのもなかの解説に驚く春夏秋冬真都里の左右の席の参加者が、真都里を避けるように、さっと身を離した。
「そんな目で、俺を見るな。みんな、俺を見るんじゃねえ!」
五十一 そんなことをする怪談は、本当のファンじゃありません。
第五十二話 殺してやる
パトカーで道場まで送られてきた赤羽美央は、道場内の宿泊室のベットで、一人、横になっていた。
ふとんを頭までかぶって、早くも怖がっている。
美央の背後で、気配がした。
「ひいいいい」
美央は振り返らずに、体を縮こませる。
「ころしてやる。ころしてやる。ころしてやる。ころしてやる」
耳をふさいでも、声は聞こえてきた。
美央を怖がらせるのを楽しむように、声はいつまでもいつまでも、続いた。
提出者 咲夜由宇
「美央さんを怖がらせようと思って、持ってきたお話です! 声だけのお化けなので、走れば逃げられます。その様子だと、美央さん、まだ、耐えられそうですね。次もありますです」
由宇はらしくない、黒い笑みを浮かべた。
五十二 カラオケのしすぎで怪談がかれた。
第五十三話 先輩の帯
美央は勇気を振り絞って、ベットを抜けだし、道場まで這っていった。
だが、道場には電気はついていたが、誰もいない。
「みんな、どこですか」
返事はない。
「うわっ」
物音がしたので振り返ると、バーベルレーニングをするスペースで、暗がりにしゃがんでいる人がいる。
背中しか見えないが、道着姿で、黄色い帯をしめていた。
「誰ですか」
美央が目をこすって見直すと、その人は消えていた。
「むむむむ」
「ただいまー。美央ちゃん、元気になった? 」
直立不動で硬直している美央に、外から帰ってきた四方天唯乃が、声をかける。唯乃は、涙ぐんでいた。
「今夜、特訓に参加するはずだった先輩が、道場にくる途中で事故にあってね。連絡があったの。いま、みんなで先輩のお家に行ってきたところ。あの、黄色い帯をしめた○○先輩。先輩、もう、二度と、道場に、これないわ。明日は、先輩のお葬式」
「きいろのおび」
「うん。バーベルトレーニングが好きで、そこでガンガン鍛えてたわね」
提出者 咲夜由宇
「先輩のご冥福をお祈りします。美央ちゃんもよく知ってる先輩です。いまでも、ちょくちょく道場に顔をだされるみたいです。もちろん、夜中に、黄色い帯をしめてですぅ」
五十三 怪談! 僕の頬を叩いてください。
第五十四話 揺れるおもい
美央は講義をリタイアして、由宇に連れられ、空京大学の医務室へ行った。
掃除用具ロッカーで発見された、クロシェット・レーゲンボーゲンは、ファタ・オルガナとヴェッセル・ハーミットフィールドに両脇をはさまれ、ステージに上がった。
「今度は自分を医務室送りにする気か。放せ。帰る。帰るのだよ」
「んふ。まったく、人のいやがることをやるとゾクゾクするのう」
「クロ。最後の試練だ。たぶん、な」
武術部の夜通し特訓も終り、参加者たちも引き上げ、がらんとした早朝の道場。
クロシェット、ファタ、ヴェッセルの前で、まるで誰かが叩いているように、天井から吊るされた特大サンドバックは、揺れていた。
ぱし。ぱし。
衝撃音を立てながら、サンドバックは見えない攻撃を受け、へこみ、揺れ続ける。
「うわーわーわー」
クロシェットだけがサンドバックよりも、うるさい。
提出者 四方天唯乃
「武術部では、有名な話だわ。前の話の先輩か、誰がやっているのか知らないけど、勝手に重いサンドバックが揺れるの。道場は人が集まる賑やかな場所だから、霊もきやすいのかな」
五十四 王者の連打に、挑戦者はもはや人間怪談状態です。
第五十五話 戦鬼
夜通し特訓の後、リカイン・フェルマータは、他流派の拳法道場に乗り込んだ。
武術部の特訓では、お腹いっぱいにならなかったので、他流派に出稽古、早い話が道場破りである。
「オレより強いやつに会いに行く! なんてね」
道場生、指導員、師範代、師範と、次々に組手を申し込むと、容赦なく叩きのめす。
「ごちそうさま。私には、あっさりすぎる味つけね」
一軒終わればまた一軒、数軒の道場をはしごした後、リカインはようやく歯ごたえのある相手にめぐりあった。
素手では、リカインにかなわぬと悟った道場主が、日本刀を持ちだし、弟子たちと一緒に襲いかかってきたのだ。
「ケンカ上等。おいしくいただくわ」
モデル並みの美貌に、晴れやかな笑みを浮かべて、リカインは、白刃の群れに飛び込んでいった。
提出者 キュー・ディスティン(きゅー・でぃすてぃん)
「我は、リカのあの笑みをみせつられた側だ。怖ろしかった。戦いの場で、恐怖を感じたのは、後にも先にもあの一度だけだ。我とリカは一対一で相対したのだが、この戦闘狂の少女は、ドラゴニュートの我とむきあいながら、恐怖を楽しみ、苦境を楽しみ、戦いのすべてを」
「なんだか、私がバカみたいに聞こえるんですけど、気のせいかしらッ」
リカインが笑顔で放った上段回し蹴りを、パートナーのキューは上体をそらし、鼻先寸前でかわす。
五十五 世紀末覇者怪談
第五十六話 せんじょう
「今度は川原なのね。また闘えるのかしら」
小川のせせらぎと草木の緑、リカインは、穏やかな自然の中を歩いていた。
川べりにたたずむ、かわいらしいタヌキのようなあの生物は?
「あら。アライグマじゃない。名前の通りなんか洗ってるのね。果物かな」
近寄って、アライグマの手元を覗きこみ、さすがのリカもぎょっとした。アライグマが洗っていたのは、人間の生首だった。髑髏になるまで、きれいに洗うつもりなのだろうか。
ジャタの森に住む、アライグマ裸SKULL。
提出者 アストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)
「一部で有名な噂だけどな。むかーしの人気キャラクターに引っかけた名前らしいぜ。
バカ女で、脳ミソ筋肉のあんたは、意味わかんねーだろ。
フライシャー教授。怖い話ってのもたくさんあるけどよ。やっぱ一番、怖いのは生きてる人間だと思うぜ。
そん中でもやべえのは、口より手が先にでる俺のパートーナーみたいな」
すべて言い終わる前に、飛びかかってきたリカインから逃げて、アストライトは講義準備室へ。
とっさに室内へ逃げこもうとして、ドアのところにいる霧雨透乃に押し戻され、尻餅をついた。
「ここは、入っちゃダメだよ。教授が言ったよね」
「立派なこと言ってるけど、まず、いま床に倒した私のパートナーに謝ってくれないかな」
リカインが透乃の前にきた。
「なんで謝るの。倒されて当然だよ。入ろうとしたから、悪いんだよ」
「それはつまり、自分の気に入らなければ、力で排除してもオッケーって意味かしら」
言うが早いか、リカインは透乃に殴りかかり、透乃もそれを避けて、反撃する。リカインもまた身をかわし、二人は拳を構えてむきあった。
「あなたをのばせば、ここに入っても文句なしなのよね」
「私は負けないよ」
腕におぼえのある者同士、お互いに一歩も引かない。
「リカインくん。霧雨くん。二人とも、席に戻りなさい」
教授の注意にも、二人は動かない。
「チエストー!! みんなの味方、ウルトラニャンコ参上! 空手の道を歩くネコとして、提案がある二ャ。ここは、教室二ャ。試合は、武道場で、正々堂々するニヤ」
二人の間にはいった空手ニャンコ、超娘子は、さらに教授にも提案する。
「ニャンコが立会い人になって二人と武道場に行くニャ。憤る気持ちをおさえられないこの二人は、言葉より拳で語り合うタイプニャ」
教授は、黙っている。
「私はここでもいいんだけど。それより、あなた、道場にくる度胸あるの?」
「陽子ちゃん。ちょっといってくるから、こっちは頼んだよ」
「さあ、行くニャ。講義中に失礼したニャ」
リカイン、透乃、超娘子の三人は、教室をでていった。
五十六 田舎では怪談の被害にあわないために、農地にネットや電気柵を設置している。
第五十七話 教室のジャン
いきなりのバイオレンスな展開に、教室には殺伐とした空気が漂っていた。そこへ。
シャンシャンシャンシャンシャン。
怪音が響いた。姿の見えないなにかが、鈴を鳴らしながら、教室内の中空を駆けまわっているようだ。
音は、すぐにおさまったが、予定外のトラブルの連続に、参加者たちは騒然としている。
講義は一時中断され、教授は教室の蛍光灯をつけた。
「いまのは心霊現象だよ。百物語は、順調に成果をあげてる。教授、やめたりしませんよね。この調子で終りまでいけば、すっごいやつがくるかもしれませんよ」
「キシャシャシャシャシャ。召喚された魔物で、今日で世界が終わるかもな」
マイクを使って、はしゃいで話すのは、ニコ・オールドワンドと、パートナーのナイン・ブラックだ。
「僕が解説しようか。あれが、なにかといえば、ジャンだよ。「今昔物語」っていう日本の古い書物にでてくる怪異なんだけどね、心霊が引き起こす、宙を走る怪音さ。今日は、めずらしいものがいろいろ体験できて、うれしいなあ。教授、早く灯り消してくださいよ。怪談の続きですよ。続き」
五十七 怪談の音がすると、猫が帰ってきたって、わかるの。
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