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リアクション
■ヘクトルと朔
キマクに侵攻中の第七龍騎士団、ヴァラヌスの部隊の前に、
雷雨の上空より飛来するものがいる。
鬼崎 朔(きざき・さく)と
スカサハ・オイフェウス(すかさは・おいふぇうす)のアルマイン・マギウス、
月光蝶カグヤだった。
空母での戦いの失敗と、スカサハのシャンバラ側への内通の責を問われ、
第七龍騎士団団員の資格を失った朔だが、
ヘクトルに謝罪と、正式な騎士団脱退の挨拶をするのが目的だった。
「貴様、何のつもりだ! よくヘクトル隊長の前に顔を出せるな!」
「よせ」
騎士団員をヘクトルが制する。
ヘクトルはヤークトヴァラヌスの走行を止めて、話を聞こうとするため、
他の団員たちもそれに従った。
「ヘクトル隊長、自分から動力室の防衛を願い出ておきながら失敗したこと……
また、無断で騎士団を抜けてしまい、申し訳ありませんでした」
「スカサハは朔様のためにやったことなのであります。
その事は後悔してないであります。
でも、ご迷惑をおかけしてごめんなさいであります」
スカサハも、パートナーと、その恋人や仲間とのことを思い、連絡を行ったが、
そのことに触れ、ヘクトルに謝罪をする。
朔とスカサハの謝罪を、ヘクトルは黙って聞いている。
「ですが、私は少しの間でも第七龍騎士団に在籍出来た事を後悔しておりません。
今までありがとうございました」
「……それを言うためにわざわざ来たのか」
ヘクトルが、朔を見上げ、言う。
「それに」
朔は続ける。
「それに、ヘクトル隊長……私は私のやり方で……信念を貫きます。
どうか、隊長も迷われるなら……世間からは『悪』と見られてでも、
あなたの信念を貫いて……悔いのない行動を」
今の朔には、もう、迷いはなかった。
そのことは、ヘクトルにも伝わったようだった。
「わかっている。オレも龍騎士だ。
オレ達には任務がある。
ここで無駄な損害を出すわけには行かない。早く去れ」
「お時間をいただきありがとうございました。
それでは皆様、ご武運を」
空中で月光蝶カグヤが敬礼し、
イナテミスに向かい、飛び去る。
ヘクトルは、それを見送り、再び第七龍騎士団を率いて、キマクに向かった。
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