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リアクション
●リサイクルって大事だよ。
魔法は発想次第で色々な使い方ができる。生活に根ざしたものから、破壊活動まで様々だ。
カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)たちは、今回引いたゴーレムを一切傷つけずに、文字だけを削る倒し方をしようと思った。
引いたゴーレムはウッドゴーレムだ。火術や雷術を使うと、簡単に燃えてしまう。だからこそ、考える。
ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)もその考えに同意しチームを組んだ。お互いのパートナーたちも一緒だ。
実力的に考えれば、ウッドゴーレムは余裕で倒してしまう。だからこそ、こういう挑戦的な物が思い浮かぶのだろう。
まずはウッドゴーレムの動きの観察から。
物陰に隠れて、どのように行動するのかを伺う。
他の迷宮を探索している生徒を見て、ウッドゴーレムの行動を把握する。
大体直進的に対象を見つけ次第攻撃を仕掛けてくる。
知能的には目の前の敵をただひたすら追いかける、という程度の知能しかないようだ。
「ご、ご主人、後ろ!」
雪国ベア(ゆきぐに・べあ)が、ソアに注意を促す。
ソアが後ろを向くと、突進してくるウッドゴーレムがいた。
しかし、それは一枚の氷の壁に阻まれた。
「危ないところだったな」
ジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)が、氷術で通路自体を封鎖しウッドゴーレムの動きを阻害したようだった。
そしてジュレールはレールガンをウッドゴーレムに向けて構えるが、
「今日は狭い所での授業ゆえ、レールガンは使うべきではないか……」
残念そうにレールガンをおろした。
「ボクたちにとってウッドゴーレムは力不足だけど、やっぱり最初相談した時みたいに傷を付けずに倒そうよ」
カレンが、氷の壁を殴り続けているウッドゴーレムを見て、そういった。
「そうですね。大体の行動原理も分かりましたし。狭い通路に誘い込んで倒してしまいましょう」
そして、氷の壁が割れる。
「それじゃあ、いくよ!」
カレンの号令とともに、散開し魔法を使って誘導。
細道まで入り、行き止まりまで逃げる振りをする。
その間に、脇道にそれる道筋をそれぞれにソアとベアが入り込むのを確認したところで、ジュレールが氷術で封鎖。
薄い氷の壁越しに、カレンが火術でウッドゴーレムを牽制しつつじりじりと追い詰められている振りする。
そして、カレンの背中が壁に当たったところで
「今だ!」
ジュレールの号令とともに、
「行きます!」
ソアが火術で通路をふさいでいた氷の壁を破壊。
ベアが飛び出し、ウッドゴーレムの文字を削る。
うまく連携が機能し、ウッドゴーレムは機能停止した。
目標に掲げたウッドゴーレムに傷を一切つけないということもしっかりできている。
4人は、ちゃんとできたことが嬉しく、ハイタッチを交わしていた。
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