リアクション
ニルヴァーナにて 「目的地は確認できているか?」 神剣勇者エクス・カリバーンの中で、ドクター・ハデスが聖剣勇者カリバーンに質した。 「エンライトメントの位置はトレースしているぞ。お宝は、俺の感じでは、こっちにあるぞ」 「そうか。だったら、この辺だな」 様々な情報から、ドクター・ハデスが遺跡の位置を予測する。まあ、あてずっぽうとどこが違うのかと問われれば、答えに窮するわけではあるが。 やがて、何もないはずの再廻の大地にポツンと何かが見えた。イコンの残骸だ。原形をとどめないほどバラバラな残骸のため、一瞬、エンライトメントかとも思ったが、そのパーツ形状はアニメイテッドイコンに似ている気がする。 「あれは、見た記憶がある気がするが……。魔装騎士アテナ……それとも、その部品に使った……。いやいやいや、そんな馬鹿なはずが……」 「どうやら、鏖殺寺院の使っているアニメイテッドイコンの新型のようだが……」 ちょっと考え込むドクター・ハデスに、聖剣勇者カリバーンが言った。落ちている部品の形状が、タンガロアの物に酷似してはいる。 「鏖殺寺院……、ブラッディ・ディヴァイン……。どちらにしても、先を越されてなるものか。遺跡とやらの超古代技術は、オリュンポスの物だ! 突入!!」 イコンの残骸近くにイコン用に見える巨大な入り口を見つけて、ドクター・ハデスが突入していった。エンライトメントが到着する前のことだ。ソルビトール・シャンフロウたちが中に入っているかどうかは不明である。 「さあ来い、お宝よ!」 意気込んで中に入って行ったドクター・ハデスではあったが、なんとも入り口を入って少しした所で戦闘の跡を発見した。何やら、イコンの破片のような物も散逸している。緩やかなスロープを描いて、その通路は地下へとのびていた。 「敵がいるようだな」 「なあに、そんな物は蹴散らして……」 ドクター・ハデスが皆まで言い終えないうちに、眼前に先ほどと同型のイコンが現れた。半身に水晶柱のような突起を多数生やしいてる。その足許には、同様の結晶体に寄生された機晶姫らしき一団がいる。 「イレイザー・スポーンに浸食されたものだな」 聖剣勇者カリバーンが、イコンのセンサーの分析結果を告げる。 「出たな。排除するぞ! 喰らえ、必殺!カリバーン・クラッシュ!」 飛行形態に変形した神剣勇者エクス・カリバーンが、クルリと回転し、一撃で敵を破壊した。 「ははははは、この程度で神剣勇者エクス・カリバーンを止められると……」 ドクター・ハデスが勝ち誇ったとき、突然コックピットにアラームが鳴り響いた。 「緊急事態だ。イレイザー・スポーンに浸食……いや、機体表面に付着された。動きが取れない」 「なんだと! なんとしてもふりほどけ!」 「ダメだ。コントロール不能……」 剣の形をとっている神剣エクス・カリバーンに、機晶姫の一団が貼りついていた。イレイザー・スポーンに同化はされなかったものの、表面を被われて動くことができない。そこへ、新たな敵イコンがやってきた。やはり、イレイザー・スポーンに寄生されている。 そのイコンは、フロアに横たわっている神剣エクス・カリバーンを掴んだ。 ★ ★ ★ 「おうい、鳴神さんと鬼頭さんから連絡が来たぞ。いよいよ実戦だそうだ」 猿渡 剛利(さわたり・たけとし)が、ニルヴァーナ創世学園の訓練場に駆け込んできて叫んだ。 「ええ、そうなんだ」 「いよいよ、特訓の成果が発揮できるのだな」 闘技場で模擬戦を行っていたエメラダ・アンバーアイ(えめらだ・あんばーあい)と佐倉 薫(さくら・かおる)が振り返って言った。 エメラダ・アンバーアイの足には黒子アヴァターラ マーシャルアーツ(くろこあう゛ぁたーら・まーしゃるあーつ)が、佐倉薫の手にはポントー・カタナブレードツルギ(ぽんとー・かたなぶれーどつるぎ)がある。 「よし、ここまで。すぐに、三船甲斐簡易移動ラボにむかうぞ」 佐倉薫が言うと、黒子アヴァターラマーシャルアーツが武装形態から戻った。黒子アヴァターラマーシャルアーツは、顔を布で隠した黒子の姿、ポントー・カタナブレードツルギはバニーガールの衣装にタヌキ耳とタヌキ尻尾がついた姿をしている。 「ようししし。待ってたよ。さあ、自慢しに行こうぜー」 すでに大型飛空艇三船甲斐簡易移動ラボを準備して待っていた三船 甲斐(みふね・かい)が、猿渡剛利たちを出迎えた。 「急いで、再廻の大地のゲートにむかうぞ」 「了解したのだー」 さっそく、三船甲斐が三船甲斐簡易移動ラボをゲートにむけて発進させた。 |
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