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対決、狂気かるた!

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対決、狂気かるた!

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復活するのはだれ?

「ただいまより、敗者復活戦を開始します。敗者復活戦 1回戦目は、男の子の 体のヒミツ! リカインさん対イルミンスールかるた会 ルイさんです。前に出て下さい」

 第一試合と同様、カルタの位置を絵として把握したルイが、一直線に札を目指し取りにいく。
 対するリカインは河馬吸虎で札を弾いて行く。

「うぎゃおうううおいおえ」

 変な悲鳴が聴こえてくるが、リカインはそれを無視している。

 そして最後は、ルイが鍛えた筋肉が萎んでいく幻覚を見て、嘆き悲しみだした。

「私の……私の鍛えたマッスルがぁぁ!」

その場で必死な表情で猛烈トレーニングを開始するルイ。

「敗者復活戦 2回戦目。イルミンスールかるた会 吹雪さん対自称年中ハロウィンチーム 煙さん。前に出て下さい」
「お、もう敗者復活ッスか」
「良雄さん。お帰りなさい」

 休憩から戻って来た良雄は、加夜の近くに腰を下ろした。

「ちょっとゆっくりしすぎてしまったッスかね」
「まだ、もう少し時間がありますよ。確か第二試合からですよね?」
「分かってるッス」
「あと2試合分は休めますから。喉をしっかり整えて下さい」

 加夜はそう言って、喉飴を渡した。
 それを良雄が噛み砕いて飲み込んだ頃には、会場では吹雪が発狂しだしていた。

「クトゥルフの化身、御人良雄! 覚悟するであります!!」

 神卸しで邪神を降臨させていた吹雪は、更なる心理に近づく為に良雄に襲いかかって来る。

「御人良雄! あなたを倒してその力、自分がいただくのです!!」

 襲いかかって来た吹雪に超感覚と行動予測でそれを避けた加夜。
 
「どひゃあ!?」
 
 良雄も転がりまわっているだけのように見えるが、吹雪の攻撃をしっかりと避けていく。

「逃げないのです!」
「まったく……困ったものじゃのう。とは言え、出来る事は……狂気を此処より外に、出さぬ様にする事だけじゃな」

 暴れている吹雪の元へ近づくのは救護班の分御魂の【分御魂】 天之御中主大神(わけみたま・あめのみなかのぬしのかみ)【分御魂】 高御産巣日大神(わけみたま・たかみむすびのかみ)【分御魂】 神産巣日大神(わけみたま・かみむすびのかみ)たち。
 それぞれ神降ろしで荒れ狂う狂気を払いながら吹雪を捕まえる。

「正気を保て、異質な思考を拒絶しろ……それらは、此処では狂気と呼ばれる類のものだ」
「彼らは彼らなりに正常なのよ、ただ……人、この日常にとっては異質過ぎるだけの事だわ」

 救護室へ消えていった分御魂たちを見て、倒れていた椅子を直し実況を再開する加夜。

「えー司会席への乱入もありましたが、続いては敗者復活戦 3回戦目。イルミンスールかるた会 バンさん対海京かるた会 コハクさん。前に出て下さい」

 封印解凍とヒールのコンボでガンガン攻めていくバン。
 それになんとか喰らいついて行く形でゴッドスピードと記憶術を駆使していくコハク。

「あそこに見えるのは……邪神クトゥルフ!!」

 徐々に高まりつつあった札に当てられたコハクが、観客席にいた良雄をクトゥルフと見間違える。

「邪神クトゥルフから美羽を守るため……覚悟!!」

 試合を放棄して、良雄の所へヴァルキリーの羽根を生やして突っ込んで行く。
 吹雪の猛撃から分御魂たちに助けられ、安心していた良雄を羽交い絞めにしたまま、地上にダイブした。


「ちょっまつッスーーーー!!」


「ん?」

 上の方から声がしてくるなと思った昌毅が上を見る。

「おいおい、この勢いはヤバいって」

 樹の幹を蹴るようにして、落下してきたコハクと良雄を捕まえる。

「邪魔をするな! クトゥルフを倒さないといけないんだぁぁぁぁ!」
「あーこりゃキテるな。おまえは一人で戻れるよな?」
「たたた助かったッス、マジで」

 暴れるコハクを何とか拘束して救護室へ運んでいく昌毅。



◇          ◇          ◇




「あーマジで焦ったわ」

 特設会場へと戻って来た良雄。
 会場では自分の正体である、【ドロドロした影の塊】に戻る幻覚を見てしまったバンがいた。

「やだー!! 俺を見ないでー!」

 その姿を見られるのがとても恥ずかしく、どこか隠れる場所はないかと探す。

「見ないでー! 見ないでーーーー!!!!」

 そう叫びながらエリザベートのローブの中へ入ろうとする。

―――バキッ

「みな……」

 武尊と同様、カルキノスにぶん殴られヒプノスまでかけられたバン。

「敗者復活戦 決勝、男の子の 体のヒミツ! リカインさんと自称年中ハロウィンチーム 煙さんは前に出てきて下さい」

 眠りにつかされたバンをそのままに、加夜は決勝の放送をするのだった。

―――バジン

「ぎょうぃわぁあぁい」

―――パシッ

―――バジン

「っぐげごがけいわ」

 リカインが自分の手の代わりにしていた河馬吸虎が、ついに有狂成分を溜めに溜めたモノに耐えきれなく潔癖性発動をしてしまった。
 引きずられるように人型へなる河馬吸虎。
 人型になった河馬吸虎はローションで濡れそぼつ立派な鼻は天高く、ボトムにはブラブラしてる何か、しかもそれがモザイク処理され空を舞う姿である。

「こ、こんな姿人様に見せれなぁぁぁぁいい!!」

 ものすごく羞恥心を感じて世界樹の葉で身体を隠そうとする。
 それを見たリカインが茫然としている。

 行動不能になったリカインに対して、煙はサイコロが2だった為第二試合へ復活することができた。

「敗者復活戦を勝ち抜いた煙さんは、第二試合へ行くことができます。おめでとうございます!!」