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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別

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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別
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第三十篇:火村 加夜×山葉 涼司
「姫、私のそばを離れぬよう!」
 火村 加夜(ひむら・かや)の手を引きながら、山葉 涼司(やまは・りょうじ)は山道を駆けていく。
 背後に迫るは敵国の兵。それから逃げるは手を繋いで後ろを気にしながら走る姫と騎士だ。
 疲労と不安で顔色が悪い姫を気遣いながら、騎士は少し速度を落とした。姫は足をひねって痛みがあることを内緒にしていたが、痛みがひどくなってきて、隠し通せそうにもなくなってきた。
 敵に捕まれば殺されるかもしれないが、このまま足手まといにはなりたくないからここに残ると伝え、姫は足を止める。
 騎士は命に代えても守り抜くと誓い、姫を木の陰に隠すと追いついた敵と剣を構え対峙する。
「姫、この身命に代えても、貴方を守ります」
 なんとか傷を負いながらも倒せたものの、まだ後ろから追っ手が来ており、騎士は姫をお姫様だっこしながら逃げる事に。
 驚きつつ姫は騎士が足をひねった事に気付いている事を知る。しさが嬉しくてぎゅっと抱きしめると、騎士も照れた表情で動揺が。「もし生きていたら、このまま知らない国で住みませんか? すぐには国に帰れませんし、貴方が一緒ならとても心強いですもの。あっ、子供を連れて国に帰るのもいいかもしれませんね」
 照れた表情でさらりと言ってしまう姫に、騎士は流石に耳まで赤くなり走りながら足元をふらつかせる。
 そして、騎士は一生守ると誓い、姫は笑顔を返した。