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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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 戦闘終了後 迅竜 第二格納庫
「オート・メラーラが修理されてる……?」
 格納庫でエールヴァントは盾竜の主力武器であるオート・メラーラの修理が進んでいることに気付く。
 ふと呟いた時、オート・メラーラの近くにいた若い女性が突然声を上げる。
 
「なんですか……コレ? こんな立派な戦艦だというのに、なんで人員不足なんて事態に陥るんですか! いくら軍所属の部隊ではないとは言え、必要な人員くらいは各学校から用意するのが筋ってもんだろうが!!」
 
 思わず振り返ったエールヴァントは若い女性と目が合う。
 若い女性――佐々布 牡丹(さそう・ぼたん)は照れたように慌てると、我に返る。
 
「失礼しました。今回から迅竜機甲師団に着任しました佐々布牡丹です」
 敬礼する牡丹。
 
 自己紹介を済ませ、彼女は修理へと戻る。
 
「そもそも、エネルギー供給パイプが露出してるなんて弱点を狙ってくださいと言っている様なもんじゃないですか!」
 つい熱が入り、一人で叫んでしまう牡丹。
 とはいえ、その腕は本物のようで、着々と修理は進んでいく。
 
 当然、ケーブルは従来通り普通に供給は可能なように修理。
 加えて牡丹はオート・メラーラ専用のエネルギーカートリッジを作成しにかかった。
 通常運行中の迅竜から少しづつエネルギーを供給してカートリッジに貯めておく仕組みだ。
 更に、オート・メラーラ射出時の反動を抑える為の固定脚である後方アンカーの作成にもかかる。
 
 牡丹のおかげで、盾竜は着々と元、というよりそれ以上のの姿と力を得つつあった。
 
 修理が進む中、非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)が声をかけてくる。
「少々、よろしいでしょうか? 改修案が私にもありましてね」
 前回の戦いの後、【分御魂】 天之御中主大神(わけみたま・あめのみなかのぬしのかみ)【分御魂】 高御産巣日大神(わけみたま・たかみむすびのかみ)【分御魂】 神産巣日大神(わけみたま・かみむすびのかみ)の三名とともにイルミンスールから出向してきた近遠。
 近遠が提案した内容はこうだ。
 
 禽竜にはメタマテリアル系の透明マント効果塗装。
 鎧竜の各部装甲に、適宜、機晶フロート等を。
 迅竜に多目的用途の改良型ビックバンブラスト(或いは準じる武装)を。
 
 この三点を聞き、牡丹はなるほどと感心する。
「なるほど。この修理が終わったら、艦長に提案してみましょう」
「よろしくお願いしますよ」

 そんな話をしていると、一機のイコンが着艦してくる。
「すみません。こんなん見つけたんですけど」
 笠置 生駒(かさぎ・いこま)シーニー・ポータートル(しーにー・ぽーたーとる)ジェファルコン特務仕様
 戦闘が終わった後に残骸の収集と調査をしていた彼女達が拾ったもの。
 ジェファルコン特務仕様の手が差し出したもの。
 それは、最初の戦いで改修された、『奇妙な文様が刻まれた銀板』の欠片であった――。