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リアクション
「――ハツネ!?」
と、倒れたハツネの姿を見た大石鍬次郎は、戦っていた契約者を払いのけるとすぐさま彼女の側へと駆け寄った。
ハツネは自分から流れる鮮血を見て笑う。
「私でも……血は赤いの」
「ケッ、まだ大丈夫そうだな」
鍬次郎はハツネを抱えると、自分たちの後方支援をしていたアルミナの元へハツネを連れて行こうと動き出す。
そんな鍬次郎をサポートして、Mが契約者たちに真空波を放った。
「……早く連れて行け。戦えないモノは邪魔になる」
「礼は言わないぜ」
鍬次郎はMにそういうと、後ろへと下がっていく。
「そこの美人のお姉さん、アンタがMか……」
と、蔵部 食人(くらべ・はみと)がそういってMの前に現れた。
「……だとしたら、何?」
「そうか、やっぱりMか。”M”なのか」
「?」
「いや、人の嗜好にとやかく言えた義理じゃないが……うん。アンタみたいな美人さんが虐められるのが好きな変態さんだなんて残ね――んうわぁッ!?」
食人はサイコキネシスを受けて後ろへと吹き飛ぶ。
「ふッ、不意打ちとは卑怯だぞ!」
「……おまえのようなヤツは嫌いだ」
ガーン、とショックを受ける食人。
と、そんな食人の後ろから、ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)が飛び出してきた。
「テメェだけは仕留めてやんよッ!」
ラルクは一気にMとの距離を縮めると、拳を連続で突き出す。
Mはその攻撃を後退りながらかわし、最後は横に飛ぶように逃れた。
「逃がすかよォッ!!」
だがそれを見たラルクは、逃れたMを逃がすまいと回し蹴りを放つ。
避けきれないと判断したMは、サイコシールドを展開してそれを受けた。
拳聖ラルクの精気を吸って闘気を放つ滅殺脚と、Mの念動力が展開するシールドがせめぎ合い、ふたつの力が接触している場所からは激しい火花を生じる。
「援護しますよ、セルファ!」
「わかったわ、真人!」
と、御凪 真人(みなぎ・まこと)とセルファ・オルドリン(せるふぁ・おるどりん)が呼吸を合わせて動き出した。
「覚悟なさい!」
そういって、バーストダッシュでMへと向かうセルファ。
だが、そんな彼女の前に刹那が姿を現す。
「Mはやらせぬのじゃ!」
「邪魔しないでよ!」
セルファは手にしていた黎明槍デイブレイクを稲妻のように素早く突き出した。
刹那はその攻撃を歴戦の防御術で捌く。だがそこへ、真人が放った雷が襲い掛かった。
雷は直撃しなかったものの、リズムを崩されてしまった刹那。
そんな彼女の隙をつき、セルファがライトニングランスの2撃目を放つ。
「ぬわっ!?」
刹那はその攻撃を防御しきれずに、槍の一撃を受けた。
「トドメです!」
オーバークロックを使用してその思考加速状態となっている真人は、素早い詠唱と召喚獣を呼び出すのに最適化された魔術式を描く行為を同時に行う。
そして多数の召喚獣を一挙に呼び出し、それを刹那へと向かわせる。
「――カッ!」
だが、そんな召喚獣たちに毒蜂たちが纏わりつき、忍び蚕の強靭な糸が彼らを縛りあげる。
見れば、その体から闇の瘴気を立ち昇らせる葛葉が刹那の前に立っていた。
先ほどまで瓦礫の中に埋もれていた彼女は、服についた埃を払うと口元に笑みを浮かべる。
「くっ、また君か……!」
「先ほどはだいぶやられましたからね。お礼をさせていただきますよ」
「そっちがその気ならかかってきなさい! やってやるわよ!」
真人とセルファは武器を構える。
そして葛葉と起き上がった刹那も武器を構えた。
両者は視線を合わせると、どちらからともなく床を蹴って相手に向かっていく。
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