なし

リアクション

第４章


　ダンジョンへの挑戦が全て終わり、参加者が皆、出口付近へと集まった。
「お疲れ様でした。皆さん、今回のダンジョンはいかがでしたでしょうか？　最後にアンケートにもお答え下さい。では、あちらに並んでいる従業員へと進んで下さい」
　タノベさんの挨拶が終わり、蛮族の従業員の元へと殺到する。
　賞金の処理をした人はアンケートを聞かれ、答えていた。
　内容はなんてことはない。
・問題の難易度は如何でした？
・次もあったら参加したいですか？
　という２項目だけ。

　タノベさんは満足そうにこの盛況を見ている。
「まだアンケート結果を見るまで成功したとは言えませんが、嬉しいものです」
　しみじみと隣で警護をしてくれている、真紀とサイモンに漏らす。
「そこまでだっ！　鏖殺寺院の手先めっ！」
　イレブンがそう叫ぶと【情け無用】チームが飛びだして来て、一気にタノベを簀巻きにしてしまう。
「なっ！！」
　警護役の真紀とサイモンはレイディスとセオボルトに足止めされてしまって、動く事が出来なかった。
「何してるのっ！？」
　慌ててホイップ達が並んでいたのを放棄して向かってくる。
　ホイップが到着したところで、イレブンが財布を差し出す。
「コイツの有り金全部だ。これで借金も返せるな」
「えっ！？」
　チームのメンバーは満足気な顔をしているが、当のホイップは真っ青になっている。
「そんなお金が受け取れるわけがないだろう！」
　黎がホイップの前に立ち、イレブンにツッコミを入れる。
「えっと、何でこんな事態になってるの？」
　ホイップがイレブンに聞いてみる。
「こやつは悪徳商人で鏖殺寺院の手先だからだ！」
　即答が返ってきた。
「えぇ〜！？」
「いや、待て。とりあえず、このダンジョンを造った目的を知りたい」
　びっくりしている皆を代表して、ルカルカをまだ姫だっこしているダリルが質問をする。
「ダンジョンを造ったのはホイップさんの話を薬屋のおやじさんに聞いたからですよ。ヒラニプラ西側の平原に居る蛮族さん達が真面目に働きだしたと。だから、蛮族さん達の解毒剤やパラミタオオカミの皮を安く仕入させてもらう代わりに、仕事を提供させてもらったんです。屋台や、失敗者からのお金も入りますから十分儲かると踏んでね。まだ成功したとは言えませんが、アンケートの結果次第では今後も定期的にやっていこうと思っていたんです」
　なんともまともな目的に一同唖然。
　シャーロットが急いでタノベを巻いている簀を外したのだった。