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リアクション
「おらおらおらー!」
進藤 日雀(しんどう・ひがら)はアサルトカービン手に蛮族を蹴散らしていく。
ある程度倒した所で、足を打ち抜かれて動けない蛮族に近づき解毒剤を奪う。
「これって売れねぇかな……?」
手にしている解毒剤をじっと見つめる。
「そうだな、毒の治療はとりあえずキュアポイゾンで事足りるしな」
横で一緒に戦っていた犬神 疾風(いぬがみ・はやて)が口を出す。
疾風は言葉を紡ぎながらカルスノウトを使い急所を外して追いはぎを攻撃していく。
「それもそうか」
納得して日雀は、後ろから棍棒で襲ってきた蛮族の肩を打ち抜く。
更にその背後からパラミタオオカミが襲ってくる。
振り向くのが遅れ、日雀が腕を噛まれた。
疾風が慌ててカルスノウトで薙ぎ払い、オオカミの息の根を止める。
「遥!」
疾風に呼ばれて少し離れた所で戦っていた月守 遥(つくもり・はるか)が駆け寄る。
「大丈夫!? すぐにキュアポイゾン使うからね!」
腕を押さえ真っ青になっている日雀に急ぎ、スキルを使用する。
その間の戦闘を疾風が引き受ける。
が、数が多すぎる。
「くっ」
疾風の額に汗が浮かぶ。
「爆炎波ですわ!」
オオカミ2体が吹き飛ぶ。
突然の援護。
見るとそこには爆炎波を使ったナトレアと、ホーリーメイスで蛮族を昏倒させている津波、そして同じくホーリーメイスで津波とナトレアが取りこぼしている蛮族を怖々殴っているカタリーナが居た。
「日雀さんもカタリーナさんも頑張りましょう!」
毒から回復した日雀と、覚束ない手で戦っているカタリーナにナトレアが声をかける。
「おうっ!」
「はいっ!」
同時に2人が答える。
さらに、伊月から逃げてきたクレアも銃で援護をしてくれている。
この辺一帯の蛮族やオオカミは即興のチームワークに蹴散らされていくのだった。
ベアトリーチェにパワーブレスをかけてもらった美羽は、美脚を武器に戦っていく。
近づく蛮族の顎を蹴り上げ、脳震盪を起こさせる。
「私のケリを食らいたい奴は掛かって来なさい!」
なんとも楽しそうに蹴りを繰り出して、その犠牲者を増やしていく。
何故か蹴られた方は恍惚の表情を浮かべているが、美羽は気が付いていないらしい。
超ミニスカートの中が蹴りで見えているというのに。
「すみません! すみません!」
脳震盪を起こした相手は、ベアトリーチェが謝りながら蛮族の服で縛り上げている。
草原で待機中の間、伊月にやり方を教わっていたので、苦もなくこなしていく。
その横から近づいてくるのはガートルード・ハーレック(がーとるーど・はーれっく)とシルヴェスター・ウィッカー(しるう゛ぇすたー・うぃっかー)の2人が乗ったスパイクバイク。
シルヴェスターが轟雷閃を空へと放ち威嚇する。
「パラ実の名を無断で騙るのは、こらえん! ここに居るのは、ガートルード親分じゃけん! 100万人のパラ実生の多くが落とし前を付けろ! 言っとる! どうするつもりじゃー!」
広島弁の脅しをするその前にはマフィア風の格好をしたガートルードが堂々としている。
目の合った蛮族には目で威圧をかます。
「うう〜! 私より目立つなんて許せないんだから!」
「美羽さん!? どこに行くんですか?」
ガートルード達の元へと駆け出す美羽をベアトリーチェが追いかける。
ついでに近くにいたオオカミや蛮族も一緒に連れて行ってしまっている。
「私なんか【蒼空の麗しき美脚】って恐れられてるんだから!」
「ええ〜! いつからそんな――ふごっ」
真実を言いそうになるベアトリーチェの口をふさぐ。
ガートルード達に便乗して美羽が啖呵を切る。
その後ろではベアトリーチェがオロオロしている。
「わしの親分は【黒服の麗人】と言われとるんじゃけん!」
違うところで戦いが勃発。
美羽とシルヴェスターが火花を散らせ、ガートルードとベアトリーチェが困惑している。
「そいつはパラ実の親分なんかじゃないぜ!」
颯爽と現れたのはフローレンスとオオカミを従わせた魅世瑠だった。
魅世瑠の言葉を聞くと今までちょっと尻込みしていた蛮族が一気に襲いかかって来る。
「ちょっと! あんた達のせいでえらい事になってるんですけど!」
「ワシらのせいじゃない!」
4人は必死に撤退したのだった。
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