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聖服機甲バスガイガー!

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聖服機甲バスガイガー!

リアクション

「団長、敵が来ました」 
 バスから降りて周囲を警戒していたバスガイガーのルカルカ・ルー(るかるか・るー)が運転席に座る金 鋭峰(じん・るいふぉん)へと声をかける。
「ジンと呼べと言っている」
「あ……」
「まぁ良い。数は?」
「二人です」
「バスには近づけるな。そちらの首尾はどうだ?」
 鋭峰はバス内で怪我人の治療をしているダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)に声をかける。
「たいした怪我ではないからすぐ終わります」
 何とかモヒカン達を振り切り離脱したものの、観光客の何人かが怪我をしていた。
「すまない。私のミスだ」
「ジンは悪くないわ。ルカがもっと気をつけていれば……」
「二人とも、反省する前に目の前の敵を倒してくれ」
「あ、うん」
 ルカルカは、頷き、バスから降りてやってくる敵と対立する。
「見つけたぞ、バスガイガー」
 ルカルカと対峙したのはエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)ロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)
「我が名は刃守凱我亜……だが今はブラックバスガイガー。全力で戦おうではないか!」
 そう叫ぶマルトリッツ。後ろではエッカートがぺこぺこと頭を下げていた。
「全力で戦ってあげるけど、乗客には危害を加えないでくれるかな?」
「もちろんだ。約束しよう」
「なら、勝負だよ!」
 返事を聞いたルカルカはすばやく二丁銃を取り出し乱射する。
「当たらないぞ!」
 マルトリッツはスキル「ドラゴンアーツ」の動きを活かし悠々と回避する。そしてそのまま、ルカルカとの距離を詰める。
「はぁっ!」
「……っ!」
 懐に入ったマルトリッツのパンチをすんでのところで回避するルカルカ。そして再び距離をとり銃を乱射。
「それは当たらないと言っているだろう!」
 同じように回避しながら接近するマルトリッツ。
「そこだっ!」
「甘いよ!」
 見越していたとばかりにルカルカは接近してきたマルトリッツにスキル「疾風突き」の要領で蹴りを繰り出す。
「ぐっ!」
 避けられず命中するがなんとか耐えきる。
「まだまだ!」
「きゃっ!」
 耐え切ったマルトリッツは、片足を突き出して無防備な状態のルカルカへとパンチを叩き込む。吹っ飛ばされるものの体勢を立て直すルカルカ。
「ふぅ、やるね」
「そちらこそな。エッカート! 行くぞ!」
「ごめんね。乗り気じゃないんだけど……行くよ!」
 エヴァルトの合図と共に待機していたエッカートが行動を開始する。
「っ!」
 交互に攻撃してくる二人をドラゴンアーツを利用して回避するが、完全に防戦一方になってしまうルカルカ。
「そこだ!」
 マルトリッツのパンチを銃で防ぎ、その間に距離をとる。
「ちょっと、不利かな……」
「ふん、助けてやろう。パワードレーザー発射!」
 鋭峰はバスに搭載していたパワードレーザーを射出する。
「なにっ!」
「うわっ!」
 いきなりのバスからの射撃に驚きつつもギリギリで回避する二人。
「このぉ!」
 エッカートはすぐさま攻撃に転進。ルカルカへと迫る。
「それはやらせないぞ」
 ダリルがスタンガンを手に迫るエッカートの前に立ち、エッカートへとスタンガンを振るう。
「うっ……」
 エッカートはすぐさまバックステップで距離をとる。
「ダリル! 怪我人は?」
「全員治療が終わった。安静にしてれば問題はない。それよりもこいつらの相手が先だ」
「だね。行くよ!」
 ルカルカは銃でけん制しつつ間合いを詰めて接近技を繰り出す。ダリルはその動きに合わせるように動き攻撃を加えていき、鋭峰はバスよりパワードレーザーによる援護射撃を繰り出す。
「えいっ!」
「きゃぁっ!」
 ルカルカの蹴りがエッカートに命中し、吹き飛ばす。
「よくもっ!」
「させるかっ!」
 マルトリッツががら空きなルカルカめがけてパンチを繰り出すがダリルが防御。
「食らうが良い。パワードレーザー発射!」
 そこに鋭峰によるレーザー射出。
「ぐわぁぁ!」
 回避できず直撃するマルトリッツ。
「ありがとうダリル。ジンもさすがね」
「気にするな」
「ふん、当然だ」
「ふっ……、やるじゃないか!」
 レーザーに直撃したもののまだ立ち上がるマルトリッツ。
「良いだろ! 俺の必殺技を受けてみろ! アルティマ――ぐはっ!」
 必殺技を出そうとしたマルトリッツが殴り倒される。そんなマルトリッツの後ろにいたのは、エッカート。
「もうっ! そんなに他人に迷惑かけてどうするの! ちょっとはやらせたほうが良いかなって援護したけどいい加減にしてよね!」
「俺はただバスガイガーの募集要項を……」
「ただも何もないの! ほら帰るよ! うちの地球人バカ代表が迷惑かけて、本当にごめんなさい!」
 そしてエッカートの襟首を掴み、そのまま引きずるように連れて行く。
「誕生! 無敵の素敵なお仕事ぼくらのバスガイド! バッバッバッバッバスガイガー……」
 マルトリッツは寂しそうに歌いながら引きずられていった。
「……えっと、とりあえず勝ちかな?」
「そういうことだろう。ルカルカ、良くやった」
「い、いえ! ジンとダリルの援護なかったらルカなんて……」
「謙遜するな。十分な働きだったぞ」
「えへへ、そうかな」
「うむ。では私達も行くとしよう」
 少し呆気に取られていたルカルカ達もバスに引き上げその場を後にした。