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『C』 ~Crisis of the Contractors~(前編)

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『C』 ~Crisis of the Contractors~(前編)

リアクション

「確か、保健室ってはなしだったよな……」
 サーシャ姉弟が保健室に行ったという話しを聞いて、保健室に向かっていた柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)
「せっかくだし少しでも話せれば良いんだが……」
「……お?」
 その恭也の前からやってきたレイ。
「ん? おまえは確か……西枝レイか」
「うん、そうだよー。あなたは?」
「柊恭也だ」
「恭也ね。どこ行くところ?」
「サーシャ姉弟が保健室にいるって話を聞いてな。少し話が出来ればと思って行こうとしていたところだ」
「ふぅん。でもなんで保健室?」
「さぁな。怪我でもしたんじゃないか?」
「む、それは気になるね。よし、あたしも行く。本当に怪我だったら心配だもんね」
「ん、そうか」
「お、やっぱり西枝か」
 会話している二人の元にやってきた世納 修也(せのう・しゅうや)
「おや? 誰かと思えば修也じゃない。一年ぐらいになるのかな。元気してた?」
「もちろんだ。そっちこそ元気にしてたか?」
「まぁ、見ての通りだよ」
「なんだ、おまえら知り合いだったのか」
「あぁ、少し前にちょっとな」
「修也ー! 急に走っていくからビックリしたよ……」
 後から走ってきたルエラ・アークライト(るえら・あーくらいと)
「あぁ、ルエラ。彼女の名前は西枝レイ。この一年で論文を二十本発表して、うち五本認められて博士号を取った神童だ」
「へぇ、西枝さんって言うんだ。ボクはルエラ・アークライト。よろしくー」
「よろしく」
「それで西枝は何でここにいるんだ?」
「あたしはオブザーバーとして来てるんだよ。生徒のあなた達と違って偉いんだからね!」
「それは、もしかして邪魔したか?」
「いや、いま別に。ね、恭也」
「保健室に向かう途中なだけだからな」
「保健室? 怪我でもしたのか?」
「いや、サーシャ姉弟に会いに行こうとしていたところだ」
「僕たちがどうかなさいましたか?」
 通りかかったサーシャ姉弟。
「今日はやけに人と出会うな」
「皆さんお揃いで。僕たちに会いに行こうとしていたと聞こえましたが?」
「あぁ、俺は天御柱所属の柊恭也だ。どうぞよろしく。仲良くしてくれるとありがたいな」
「はい、恭也さんですね。よろしくお願いします」
「……よろしく、です」
「お二人さんと少し話がしたいと思ってな。保健室にいるって話を聞いて行こうとしていたところだったんだ。その途中でこいつらと会ったってところだな」
「そうだったんですか」
「そういえば、保健室に行ってたらしいけど、怪我したの?」
「あ、レイさん。いえ、僕たちが怪我したというわけではなくて、先ほど模擬戦を行った際に、せつなさんがちょと擦り傷をしてしまいまして、様子を見に保健室に行っていただけです。せつなさんの怪我も大したことはなかったので、お先に失礼してきたところです」
「……(こくこく)」
「そうだったんだ。でも、大したことはなくてよかったよ」
「はい。それでそちらの方は?」
「おっと、そういえば自己紹介がまだだったな。俺は世納修也。こっちはルエラだ」
「ルエラ・アークライトです。よろしくー」
「よろしくお願いします。僕はミーシャ。こちらは姉のサーシャです。そういえば、僕たちとお話したかったのですね? 場所を移しましょうか?」
「お、それもそうだな」
「修也も行くでしょ? せっかく久しぶりに会ったんだし少し話したいし」
「良いのか? それはこちらとしても助かるが」
「せっかくだかもん、少し話しようよ」
「それじゃあ、行きましょう」
「……(にこにこ)」
 なんだかんだで全員揃って雑談室へと向かったのだった。