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リアクション
ツァンダ レティーシア家施設ドック
「よく保ってくれたわね。ありがとう……迅竜」
大破寸前の状態ながら、それでも独力でドックに辿り着いた迅竜。
それを眺めながら、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は今後のプランをもう一度反芻する。
幸い、金鋭峰のはからいにより、必要なパーツはすべてこのドックに手配されていた。
後は修理を兼ねた大改修を行うだけだ。
その点でいえば、すべきことも、その為に必要なこともわかりきっている。
むしろ、どうすべきか頭を悩ませているのは、その後のことだ。
迅竜の大改修がどれだけ速く終わるかで、今後の展開が大きく変わる。
諜報部の活躍により、エッシェンバッハ派の本拠地は突きとめられた。
大改修が終わり次第、突撃をかけるのみ。
その為にも、一刻も早い大改修の完了が望まれるのだ。
「ルー艦長」
呼びかけられて振り返るルカルカ。
その先にいたのはイーリャ・アカーシ(いーりゃ・あかーし)だ。
「アカーシ博士」
ルカルカが振り返るなり、イーリャは数枚の書類を留めたバインダーを差し出す。
「迅竜の改修ですが、完了の目途が立ちました」
「ありがとう。思ってたよりも早く済むみたいね」
「ええ。レティーシア家の皆さんだけでなく、金団長の連絡で駆け付けてくださった教導団の方々、そして今までの戦いで少しずつ増えていった迅竜クルーがいますから」
安堵したように微笑みながら、ルカルカは再び行程表に目を落とす。
進捗状況としては申し分ない。
後は、すべてが完了するその時まで、ここを守りきれるかどうかだ。
当然、敵も迅竜の動向は探っているだろう。
もしここを嗅ぎつければ、すぐにでも襲撃をかけてくるに違いない。
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