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対決、狂気かるた!

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対決、狂気かるた!

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「13回戦、パラ実火留田会 国頭 武尊(くにがみ・たける)さん対海京かるた会 フランチェスカ・ラグーザ(ふらんちぇすか・らぐーざ)さん。前に出て下さい」

 マインドシールドと僥倖のフラワシを持ってきているフランチェスカ。

「(これでも教会で神に仕える身。聖職者たる私が狂気に陥るなんてありえませんわ!)」
「(あぁ……フラグ立てまくってますよ……絶対に)」

 自信満々なフランチェスカの後ろにはカタリナ・アレクサンドリア(かたりな・あれくさんどりあ)がハラハラして見守っている。

「……うかりける」

―――バシーン!

「ハッハー! 勝つのはこのオレだぁぁぁ!」

 やけにハイテンションで札を奪っていく武尊。
 ハイテンションの訳は試合前にまで遡る……。



◇          ◇          ◇




 男子トイレにて。

「狂気のかるた大会に何の準備も無しで挑むのは、愚の骨頂というものだぜ」

 ポケットから『自称小麦粉』と『自称薄力粉』を取り出すとそれを服用した。

「ぐ、ふふふっふう……勝つのはオレだ!」



◇          ◇          ◇




「……あらしふく みむ」

―――パシンッ

「神の加護の元、勝つのは私ですわよ」

 行動予測と先制攻撃で札を取るフランチェスカ。
 追い越し、追い越されての接戦。

「やすらわで ねなましもの」

 札を見つけたフランチェスカが動き出す。

「ウルァァァアア!」

 フランチェスカが札を取るのに意識が傾いた時、武尊は疾風突きを応用した掌底を対戦相手の顎に掠めるように叩きこんだ。

「ヴゴバ!」

 見事に掌底が決まり、フランチェスカは気絶してしまう。

「(昏倒させちまえばこっちのもんだぜ!)悪い悪い、手が当たっちまったぜ。偶然、な」

 悪びれもせず謝る武尊。

「え、えーとこの場合は……武尊さんはサイコロを振る事は決まっていますが、フランチェスカさんは気絶していますし、どうしましょう」

 進行を受け持っている加夜はどうすればいいかと悩む。

「代わりに別の人がサイコロを振ればいいんですぅ」

 加夜の近くで観戦していたエリザベートがそう言う。

「え、ですが」
「気絶していても脳にはちゃーんと狂気は届くのですよぉ。そこのあなた!」

 迷っている加夜をそのままにエリザベートはカタリナに声をかける。

「わ、私ですか?」

 傍で見守っていただけのカタリナは、いきなりエリザベートに声をかけられ慌てる。

「あなたが代わりにサイコロを振るんですぅ」

 サイコロを渡され、振るしかなくなるカタリナ。

「フ、フランの為です。いざ!」

 出目は5。ほっと肩の力を抜くカタリナ。

「じゃ、次は俺の番だな。そりゃー!」

 サイコロから目線を上げる武尊。

「う、うああああああああ aaaaaaaaaaaaaaa!!」

 虚空を見上げ指を挿し、声にならない悲鳴を上げながらエリザベートのスカートの中に頭を突っ込み震える。

「な、なにをするのですぅ!」

 潜り込んで来た武尊を、アクセルギアと疾風怒濤で駆けつけたカルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)が龍飛翔突で武尊を突き上げる。

「暴れる奴はぶっ飛ばす!」

 飛びあがった武尊にゴッドスピードで勢いを付けて床にたたきつける。
 地面にめり込んだ武尊。

「あ、あ……霊体ミミズが、霊体ミミズがぁぁぁぁぁ!!!!!」

 突然そう叫び出すと自分の首を掻き毟り始める。
 武尊の目には掻き毟った傷口から寄生虫めいた物が出てきて白目を向いて気絶する。

「ふん、眠らせるまでもなかったか。大丈夫か、エリザベート」
「ちょっと驚いただけですぅ。別に平気よぉ」
「だったらエリー、これでも食べて幸せな気分になるといいよ」

 エリザベートの傍で待機していたルカルカ・ルー(るかるか・るー)は、ポケットからウエハースチョコをあげる。

「ありがとうですぅ。……進行、しなくてもいいのですかぁ?」
「はった、武尊さん続行不可能! よってフランチェスカさんが第二試合へコマを進めます!」