校長室
十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別
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第三十二篇:赤城 花音×フィリップ・ベレッタ×ルーレン・ザンスカール 「ルーレンさんは、フィリポのことをどう思ってるの?」 日常の柔らかな朝食タイム。 オリーブオイルでレタスを炒めて、塩と黒コショウで味付け。バジルをまぶしたスクランブルエッグに、ケチャップを少し。 トーストにバターを塗って、カフェオレをが並ぶ、そんな理想的な朝食タイムの一つと言える風景が広がるダイニングで、赤城 花音(あかぎ・かのん)はルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)に問いかけた。 唐突な質問にルーレンは勿論、隣に座っていたフィリップも驚く。 だが、すぐにルーレンは落ち着きを取り戻し、真面目な顔になると、真摯な声で答えた。 「わたくしにとって、大切な人ですわ」 ルーレンと同じく真面目な顔と真摯な物腰で聞き終えた花音は、ルーレンが口を閉じたのを見届けると、ふっと柔らかく微笑んだ。「そっか。それじゃ、改めてボクとルーレンさんはライバルだねっ!」 にっと笑って言う花音。同じく微笑んだルーレンに花音は更に言った。 「ボクにとってもフィリポは大切な人! だから正々堂々勝負、だねっ!」 ルーレンも花音と同じく、柔らかな微笑みを浮かべ、形の良い唇を動かす。 「ええ。正々堂々、勝負いたしましょう」 二人の間に流れる空気が暖かなものになったのを感じ、フィリップは口を開いた。 「それじゃ、食べましょうよ。早くしないと冷めてしまいますし」 その言葉を合図に、三人は朝食に手をつけた。 「フィリポ、あごチャップついてるよっ!」 フィリップの顎についたケチャップを拭き取ってやる花音。それを見てルーレンはくすりと笑う。 「まるでお嫁さんですわね」 その言葉に花音はもう一度、にっと笑うと、ルーレンに言った。 「えへへ♪ しっかりとお見送りできる!お嫁さんになりたいな♪」 楽しい食事が進んでいく中、花音はフィリップへと優しく語りかけた。 「ボクは…フィリポが想う事を、フィリポなりに立ち向かってもらえれば良いよ。上手くフォローしていけるのが…ボクの理想かな? 大丈夫。巻き込まれ体質はやりがいもあるからっ!」 その言葉に、フィリップは花音をじっと見つめる。 「花音さん……」 名前を呼ばれた花音は柔らかく微笑むと、再び優しげな声でフィリップに言った。 「そう言えば…フィリポの夢って……具体的な話しは聞いてないよね? 聞かせてもらえたら!嬉しいな♪ いつかフィリポも気持ちを決める時が来る……。その為に……みんな頑張れると思うよ?」