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リアクション
外からの連絡を受けて霊廟の外に向かう何人かの契約者たち。
その様子を目にしたMは、眉をひそめた。
「……逃げた? それとも、こちらの動きに気づいたか?」
「放っては置けないですね」
朱鷺の言葉に答えるより早く、Mが契約者たちを止めようと動き出す。
だが、ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)の放った神威の矢がそんなMの動きを阻むように足へと突き刺さる。
「いまです、美羽さん!」
「うん、まかせて!」
ベアトリーチェの声に、幸せの歌をうたっていた小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が答えた。
そんな彼女は、歌に反応して装着者に力を与えるレゾナント・アームズからパワーをもらい、動きの鈍ったMへと跳躍する。
「やあああッ!」
気合の入った叫びと共に美羽の拳がMへと伸びる。
そしてその拳がMの体に触れた瞬間に、彼女は雷術を放った。
至近距離から放たれた雷術とレゾナント・アームズの力を得た一撃の合わせ技に、Mは大きく後ろへと吹き飛ばされる。
だがその体を後ろにいた朱鷺が受け止めた。
「ひとりで先走るのはよくないのです」
「……くっ!」
「ケッ、戦えねぇヤツは後ろにいるんだなァッ!」
と、鍬次郎と回復したハツネがMと朱鷺の横を通り過ぎ、エンヘドゥたちの元へ向かう。
そんなふたりの前に、美羽とベアトリーチェが立ち塞がる。
「いかせないよ!」
「邪魔だァ!!」
それを見た鍬次郎は、大和守安定を振り回し真空斬りを連続で放つ。
見えない刃に斬り刻まれ、ふたりは後退った。
「――ブリーザド!」
と、昂翼のアネモイを羽ばたかせ空を舞っていたレイカ・スオウ(れいか・すおう)が、上空から魔術攻撃を繰り出した。
その攻撃に鍬次郎とハツネは足を止める。
「エンヘドゥさんたちの邪魔はさせません」
「ハツネ、行け!」
「わかったの」
ハツネは光学迷彩でその姿を消すと、エンヘドゥの元へと向かう。
そして鍬次郎は上空のレイカを睨みつけると、再び真空斬りを連続で放った。
「……ウィアードファウンデーションは、私が止めます!」
魔術の反動で感覚が鈍くなり、痛みを知らぬ躯となってきているレイカは、体を斬り刻む真空の刃でその血を流しても、歯を食いしばって前に進む。
「モレク・グファー!」
と、レイカが叫んだ。
すると鍬次郎の後ろに全身を紫色のローブで包み込んだレイスがぼうっと浮き上がる。
そして怪物を思わせる異形の腕で鍬次郎を抱き込んだ。
「――ッ、なにしやがるッ!?」
「これで躱すことはできませんよね」
「!?」
紅い魔眼を光らせてレイカは手にしていた2連ショットガン”シャホル・セラフ”のフォアエンドを押し下げた。
そして銃口を鍬次郎へと向け、至近距離から強力なブリザードを撃ち放つ。
その凄まじい衝撃に鍬次郎とレイカは吹き飛び、モレク・グファーの姿も掻き消えた。
(エンヘドゥお姉ちゃんまでもう少しなの)
ハツネはダガータランチュラを取り出してエンヘドゥに迫る。
「敵がいるわね。でも、どこ?」
そんなハツネの殺意に気がついたリーラ・タイルヒュンは周囲を見回す。
しかし、その姿は見えない。
「気をつけて目の前にいるわ!」
と、ホークアイを使ってハツネの姿を捉えたリネン・エルフトが叫ぶ。
その声を聞いたリーラは両肩にある龍の首――ドラゴニックアームズの口を開いて、前方に火炎放射を放つ。
その炎に飲まれたハツネは、思わず光学迷彩を解いた。
「姿が見えれば、こっちのものよ!」
そういって飛び出したのは緋王 輝夜(ひおう・かぐや)。
彼女はドッペルゴーストとミラージュを使って複数の分身を生み出すと、ハツネの周囲を囲む。
「ソックリさんがいっぱい……でも、みんな吹き飛ばせばいいの♪」
クスクスと笑うハツネはカタクリズムを発動して、輝夜たちを吹き飛ばす。
だが掻き消えたのはすべて幻影であり、本人はそこにいなかった。
「残念ね、こっちよ!」
ハツネの死角から現れた輝夜は不可視の爪を振るって攻撃する。
「ククク…終わり…です」
と、そこへ追い討ちをかけるように、巨大斧・要塞崩しを振り下ろしたネームレス・ミスト(ねーむれす・みすと)が現れた。
だが、超感覚でそれを察知したハツネは、なんとか後ろへと飛び退ってその攻撃をかわす。
ネームレスは大地を砕くに終わった要塞崩しを引き抜くと、自身の纏う瘴気から多数の獣を生み出した。
「我らは…壁…。何モノをも…寄せ付けぬ…不滅の壁……」
その獣たちと共に並び、ネームレスは敵の行く手を阻む。
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