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冬のSSシナリオ

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■ドージェ様を超えるまで

「ドージェ様! 稽古を付けて下さい!」

ドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)が、
ゲルバッキーの用意したドージェ専用イコンをぶっ壊した後くらいの出来事。

パラ実生のセシル・フォークナー(せしる・ふぉーくなー)が、ドージェのところに押しかけていた。
セシルは憧れの先輩、ドージェに興奮して【アホ毛】がぴこぴこしてる。

ドージェは、特にセシルのことを気にすることもなく歩いていく。

「待ってください!
この間は野球しましたよね。
ぜひ、直々に稽古を!」

追いかけるも、
あまりにもドージェが大きいので、セシルとでは歩幅が違いすぎる。
そのため、セシルは全力疾走になってしまう。

必死に追いついたところ、
ドージェが精神統一のために瞑想に入るのを見て、
セシルもそれにならって瞑想することにする。

「これはもしかしたら、
『俺のやることを真似しろ』ということなのでは?
ドージェ様と一緒に瞑想すれば、強くなれるに違いありません!」

しかし、しばらくして。

「……はっ! 寝てました!」
セシルは、よだれを拭いた。
「冷静に考えてみれば、こんなことして強くなれるはずが!
いえ、ドージェ様はイメージトレーニングを重視するのかもしれませんが、
私は実践を重んじるんですよ!」

セシルは立ち上がり、ドージェに言い募る。

「ドージェ様! 稽古してください! ほらほら!」
剣をぶんぶん振り回して言うセシルだが、
ドージェは沈黙したままである。

その後も、喚いたり、叫んだり、大騒ぎするセシルだが、
ドージェは反応することはない。
その様子に、セシルはついに最終手段に出た。

「まだ見ぬ強敵の為に精神を統一させるのも大変結構ですが
……目の前の敵を疎かにするものではなくってよ?」

ドージェの首筋に一撃を加えようとするが、
その瞬間、ドージェがセシルを【右手を挙げて】払いのける。

一撃であった。

セシルは、岸壁に激突してめりこんでいた。

「さ、さすがドージェ様……ごふっ」
セシルは、血を吐きながら、ドージェに相手されたことを喜び、そのまま気を失った。

全身の骨が折れており、大ダメージを受けていたが、
「ドージェと戦った」ということには変わりない。
そのため、【ドージェに稽古をつけてもらった】として、
パラ実生の間で、セシルはますます名を挙げるのだった。