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リアクション
■プロローグ
「アンタ、自分の死に様は気にならねぇですか?」
「何だ、気になるのか?」
イルミンスール魔法学校の入り口付近でエリザベートと鋭峰は話していた。
内容は死神動画について。
「気にならないって言ったら嘘になるですぅ。 イルミンスールにもそう言う理由で登録してる奴は多いですぅ」
「ふむ、それは私も同じだな」
鋭峰は教導団でも死神動画が流行り、今回の事件を聞いた時には戦慄したことを思い出す。
「少なくとも、うちの生徒をそんな下らない事で死なせるつもりはねぇですぅ。 勿論私も死ぬ気はねぇですぅ」
「随分と校長らしいことを言うようになったな」
鋭峰が感心して一言いうと、エリザベートは語るのを止め、頬を膨らませる。
「ったく、アンタもアンタでめんどくせぇやつですぅ」
「あの悪魔は信用ならん、だからこそ奴に頼らず事件を解決したいのだ」
空京での調査も必要ではあったが、あの悪魔が関わっている以上、何が起きるかわからない。
そう思うからこそ、鋭峰は空京から魔法学校へと戻ってきていた。
「ったく、だったら教導団にもどりゃいいじゃねえですかぁ」
「そう言うな、魔王の能力は頼りにしているのだ」
悪態をつきながらも鋭峰を追い払おうとはせず、エリザベートは過去何度も事件を引き起こしている、割といわくつきになりつつある魔術式催眠型学習装置の設置された広間へと足を運んでいた。
「ああ、ちょっと、何やってんの!?」
「う、ううん。 ちょっと人選ミス、かな?」
「マオちゃーん!?」
ドアを開けようとしたエリザベートは部屋から聞こえてくる聞き覚えある声によってその手を止める。
「どうやら、教導団の面子もやってきているようだな」
「ふう、アイツもなんやかんやで馴染んできたですぅ」
いつの間にか友達を作り、この世界へと馴染んできた魔王の事を思うと感慨深い気持ちになる。
『っしゃぁっ、あのうるせー校長が居ない間についでにデータを書き換えてやるですぅ!』
「何やってやがるですかクソ魔王がぁっ!」
そんな気持ちはどこへ行ったのか、エリザベートは部屋から聞こえてくる魔王の電子音声に反応して勢いよく駆けこんだ。
突然の事で驚く魔王と契約者達。
「それにしても、無事に終わればいいのだが」
あまりに特異すぎる男の死。
悪魔ルナティックの奇怪な行動。
そして、空京―――否、シャンバラ地方を包む異様な雰囲気が鋭峰の不安をかきたてていた。
「頼むぞ、皆」
空京で調査をする面子や、他の協力者達。
鋭峰は彼らを信じて今自分に出来る最善を尽くす為に行動を開始した。
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