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リアクション
【16】
第7地区にある酒場にクルセイダーが来た。
表向きは酒場だがその実、レジスタンスのアジト、扉を破ってなだれ込んできた彼らは、真っ暗な店内を聖剣の青い光で照らす。しんと静まり返り何の気配もない。アジトは藻抜けの空だった。
桜月 舞香(さくらづき・まいか)は屋根の上からクルセイダーを見ていた。
今、最優先でしなければならないのはグランガクインを復活させること。そのためにはクルセイダーがレジスタンスと仲間に近付くのを阻止しなければ。
舞香はわざと目につくように大きなアクションで屋根の上を走った。
先日一戦交え、顔を知られているので、クルセイダーは彼女を追って屋根に登ってきた。後ろから、そして前からも漆黒のライダースーツの神罰執行人達が、獲物に群がるハイエナのように襲ってくる。
「我等、神に祝福されし理想の尖兵。聖なる都市を脅かす邪悪を抹殺せん」
「神よ。我が剣に光を。悪しき魂を斬り裂く勇気を」
「……来たわね」
舞花は別の屋根に飛び移ると、千里走りの術で風のような速さで走った。
「……そう。こっちに来なさい。あんた達はあたしが遊んであげるから」
目指すは第8地区に続く跳ね橋。
だがその時、光の弾丸が飛んできた。聖剣に銃型アタッチメントを取り付けたクルセイダーが、跳ね橋のところで待ち構えていたのだ。
「あと少しだってのに……!」
その時、吹雪がクルセイダーを襲ったかと思うと次の瞬間、魔弾が六連発で彼らを撃ち抜いた。直撃を食らった敵は紫の煙になって消失した。
「氷の魔法少女アイシクル・ノーン、参上だよ!」
魔法少女に変身したノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)が橋の上に。
そして……。
「魔法少女シューティング・マイカ、推参です!」
同じく魔法少女となった御神楽 舞花(みかぐら・まいか)が橋の上に現れた。
二人は可憐に登場のポーズを決め、再びホワイトアウトと魔砲リボルバーでクルセイダーを攻撃する。
その時、クルセイダーの頭上を飛び越え、舞花が目の前に着地した。
「あなた達、何でこんなとこに……」
「ガーディアン・ナンバーゼロ、あの怪物のことを思い出したんです」
銃を構えながら、マイカは言った。
「きっと同じように記憶が戻った人もいるでしょう。なら、私のすることはそんな人達をクルセイダーから守ることです」
「わたし達が暴れればクルセイダーの目はこっちに向くからねっ」
ノーンはそう言って、クルセイダーに吹雪を放つ。
「人のことは言えないけど、無茶するわね」
舞花は煙幕ファンデーションを使った。
「今のうちに第8地区に。奴らを第7地区から引き離すのよ」
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