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リアクション
●一緒に頑張ろう!
ダイスを振り終え、出た目に関谷未憂(せきや・みゆう)はほっと胸をなでおろした。
引いたゴーレムは平均的な能力を持つブロンズゴーレムだ。
「頑張ろうね!」
未憂はパートナーのリン・リーファ(りん・りーふぁ)とプリム・フラアリー(ぷりむ・ふらありー)にそれぞれ声をかけた。
そうして迷宮内へと入っていく。
課題のブロンズゴーレムはすぐに見つかった。
「よし……!」
未憂は改めて課題の内容を思い出す。
ゴーレムの破壊もしくは、ゴーレムのどこかに刻まれている【emeth】の【e】を削り、【meth】にすること。
飛び出し、ブロンズゴーレムの気を引く。
まずは行動パターンの観察からだ。
ブロンズゴーレムの攻撃をぎりぎりまで引き付けて避ける。
一応念のために持ち込んだ武装アイテムもあるが、事前の注意で使用は禁止されている。
純粋に自分が持つ魔法だけで倒して見せろということなのだろうと、彼女は思った。
だからこそ、
「リン、お願い!」
パートナーと力を合わせて戦う。
「オッケー!」
リンは闇術でブロンズゴーレムの視界を奪う。
濃度の高い黒い霧がブロンズゴーレムを多い、ダメージとともに視界を奪うことに成功した。
「…………」
プリムも無言ながら、氷術でブロンズゴーレムの足元を狙う。
地面を凍結させることには成功するが、動きを縫いとめるところまでは行かない。
視界を覆っていた闇も解け、ブロンズゴーレムがリンを襲う。
ゴウッと風斬り音を耳にし、リンは何とかブロンズゴーレムの攻撃を回避した。
「あ、あっぶなぁ!」
「……だいじょうぶ?」
プリムがリンの心配をする。リンは首を大きく振って自分は元気だということをアピールする。
「こんのー!」
雷術をまとわせた魔導弓でブロンズゴーレムを威嚇した。
その間に、未憂はギャザリングヘクスで自身を強化。その後、光術でブロンズゴーレムの気を引く。
未憂はブロンズゴーレムの動きを把握し始めていた。
簡単なことで、最後に攻撃した人を狙う。しかし動きを阻害されたくらいでは、攻撃の対象にはならない。
だから、プリムは攻撃されずに、リンが攻撃された。
そして動き回ったおかげで、デコボコになって足場がとても悪くなっている場所まで誘い込むことに成功した。
それはクレーターのようになっており、辺りには木片が散らばっていたりと誰かが派手に魔法を使った後が見られた。
(ここなら!)
未憂はリンとプリム、2人と視線を交わす。
流石パートナー同士だ。それだけで何をしたいのか理解できたらしい。
「いくよ!」
ブロンズゴーレムが足を上げ、一歩踏み出そうする。
そこを狙って、未憂とリンがギャザリングヘクスで自身の魔法攻撃力を強化し、氷術でブロンズゴーレムの着地点を凍結させた。
威力の向上した、氷術はブロンズゴーレムを転ばせることに成功。
そこに、今度はリンと変わってプリムが未憂と一緒に、ブロンズゴーレムを氷術で縫いとめる。
「見つけた!」
リンがどうやら、刻まれた【emeth】の文字を見つけたようで、雷術をまとわせた魔導弓で【e】の文字を狙う。
しっかりと狙いを付け、限界まで弓の弦を引き絞る。
バチバチと電気の爆ぜる音を耳にしながら、リンは矢を放つ。
そして、文字に雷術を纏わせた矢が命中すると、縫いとめられていた氷から抜け出そうともがいていたブロンズゴーレムはぱったりと動かなくなった。
「やった!」
未憂がプリムを抱きしめる。
力を合わせた結果、ブロンズゴーレムを倒せた。それだけでもとても嬉しいことだ。
プリムも達成感に表情を崩している。
「二人ともありがとう!」
未憂はリンとプリムに一緒に戦ってくれたことに対するお礼を言って、3人一緒に迷宮を抜け出すのだった。
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