天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

フューチャー・ファインダーズ(第3回/全3回)

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フューチャー・ファインダーズ(第3回/全3回)

リアクション


【17】


「……終わったようだね」
 時の聖堂にいるアルクラントは、司令部の夏侯淵から送られてきたテレパシーで全てが終わったことを知った。
 そしてこちらも目的のものを見つけることに成功したところだ。
 アルクはスケルトンスコープ荷電粒子銃を構えた。
「さよなら、未来」
 発射された閃光は壁を貫通して、四つ隣りの倉庫の、棚に置かれていた時空転移装置を貫いた。
 その瞬間、フッとアルクは消えた。
 詩穂も、陣も、エヴァルトも、舞香も、天泣も。聖堂にいたコントラクターは消えた。
「お別れだね、アイリちゃん」
 寿子は言った。
「ま、待って、まだあなたとは話したいことが……」
「また会えるよ」
「!」
「過去で待ってるから、またね」

 天御柱学院の屋上に、大文字博士とアイリの姿があった。
 空は青空で、白い雲が流れて、とても穏やかな日だった。
 さっきまでの曇天の空はない。空を引き裂く稲光も、降り注ぐ炎の雨もない。そして、あの恐るべき怪物も。
 まるで何事もなかったかのように、初めからそうであったかのように、何もかも消えた。壊された町も元に戻り、そして、皆を未来に送った機械も消えてしまった。
「全ては元通りか……」
 怪我をしていたアイリも包帯を取ると、傷は消えていた。
 その時だ。
「あれー? ここどこだー?」
「……ん、あ、ああ、学校だ! と言うことは2023年か、ここ?」
「帰ってきたーーっ!!」
 校庭から声が聞こえてきた。
「寿子くんも戻ってきただろう。行ってあげなさい」
「は、はい……!」
 アイリは慌てて階段を降りていった。
 すると今度は階段を上がってくる音が聞こえてきた。
 海京警察のサーファー刑事だ。
「博士! メルキオールの奴、見なかったか!?」
「ん?」
「縛っといたはずなんだけど、どこにもいねぇんだ! マジヤバだぜ!」
「あ、ああ……」
 未来に一緒に送ってしまったとは言えんよなぁ……と博士はポリポリ頬を掻いた。
「しかし、彼ももう戻ったはずだが……」
「見つけたぞ!」
 校庭から声が上がった。
 スーツ姿の顔色の悪い男が、メルキオールを追いかけているのが見えた。
「ま、待て……!」
「待てと言われて待つ人はおりマセン!」
「はぁはぁ……ヤバイ……バテてきた……」
 メルキオールはあっという間に男を引き離すと、
「皆サン! ”向こう”ではお世話になりマシタ! それではマタ会う日マデ!!」
 スタコラサッサと彼は逃げてしまった。
「あのバカ!!」
 サーファー刑事は階段を降りていった。
「コラーッ! ”夏バテ刑事”! バテてる場合じゃねぇぞーーっ!!」
 するとまた階段を上ってくる足音が聞こえた。
「おかえり」
 大文字博士は微笑んだ。
「近所にいい店を知ってるんです。今晩、一緒にお食事でもどうですか?」
 そう言うと、雅香は微笑みを返した。
「もちろん。楽しみにしてますわ」





 

THE END


担当マスターより

▼担当マスター

梅村象山

▼マスターコメント

マスターの梅村象山です。
シナリオにご参加下さった皆さん、ありがとうございました。

未来都市を舞台にした本キャンペーンもこれにて一件落着です。
前キャンペーン「インベーダー・フロム・XXX」から引っぱりに引っぱった
グランガクインもようやくお披露目することが出来ました。

本キャンペーンは個人的にはいろいろ実験をすることが出来たシリーズです。
例えば、PC、PLに状況を知らせずシナリオを展開するとか、
PCの持ち物、スキルを制限するとか、
次回のヒントを個別コメントでそれぞれ違うもの送るなど。
以前から試してみたかった仕掛けを実践出来て、マスターとしても楽しくて、そしていい経験が出来ました。

とは言え、時代や舞台の設定で幾分複雑になってしまって
PLの皆さんを戸惑わせてしまった点もあるかと思います。
申し訳ありません。

次回シナリオは決まり次第、マスターページで告知させて頂こうと思います。
ふざけると怒られそうなシリーズが続いたので、
次は肩肘張らずに書けるシナリオがいいなと漠然と考えています。

という感じで、それではまた!