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リアクション
「ダリルが作ったお菓子を持って来たよ!」
双子の誘いで来たルカルカ・ルー(るかるか・るー)はマロンブッセを土産に登場。お菓子を双子やエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)に振る舞ったところで丁度良く映像が流れた。
■■■
どこでもない特設空間の一角にある真っ黒な部屋。
どこからともなくスポットライトが部屋に佇む四人を一人ずつ照らし始めた。
まず一人目は、
「神々の黄昏勃発! 人類の命運この一戦にあり! 金団長の命を受けただいま参上!」
勇ましいルカルカ。
続いて
「魔界の皆に応えるためにもこの一戦負けられないわ」
イナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)。ザナドゥに攻められた時についでに持ち前の人柄で魔神と仲良くなり魔界を制覇したのだ。
「光条世界の女神としてこの一戦に参加させて頂きます」
清楚な女神アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)。女王の力を継承させろと来たグランツ教のアルティメットクイーンから戴冠式で繋がった時に装置を逆操作し逆にパワーを吸い取りそのまま光条世界を制覇し光条世界の神の力を得たのだ。
「さっさと始めようぜ。冥界の神としては負けるつもりはねぇぜ」
ドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)。ナラカにいた時にもののついでに冥界を制覇したのだ。
最後に照らし出されたのは四人の中心。現れたのは麻雀卓。
室内全体が明るくなってから四人はそれぞれ席に着き、世界を賭けた神々の戦いが今始まった。
勝負中。
「……ん? こんな時に誰だ?」
突然、ドージェに連絡が入り、相手を確認するやいなやすぐに通話に出た。
「あぁ、今丁度勝負の途中だ。心配無い。すぐに勝負をつけて帰る」
ドージェは手を動かしながら話をしていたがすぐに連絡は終わった。
話が終わるなり、
「勝負中に誰?」
イナンナが電話の相手を訊ねた。
「弟のウゲンからだ。必ず勝って帰ろって」
とドージェ。応援の連絡が入るほど弟との兄弟仲は良好だ。
「ふーん、兄弟の応援かぁ、仲良いんだ」
ルカルカは手を動かしながら一言。
「地上界の代表は別の人だと思ったんだけど……中国に里帰りをした時に神として覚醒したついでに地上界を制覇したとか」
イナンナが登場時から気になっていた事を問う。
「そうなんだけど、金団長、用事があるからって軍命で代理を頼まれて。ルカ以外にもいると思ったんだけどね」
ルカルカは手を止めて肩をすくめながら答えた。
「他と言えば、演算能力を失わず、もののついでに経済の神として地球を制覇した神・御神楽環菜さんですね」
とアイシャが別の神の名を口にする。
「そうなんだけど、そっちも何か忙しそうで」
これまたルカルカは肩をすくめる。
「それでお前が参加という事か。で、その頭の帽子はどうしたんだ? 神のご加護でもあるのか?」
ドージェはルカルカの頭の帽子について訊ねた。
「そうだよ。この帽子に宿る神の力でみんなと戦うよ!」
ルカルカは地上界を制覇した ヒスミ・ロズフェル(ひすみ・ろずふぇる)と映像内の空気にツッコミを入れるキスミ・ロズフェル(きすみ・ろずふぇる)。
「それはルカも思った。何かコメディみたいって。で、マロンブッセはどう?」
ルカルカは笑いながら土産の感想を求めた。
「美味しいぜ」
「ついでにあいつが来てねぇし」
と双子。何よりお菓子作製者がいない事に安心していたり。
「あはは、二人共、怖い目に遭わされたりしたからね。とりあえず、喜んでたって報告しておくよ」
ルカルカはますます笑いながら言った。これまでの事をしっかりと思い出しているらしい。
「あぁ」
「ただし、来てなくて良かったとかはチクるなよ」
うなずくヒスミと念押しをするキスミ。
「言わないって、でもルカが言わなくてもきっと分かってると思うよ」
「……はぁ」
ルカルカは鋭い指摘をして双子をへこませた。すっかり腐れ縁化している三人。
「ほらほら、溜息つかない。次の映像が始まったよ」
ルカルカは明るい口調で誰かの映像を指さしながら双子を励ました。
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