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空京暴走疾風録

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空京暴走疾風録

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終章 空京大学/週明けの昼休み

 空京大学キャンパス――
 週末明けの昼休み、カフェテリアで宇都宮祥子、騎沙良詩穂、クロス・クロノス、如月正悟らが先の週末の事を話題にしながら昼食を取っていた。
「気味が悪いですね」
 クロスがコーヒーをすすりながら呟いた。
「南の“醍堕郎子(ダイダロス)“の総長とは、まだ誰も会っていないのですね?」
「携帯電話越しに話をしたけど、連絡先は不明、声はエフェクター越し」
 詩穂が「お手上げ」というジェスチャーで肩をすくめた。
 「『オシムラ アケミ』という名前の生徒は、ざっと調べてみた限りどの学校にも存在しない」
 正悟も鼻を鳴らした。
「ついでに調べてみたんだが、“醍堕郎子(ダイダロス)“ってのは、構成員が今まで誰も警察に捕まったことがないらしい。もちろん、捕まったところで別な“暴走族(チーム)“なり一匹狼を気取ればいいんだけど――
 本当に今まで誰も捕まってないのか、捕まっても“醍堕郎子(ダイダロス)“を名乗らないのかそれとも名乗れないのか。どっちにしたって不気味な話ではあるね……」
 ──!?
 不意に、正悟と詩穂が表情を硬くした。
「? どうしたの……」
 そう訊ねてくる祥子に対して、ふたりは同時に人指し指を口に当てる。「静かに!」のサインだ。
 昼時のカフェテラスは、あちこちで学生や教官らがおしゃべりをしている。
 聞くともなく聞こえるその会話の中に、「オシムラ アケミ」のような口調が、確かに聞こえたのだ。
 ――そうして、しばらくふたりは聴覚に精神を集中したが、その「口調」を聞き取ることは二度となかった。

担当マスターより

▼担当マスター

瑞山 真茂

▼マスターコメント

 瑞山真茂です。
 本リアクションお読みいただきありがとうございます。
 また、本シナリオに参加いただいた方には一層の感謝を申し上げます。

 発想の元は、アクションにて少なからぬ人が感じてらしたようですが、「暴走族もの」とか「ヤンキーもの」と言われる漫画、その中でも何かというとページに「!?」が出て来たり台詞のあちこちにダブルクォーテーションが踊るようなタイトルの漫画がモチーフになっています。

 当初はギャグっぽいシナリオにしようかと思っていたのですが、自分でつけたシナリオの煽り文句「行き場のない“青春(エネルギー)“」というキーワードに自分でひっかかり、「暴走族な少年少女を、ゴブリンやコボルドのようなやられキャラにしちゃっていいのかなぁ」などと思うようになり、何やらそここでコミュニケーション図ろうとして図れない、というちょっとモヤモヤする場面が出てくることとなってしまいました。

 ……いや、モヤモヤするっていうか、このリアクション、派手に設定とか伏線とか投げっぱなしにしてますよね。
 これどうしよう。いや、自分にどうにかできるのか、という根本的な疑問が……

 えー、それでは、ネタの仕込みに入ります。
 ユーザーの皆様とは、次のシナリオでまたお会いできまることを願いつつ、筆を置かせていただきます(“環七“の続きとなるかどうかは分かりませんが)。

 では、失礼いたします。